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GyaoのBAHO

 基本的に無料のインターネットテレビGyaoのコンテンツの中に「昭和TV」というのがある。
 その名の通り、昭和時代の様々な映像を見られるのだが、ぼくが月に1回の更新を楽しみにしているのが「全日本プロレス THE BEST」だ。
 今のプロレスに比べると、技も少なくて、動きもゆっくりなのだが、どの試合にも何ともいえぬ味わいがある。「技は出せば良いってもんじゃない。すべての動きに意味を持たせろ」。そんな馬場さんの声が空から聞こえてきそうな試合の数々には、単に「昔のプロレス」とは言い切れない何かが潜んでいると思う。

 そんな「昭和TV」の開設一周年を記念して行われたトークショウとライブの様子が、10月1日までの期間限定で公開されている。
 トークショウに出演しているのはCharとジョー山中、ROLLYの3人で、昭和の日本のロック秘話のようなものも語られていて、なかなか面白い。特にCharの熱い語り口は必見かも。

 ライブのほうはBAHOの「上を向いて歩こう」で始まり、後半でジョー山中とROLLYが加わるという展開で進むが、これも実に素晴らしかった。
 Charと石田長生の2人のギターのアンサンブルは、さらに熟成され、チューニングや老眼まで芸にしてしまう話術も絶妙。グイグイと彼らの世界に引き込まれていく。

 ライブの中では、ベースを弾き、ハーモニカを吹くCharの姿も見られるのだが、これが実に決まっていた。「天は二物を与えず」というけれど、かっこいいギターが弾けて、唄もうまく、さらに喋りでも抜群の冴えをみせるCharに関しては、それはあてはまらないなあ。

 ジョー山中も還暦を過ぎたとは思えないほどの声量と軽やかな動きで、久しぶりに聴いた「人間の証明のテーマ」にはゾクゾクしてしまった。この曲、角川映画のテーマ曲ということで軽くみていたが、日本のR&Bの名曲だと思う。

 そんな中、ROLLYはちょっと控えめ。耳に残る怪しいリードギターを弾くあたりはさすがだが、必殺技の笑うギターは聴けなかった。さすがの彼も日本のロック・レジェンドの前では、いつもの調子が出ないといったところだろうか。

 このライブ、基本的にノーカットだと思うのだが、会場が徐々に暖まり、ステージでプレイしている側も次第に熱くなっていく様子がよーく分かる。最近はYoutubeで1曲だけというパターンが多いけれど「あれは断片的でしかないんだなあ」ということも思い知らされるライブだった。

 このトークショウとライブ、2つとも見ると2時間を超えるボリュームがあるので、時間のある時にクリックして、ゆっくりと楽しんでください。


 ついでに、再始動したフラワー・トラベリン・バンド関連の映像を。
 まずは、トークショーの中にも出てきたパンツ一丁で象に乗る、ジョー山中。



 ルックス、サウンドのどちらも強烈。「70年代の初めの日本に、こんなバンドが存在していたなんて」と改めて驚いてしまった。

 次は今年の再始動後のライブから。



 曲は同じく「Satori Pt II」だが、メンバーの合計年齢が300歳を超えるバンドとは思えないほどパワフルなプレイだ。
 ジョー山中の右側、石間秀機が弾いているのはシターラというオリジナルの楽器。ギターとシタールを融合させた楽器だそうで、唯一無二の独特の音はすごい。

 それにしても、この「Satori Pt II」という曲、一度聴くと耳からなかなか離れない。
 英語の歌詞なのに、曲調はオリエンタル。無国籍な曲に秘められてたパワーは、今も変わらないのだ。

サトリサトリ
フラワー・トラベリン・バンド


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 そんな「Satori Pt II」の入っている「サトリ」は日本のロックの孤高の名盤。
 レコードの時代には何度も聴いたけれど、CDは持っていなかったので、ついついポチッとしてしまった。

 ついでに1冊、一番新しい「ROCKS OFF」は日本のギタリストの特集。

ムック THE DIG Japan ROCKS OFF(ロックス・オフ) vol.5 (シンコー・ミュージックMOOK)ムック THE DIG Japan ROCKS OFF(ロックス・オフ) vol.5


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 Charや鈴木茂のインタビューの他に、石間秀機とROLLYの対談もあって、なかなか楽しい内容だった。


 最後にBAHOのライブを見ると、いつも欲しくなってしまうのがオベーション。
 彼らと同じギターを持ったからといって、うまくなるわけではないのは、よーく分かっているのですが、昔からあこがれがあるんだなあ、オベーションには。


Ovation Celebrity CC48

 それしても、昔はとても高価なエレアコという印象のあったオベーションが、アウトレットとはいえ、今では5万円ちょっとで買えてしまうなんて・・・・。
 うーん、物欲の秋です。

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| ロックの名盤 | 18:11 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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ロックンロールのゴットファーザーと息子たち

