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スノー・クイーン−桜に白い雪

 季節はずれの寒気が、昨日から北海道のオホーツク海側に居座っている。
 冷たい雨はやがて雪に変り、5月半ばだというのに、家の周りはうっすらと雪景色。せっかく咲いたエゾムラサキツツジも、雪の冷たさで萎れてしまった。

エゾムラサキツツジ

 家の裏手にある小高い山に登ると、さらに雪は深く、真冬に逆戻り。
 白い雪の中に、桜が咲いていた。

桜に雪

 若い芽を吹き出したばかりの白樺も、雪に埋もれてしまいそうだ。

白樺にも雪

 天気予報によると、この週末は低温が続くけれど、来週の後半は最高気温が20℃を超えるようだ。
 この寒暖の差は異常だが、桜に雪が積もる様子は長い北海道生活の中で、初めて見る光景だった。


 ということで、今日の1曲は「Snow Queen」。作者であるキャロル・キングではなく、ロジャー・ニコルズ・トリオのカバーバージョンで。



 この「Snow Queen」(上の音源はシングルバージョンで、アレンジは異なるけれど)が収録されているロジャー・ニコルズの「Small Circle of Friends」も、ロックの名盤中の名盤だ。

B0006U8DQMSmall Circle of Friends
Roger Nichols
Rev-Ola 2005-03-08

by G-Tools

 1968年にリリースされたこのアルバムには、緻密でポップなプロダクションが施されている。しかし、サイケデリックが全盛の時代にはいかにも異質な存在だったようで、ヒットすることはなかった。
 しかし、カバー曲のアレンジの素晴らしさなどから、日本では密かに愛聴され続けたアルバムで、90年代に入るといわゆる渋谷系の人たちに強く支持されることに。

 そんな背景もある「Small Circle of Friends」だが、単純に良質のポップ音楽として大好きなアルバムだ。
 どこか懐かしいのに、決して古臭さを感じさせない曲の数々は、ぼくの音楽的な宝物のひとつである。

 最後にもう1曲。「The Drifter」を。



 これもヒットはしかなかったけれど、1969年にひっそりと生まれた名曲だ。

| ロックの名盤 | 16:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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キャロル・キング、伝説のデモテープ

 唄のうまさは、声量や何オクターブの声域、音程の正確さといった類のもので計るものじゃないと、ぼくは思っている。
 よく「私はこんなに声がでるのよ。私の上手な唄を聴いて」と得意げに歌い上げる歌手がいるけれど、その手の歌声に心が震えることは、ほとんどない。むしろ、少し頼りなげで、揺れる動く気持ちを表現できる歌声に魅力を感じる。

 数年前、大阪で観たキャロル・キングのコンサートは、今でも鮮明に覚えている。
 ホールに彼女の声とピアノの音が響いた瞬間に涙がこぼれてきた。あれほどまでに、ぼくの心を強く揺さぶった声は、これまで聴いたことがなかった。

 最近のキャロル・キングの声は昔に比べると、少しかすれやすい。ギターでいえば、クランチ気味の声になることも多いのだが、それが彼女の魅惑のトーンでもある。そして、クランチ気味の声を巧みにコントロールしながら唄う姿は、まさにプロフェッショナルだった。
 声量や声域、音程とは別の次元にキャロル・キングの唄のうまさはあるのだ。

 そんなキャロル・キングのデモテープ音源がリリースされた。

B007EM6FTWLegendary Demos
Carole King
Hear Music 2012-04-24

by G-Tools

 ファンの方なら知っていると思うが、彼女はシンガーとしてデビューする前に、ゴーフィ&キングの名義でソングライターとして多くのヒット曲を書いてきた。
 そして、その曲を売るため、著作権登録するために、多くのデモテープを作った。そのデモテープの出来があまりに良いので、業界の人々に密かに愛聴されていたというのは、今では伝説に類する話になっている。
 その伝説のデモテープを収めたアルバムが、これだ。

