2008.07.23 Wed
ロックンロールのゴットファーザーと息子たち
ロックの場合、もしチャック・ベリーがいなかったら、ジャンルそのものが成立しかっただろう。さらに、ビートルズやストーンズが世に出ることもなかったかもしれない。
ワンパターンと思われがちなイントロのギターとリフ。しかし、あれこそがロックンロールのアイコンであり、チャック・ベリーの偉大な発明なのだ。
そんなロックロールのゴッドファーザーと、彼の影響をモロに受けた息子たちの競演を見てみよう。
まずはジョン・レノン。1972年に放映されたテレビ番組の中での競演だ。
「Come Together」に関する盗作問題で因縁のある2人だが「チャック・ベリーは、ぼくのヒーロー」と言い切るジョンが、実に楽しげにプレイしているのが印象的。
チャック・ベリーの決めワザのひとつ、ダックウォークも軽やかだ(バックでヨーコが唸るのは、そんな時代だったからですね)。
次はキース・リチャーズとの競演。映画「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」の中の有名なひとコマだ。
チャック・ベリーというおっさん、変人というか性格的にかなり問題のある人らしく、お金に汚く、逮捕歴も数回ある。さらに、ツアーには出ても、バンドは同行させず、現地でミュージシャンを調達しては、適当にライブを繰り返していた。
そんな行き当たりばったりのチャック・ベリーをキースが「ちゃんとしたライブをしないとダメだよ」と説得。チャック・ベリーの60歳の誕生日を祝って、豪華ゲストを招いたライブが実現した。そのライブを舞台裏を含めて撮影した映画が「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」だ。
映画の中でキースはチャック・ベリーの複雑怪奇な性格に引きずり回されるが、彼を必死に盛り立てようとする姿はあまりにけなげで、感動的ですらある。しかし、撮影中に多くの衝突があったのも事実のようで、象徴的なシーンがこれだ。
「キャロル」のイントロを弾くキース。しかし、チャック・ベリーが「ちょっと待ちな。そうじゃねえだろうよ」と演奏を止めて、チョーキングのやり方の指導をする。怒りをこらえて、イントロを弾き直すキース。しかし、そのむくれた顔は映像に残されているキースの表情の中でも、ピカイチの怖さだ。
キースに説教をするチェック・ベリーも只者ではないが、恐怖すら感じるむくれ顔からはキースの本性のようなものを感じますなあ。
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昨年暮れに4枚組みのコレクターズエディションも発売された「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」はロック・ファン必見の映画であることはまちがいないだろう。
最後は、ブルース・スプリングスティーンと大定番曲の「Johnny B Goode」を競演する姿をどうぞ。
チャック・ベリーも年をとって、少しは丸くなったのか、周りに気をくばりながらプレイしているように見える。
しかし、最後までチャック・ベリーを見つめ続けるブルース・スプリングスティーンからは「このオヤジ、何しよるか分からん」という緊張感も感じられる。
1926年生まれで、80歳を超えたというのに、未だに現役でステージに上がり続け、お得意のダックウォークを披露するチャック・ベリー。ロックロールのゴッドファーザーの前では、ジョンとキース、そしてボスだって、永遠に息子のままなのだ。
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