 1961年から1970年に録音されたというデモ音源の音質は、お世辞にも良いとはいえない。しかし、若々しい彼女のすっぴんの歌声には、やはり心を揺さぶられた。

 そして、13曲ありデモ音源の中で、ぼくが一番驚いたのが「It's Too Late」の素晴らしさだ。
 シンプルなアレンジの「It's Too Late」は「タペストリー」に収録されているバージョンよりも、この曲が本来持っている凛とした別れの場面に漂う瑞々しい切なさが感じられて、あまりに美しい。



 上に挿入した最近のジェームス・ティラーとのライブの「It's Too Late」も好きだが、本来この曲は彼女のピアノだけでしっとりと唄われるべきなのかもしれない。

 デモ音源ということもあり、すべての人におすすめできるアルバムではないけれど、キャロル・キングの歌声を聴き続けてきた人ほど、このアルバムの良さが分かるのではないかだろうか。

| キャロル・キング | 18:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハンドルネームのギターストラップ

 ぼくがコメントなど使っているハンドルネームは「woodstock69」。
 これは1969年に開催された音楽フェスの「ウッドストック」に由来するが、あえて「69」と加えているのは、イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」の中の一節「ここでは、1969年からスピリットは切らしています」も意識したからだ。

 そんなハンドルネーム「woodstock69」が織り込まれたギター・ストラップを手に入れた。

ウッドストックのストラップ

 この「ウッドストック」のストラップ、数年前にプラネットウェイブスから発売されたのは知っていた。でも、わざわざ通販で取り寄せるほどのものじゃなく、どこかで見かけたら買おうくらいに思っていた。

 しかし、幸か不幸かそんな機会もなく、その存在すら忘れかけていたが、数日前に近くのハードオフに行くと「ウッドストック」のストラップ、4種類が新古品として並んでいた。
 ストラップは既に何本もあるのだが、実物を見ちゃうと我慢できるはずもなく「woodstock69」に加えて、赤い「3days」も買ってしまった。


 ハンドルネームのストラップを手に入れることができたのはうれしいけれど、右手の回復にはまだ少々時間がかかりそう。
 さすがにピックが手から落ちることはなくなったけれど、手首が硬いのでミスピックを連発するし、コードを刻むのも難しい。さらに、これまで半ば無意識にやっていたブリッジミュートも上手にできずに、余計な弦が鳴ったままだったりもする。

 それでも、再びギターが弾けるようになったは、大きな進歩。手首の痛みを感じながら、こちらもリハビリ中である。


 そんなわけで、今日の1曲はサンタナの「Soul Sacrifice」。



 あの時代にしか存在しかなった「熱気」を感じるウッドストックの名演である。

| エレキギター、再び | 18:23 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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追悼、レヴォン・ヘルム

 ザ・バンドのドラマーだったレヴォン・ヘルムが亡くなった。

ザ・バンドのドラマー、レヴォン・ヘルム、癌との闘病の末に逝去

 彼が喉頭癌を発病し、闘病生活を送っていたのは知っていたが、つい最近まで音楽活動をしていただけに、死去のニュースにはショックを受けた。

 ただ、悲劇的な死を思い起こさずにはいられないザ・バンドのメンバーの中で、レヴォンが多く友人たちに見守られて亡くなったらしいことを知って、ぼくは救われた気がした。
 そして「ラスト・ワルツ」以降はあまりに深い確執があったロビー・ロバートソンが、レヴォンの危篤の報を受けてニューヨークの病院へ急いだという話にも、涙してしまった。


 ザ・バンドというバンドは、不思議なグループだった。
 ロック界が百花繚乱だった60年代終わりにデビュー。様々な大輪の花や原色の造花が咲き乱れるなか、彼らは原野にひっそりと咲く美しい野性の花のようなのバンドだった。
 そして、20代後半で老成したかのような音楽を奏で、30代で「音楽という旅に疲れてしまった」と宣言して、解散してしまう。

 でも、彼らの渋いアルバムの数々が、ぼくは大好きだ。
 レヴォンが亡くなったことは悲しいけれど、ぼくはこの先も「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」や「南十字星」を聴き、「ラスト・ワルツ」の映画を見ながら、心豊かな時間を過ごすのだと思う。



 彼らの曲の中で一番好きな「The Night They Drove Old Dixie Down」を捧げ、心からレヴォン・ヘルムのご冥福をお祈りいたします。

| ロックの名盤 | 08:13 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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ストーンズのお酒、でも禁酒中

 今回も半ば骨折ネタ。でも、この手の話は今しか書けないので、もう少しのおつきあいを。

 先月末に骨折、手術をしてチタンのプレートの入った右手はリハビリの成果もあって、少しずつは回復してきている。
 しかし、未だにお酒は飲んでいない。禁酒はかれこれ1カ月近く続いている。

 お酒は好きである。その味を覚えてからというもの、よほど体調が悪くない限りは飲み続けてきた。
 でも、近ごろは表で飲み歩いたり、悪酔いしたりすることも少なくなり、薄めのブラックニッカの水割り3〜4杯を寝酒にする毎日だった。

 しかし、骨折の原因が酔っ払った状態での転倒だったせいか、お酒に酔うことに未だに抵抗感がある。酔うのが怖いのだ。
 「ビールの1本ぐらいなら大丈夫かな」とも思うけれど、風呂上りに飲んでいるのはノンアルコールビールである。骨折の前は「酔わないビールなんて意味ないだろ」と思っていたが、少なくとも気分を味わえる一缶は、今のぼくにはありがたい。
 お酒の味を覚えてから、1カ月近くも飲まなかったのは、もちろん初めてのこと。でも、50代を目前にして、長めの休肝日をとるのも悪いことじゃないだろう。

 とはいえ、このままストイックに禁酒を続ける気もなく、右手が全快に近づいたら飲んでやろうとは思っているのだが、さすがに量は減るだろうなあ。

 そんなことを考えていたら、こんなニュースが。

ローリング・ストーンズのマーク使った酒をシリーズ化
 サントリー、まずハイボールなど6月発売


 例のベロマークの入った第3のビールやハイボールはお店で見かけたら、まちがいなく買っちゃうだろうなあ。
 「5年もかけて、ミック・ジャガーら関係者から使用許可を得た」という記事には笑っちゃうけど、この夏には「ローリングホップ」をグビッといける状態に戻りたいもんだ。


 ってことで、今日の1曲は「Satisfaction」。



 ストーンズの映画「Let's Spend the Night Together」のラストの1曲。この曲の終わりで、キースがお酒のビン(ジャック・ダニエルズだろうか?)をつかみ、うまそうに飲むシーンがある。
 映画の公開当時、ぼくはこの姿にあこがれて、まだ買いやすい値段だった「アーリー・タイムズ」でマネをしてみたが、見事にむせてしまった。

 そんな思い出深い映画も、昨年末にブルーレイ化された。

ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー [Blu-ray]
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 レビューを読むと、これまでで最高画質らしい「Let's Spend the Night Together」を見たくなってきた。
 そろそろ、我が家もDVDからブルーレイにする時期か。

| ローリング・ストーンズ | 19:18 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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弾けぬからこそ、つのる想い

 右手首の骨折から、約20日。リハビリの日々である。
 どうにか指は元通りに動くようになったが、手首はまだまだ硬い。

エピフォンのカジノ

 でも、ピックがつまめるようになったので、試しにエピフォンのカジノを手にとってみたが、まともに弦がはじけない。さらに、ピックもポロリと手から落ちる。
 いやはや、趣味の面でも骨折の代償は大きいけれど、リハビリに励むしかないなあ。

 目の前にギターがあるのに、弾けぬ状態であるこそ、ギターへの想いがつのります。


 ということで、今日の1曲はロッド・スチュワートの「You're in My Heart」を。



 邦題が「胸につのる想い」ってことからの選曲だが、出だしからまちがえちゃうのは演出?それとも、マジなのだろうか。
 そのあたりを含めて、最近のロッドを見ていると「このオヤジも、悪くない歳の取りかたをしてんなあ」と思う。

| エレキギター、再び | 09:34 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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Help! 手術室で聴くビートルズ

 あまりに恥ずかし過ぎて、あえて理由は書かないけれど、前回のエントリーの直後に右の手首を骨折。派手にポッキリしちゃったので、3月終わりに手首の骨をプレートとボルトで固定する手術をした。
 ちなみに、骨折したのは30年ぶり、2回目だ。

 歩いて、手術室に入り、覚悟(自慢じゃないけど、痛みと血なまぐさいのは大の苦手だ)を決めて手術台に乗ると、横にいた看護師さんが「何か好きな音楽はありますか?」とたずねてきた。
 音楽には患者をリラックスさせる効果があり、室内には有線放送のBGMが流れるそうだ。「できれば、ビートルズがいいんですが」と答えると「確か、そんなチャンネルもありましたね」と看護師さんが席を立った。

 すると、手術室の中にジョンの声が流れてきた。曲は「ヘルプ」だ。



 あまりにでき過ぎた展開に笑いそうになったが、その直後に右手には麻酔がかけられ、手術が始まった。

 こうして、ぼくは1時間ちょっとの手術中にビートルズを聴きながら過ごした。確かに音楽にはリラックス効果があって、ランダムに流れてくるビートルズの曲をたまに口ずさみ、先生の指示や話し声、ドリルの音などを聴きながら、ぼくは手術を終えた。

 手術の途中で、しみじみと「イン・マイ・ライフ」を聴き「ヘイ・ジュード」には励まされた。これまでも、色々な場所や状況でビートルズを聴いてきたけれど、最も記憶に残る場所でのビートルズだったと思う。
 もう二度と、あんな状況でビートルズは聴きたくないけれど・・・・。

 その後、無事に退院して、今は自宅で骨休め中。右手のリハビリはこれからだけど、こうして少しキーボードも打てるようになった。

 手首をさすりながら「早くギターが弾きたいなあ」と思いつつ、モノラルのビートルズのアルバムを聴く日々である。

| ビートルズとその周辺 | 12:16 | comments:4 | trackbacks:1 | TOP↑

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ローリング・ストーンズの50周年を考える

 2012年はストーンズがデビューしてから50周年にあたる年だ。
 1962年、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ブライアン・ジョーンズ、イアン・スチュアートに、ベースのディック・テイラー、ドラムのミック・エイヴォリーを加えたメンバーが、ローリング・ストーンズとしてロンドンのマーキークラブでステージ・デビュー。翌63年にチャーリー・ワッツとビル・ワイマンが加入し、現在につながるストーンズの形ができていく。

 昨年末あたりから「12年には記念のツアーをやるのではないか」というウワサもあり、メンバーもミーティングの機会をもったようだが、最近になって下のようなニュースがあった。

ザ・ローリング・ストーンズ、2013年、結成50周年の記念ツアーを敢行

 これによると「まだツアーに出る準備は整っていない」ので、50周年ツアーが実現するとしても、来年。
 さらに、キースの健康面に不安があって、これまでのような大規模なワールドツアーは行なわず、ニューヨークやロサンゼルス、ロンドンなどの大都市で各10公演ずつを行うようなスタイルも検討されているそうだ。

 キースの健康に不安があるというウワサが少し気がかりだが、昨年末に視力矯正の角膜レーザー手術を受け(キースの「ステージで眼鏡をかけている姿なんて見せられねえ」という心意気だろう)、先日も故ヒューバート・サムリンのトリビュート・コンサートに出演したことを考えると、それほど深刻な問題ではないような気がする。

 ぼくはメンバーの年齢を考えれば、無理をしてワールドツアーを敢行するより、世界の大都市(できれば、そこに東京や大阪が加わってほしいけど)に腰を落ち着けて、じっくりとプレイをするのがベターだと思う。
 極端にいえば、ビル・ワイマンやミック・ティラーといったかつてのメンバー(ブライアン以外は存命なわけで)や、ストーンズにゆかりのゲストを招いて、1回きりの記念コンサートを行い、それをネット中継やDVDで見るという形でも、ぼくにはかまわない。
 ただ、ストーンズの場合、ライブを重ねることによって調子を上げていくところがあるバンドなので、一発勝負には不安があるけれど・・・・。

 いずれにせよ、50周年という節目にストーンズのライブが見たいというのが、多くのファンの望みだろう。


 最後に推測を交えた深読みをすると、ストーンズ・カンパニーのミック社長が50周年ツアーに積極的ではなさそうな理由は、数年前から本格化したアーカイブ・ビジネスに手ごたえを感じているからではないか。
 ツアーのたびに、最も負担を強いられるフロントマンのミック社長は「過去の遺産でストーンズが運営できるのなら、無理してライブをやる気になんねーよ」と思っても不思議ではない。彼だって68歳、超人ではないからだ。

 そんなミックは少し前にホワイト・ハウスでライブを行なった。





 ホワイトハスのセレブたちの前で「ミス・ユー」を余裕たっぷりで唄う姿は、サー・ミック・ジャガーらしい。少し前のぼくなら「貴族趣味丸出しで、最低やな」と思っただろうが、今ならそんな姿も許せる(キースがどう思っているかは知りませんが)。

 しかし、ストーンズに過去の遺産はたくさんあっても、未来の時間はあまりなさそうだ。ミックにはローリング・ストーンズのフロントに、もう一度だけ戻ってきてほしい。

| ローリング・ストーンズ | 09:54 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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卒業ソングの傑作−制服

 今日は小学6年生の長男の卒業式だった。
 親にとっての6年間なんてのはあっという間。ランドセルを買ったのが、ついこの前のことに感じられるのに、もう卒業なのだから、子どもの成長と時間の過ぎていく早さに驚いてしまう。

 そんな我が家の事情に関係なく、この時期になると毎年思い出して、夜中にYouTubeでこっそりと聴いちゃう曲がある。

 松田聖子の「制服」だ。



 ぼくは聖子ちゃんの直撃世代なのだが、レコードを買うほどのファンでもなかった。でも、友達の家で発売されたばかりの「赤いスイートピー」のシングルB面に収められていた「制服」を聴いたときに「こんな名曲をB面にしておくなんて、松田聖子はすごい」と感心した。
 その想いは未だに変らず、今でもこの曲には50前の男の胸をキュンとさせるところがある。多感な頃に聴いた名曲というのは、いつまでも輝き続けているものだ。

 そして、サビの「失うときはじめて、まぶしかった時を知るの」というフレーズは、まさに黄金の一行。ぼくはこのフレーズに30年前とは違った何かを感じている。

 最近の流行の唄が失くしてしまった「湿っぽくならない、清らかなせつなさ」が、この曲には確かにある。

| BEATな話題 | 17:55 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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最近、書店で見つけた「ディランを語ろう」

 年度末進行の仕事と確定申告、それにイレギュラーな出張付きの仕事まで加わって、例年になく慌しい3月前半になった。
 そんなわけで、このBlogもしばらく放置となってしまったけれど、大きな山は乗り越えたので、また週1くらいのペースで更新できるはず。

 そんな慌しい毎日だったけれど、おなごみの時間もあった。
 昨年末、隣町に複合型の書店ができた。「コーチャンフォー」という店で、北海道ではメジャーな大型書店だ。ぼくは仕事で隣町に行った時、無理やり時間を作ってでも、この店に立ち寄ることにしている。

 この書店、とにかく広くて本やCDの在庫も豊富。田舎暮らしと引き換えに失くしてしまった「たくさんの本やCDを目で見て、その中から選んで買う」という楽しみを味わえる店だ。
 最近、すっかりアマゾン頼みの読書と音楽生活だったが、棚の間を歩き、実物を手にとり、ページをめくって本を選ぶという行為には、格別の喜びがある。

 そして、歩き疲れたら、店内にあるドトールコーヒーに入って、買ったばかりの本のページをめくる。都会では当たり前だった行為が、やけに新鮮で、活字好きのぼくにとっては「コーチャンフォー」で過ごす数時間が、最近の楽しみのひとつになっている。

 そんな大型書店で、浦沢直樹と和久井光司の「ディランを語ろう」を買った。

4093592020ディランを語ろう
浦沢 直樹 和久井 光司
小学館 2007-12

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 この本、アマゾンでの評価が意外に低くて、これまで手が伸びなかったのだが、実際に読んでみると、とても面白かった。

 著者の浦沢直樹はもはや説明不要の漫画家、和久井光司は「レコード・コレクターズ」などの評論でもお馴染みの音楽家だ。大のディラン好きが、タイトルにあるように大いに「語る」のだが、2人のボブ・ディランに対するスタンスは極めて私的である。つまり、自分にとってのディラン、自分とディランの思い出や様々なアルバムとの出会いを語り合う。
 そのため、彼らと同年代の人にしか分からないような単語(注釈はあるけど)が頻出するし、あの時代にCDでなくレコードでロックを聴いていないと、理解できないようなニュアンスや空気感が多々ある。

 ぼくは1962年生まれなので「ディランを語ろう」をワクワクしながら読んだし、2人の話に共感もできるけれど、例えば1970年代に生まれたディラン・ファンには部分的に意味不明の迷著となるかもしれない。
 でも「同世代でしか語れないディラン」という割り切り方が気に入ったし、2人のディラン与太話の中に、彼の本質を見事に捉えた瞬間があることも確かだ。
 結論として、1975年前後に思春期を迎えたディラン・ファンにはおすすめの一冊かな。


 本と一緒にCDもひとつ。
 アムネスティ・インターナショナルの創立50周年、ボブのデビュー50周年を記念してリリースされた4枚組みのトリビュートアルバム「Chimes of Freedom」。

B006H3MIV8Chimes of Freedom: Songs of Bob Dylan
Chimes of Freedom: Songs of Bob Dylan
Amnesty Internationa 2012-01-24

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 新旧アーチスト、新旧の録音を取り混ぜたボリューム満点のトリビュートアルバムなので、長尺で散漫な印象もなくはないけれど、輸入盤の2500円弱という値段を考えれば、充分に納得のできる内容だ。

 特に女性アーチストのカバーに素晴らしいものが多く、ダイアナ・クラールの「Simple Twist Of Fate」(ちなみの夫のコステロは「License To Kill」をカバー)やカーリー・サイモンの「Just Like A Woman」あたりは、この先も愛聴していく曲になりそう。その他にジャクソン・ブラウンやジェフ・ベックが加わっているところも、うれしい。
 ぼくは好きな曲だけを抜き出して、CD1枚に編集したものを車で聴いている。

 というわけで、今日の1曲は「Simple Twist Of Fate」(邦題は「運命のひとひねり」で、こちらも秀逸なタイトル)。
 まずは、ダイアナ・クラールのバージョンを。
 


 改めて、曲の中に隠れていてた美しい旋律に気づかされるカバーだ。

 次はボブ本人の「Simple Twist Of Fate」。



 テレビに出演しても相変わらず無愛想で、テキトーに曲を始めちゃおうボブがいい。
 なにより、フリル付きの開襟シャツの上にレザーのジャケットというファッションが似合う1970年代のディランがかっこいい!。

 最後に、もう1曲。ディランとジョージの「If Not For You」を。



 おそらくバングラディッシュのコンサートのリハーサル風景を収めたものと思われるが、いつものようにハモるようで、微妙にハモらないディランのデュエットがステキすぎる。

 わざと外すのが、ボブ・ディランの大きな特徴、未だに直らぬクセである。 

| ボブ・ディラン | 11:48 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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