 歴史の中に「もしかして」はない。でも、たまに「もしかして」を空想してみるのも面白い。
 ロックの場合、もしチャック・ベリーがいなかったら、ジャンルそのものが成立しかっただろう。さらに、ビートルズやストーンズが世に出ることもなかったかもしれない。
 ワンパターンと思われがちなイントロのギターとリフ。しかし、あれこそがロックンロールのアイコンであり、チャック・ベリーの偉大な発明なのだ。

 そんなロックロールのゴッドファーザーと、彼の影響をモロに受けた息子たちの競演を見てみよう。
 まずはジョン・レノン。1972年に放映されたテレビ番組の中での競演だ。



 「Come Together」に関する盗作問題で因縁のある2人だが「チャック・ベリーは、ぼくのヒーロー」と言い切るジョンが、実に楽しげにプレイしているのが印象的。
 チャック・ベリーの決めワザのひとつ、ダックウォークも軽やかだ(バックでヨーコが唸るのは、そんな時代だったからですね)。

 次はキース・リチャーズとの競演。映画「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」の中の有名なひとコマだ。



 チャック・ベリーというおっさん、変人というか性格的にかなり問題のある人らしく、お金に汚く、逮捕歴も数回ある。さらに、ツアーには出ても、バンドは同行させず、現地でミュージシャンを調達しては、適当にライブを繰り返していた。
 そんな行き当たりばったりのチャック・ベリーをキースが「ちゃんとしたライブをしないとダメだよ」と説得。チャック・ベリーの60歳の誕生日を祝って、豪華ゲストを招いたライブが実現した。そのライブを舞台裏を含めて撮影した映画が「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」だ。

 映画の中でキースはチャック・ベリーの複雑怪奇な性格に引きずり回されるが、彼を必死に盛り立てようとする姿はあまりにけなげで、感動的ですらある。しかし、撮影中に多くの衝突があったのも事実のようで、象徴的なシーンがこれだ。
 「キャロル」のイントロを弾くキース。しかし、チャック・ベリーが「ちょっと待ちな。そうじゃねえだろうよ」と演奏を止めて、チョーキングのやり方の指導をする。怒りをこらえて、イントロを弾き直すキース。しかし、そのむくれた顔は映像に残されているキースの表情の中でも、ピカイチの怖さだ。

 キースに説教をするチェック・ベリーも只者ではないが、恐怖すら感じるむくれ顔からはキースの本性のようなものを感じますなあ。

ヘイル!ヘイル!ロックンロール(完全限定版 4枚組コレクターズ・エディション)ヘイル!ヘイル!ロックンロール(完全限定版 4枚組コレクターズ・エディション)
リンダ・ロンシュタット, チャック・ベリー, ロバート・クレイ, ジュリアン・レノン, テイラー・ハックフォード


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 昨年暮れに4枚組みのコレクターズエディションも発売された「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」はロック・ファン必見の映画であることはまちがいないだろう。

 最後は、ブルース・スプリングスティーンと大定番曲の「Johnny B Goode」を競演する姿をどうぞ。



 チャック・ベリーも年をとって、少しは丸くなったのか、周りに気をくばりながらプレイしているように見える。
 しかし、最後までチャック・ベリーを見つめ続けるブルース・スプリングスティーンからは「このオヤジ、何しよるか分からん」という緊張感も感じられる。

 1926年生まれで、80歳を超えたというのに、未だに現役でステージに上がり続け、お得意のダックウォークを披露するチャック・ベリー。ロックロールのゴッドファーザーの前では、ジョンとキース、そしてボスだって、永遠に息子のままなのだ。

Greatest HitsGreatest Hits
Chuck Berry


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| ロックの名盤 | 18:34 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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フェイセズよ、お前もか

 ぼくには「大好きだあ」とあまり声にはしないけれど、昔から密かに聞き続けているバンドがいくつかある。
 フェイセズもそんなバンドのひとつ。ルーズでポップなのに、そこはかとなく哀愁の漂うフェイセズは、実にイギリスらしいバンドだと思う。

 バンドのメンバーはロッド・スチュワート、ロン・ウッド、ロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズの5人。
 今、名前を見ると「スーパーグループか」と勘違いしちゃいそうな豪華なメンバーだが、当時はちっともスーパーではなく、単なる酔っ払いのロックンロール・バンドであった。

 そんなフェイセズが残したオリジナルアルバムは、わずかに4枚しかない。

First StepFirst Step
The Small Faces


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Long PlayerLong Player
Faces


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A Nod is As Good As a Wink to a Blind HorseA Nod is As Good As a Wink to a Blind Horse
Faces


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Ooh La LaOoh La La
Faces


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 どれを聴いてもハズレなしの名盤揃いである。
 しかし、この場合の名盤という言葉は「不朽の名作」ではなく、どちらかというと「B級の星」的な意味が濃いあたりが、実にフェイセズらしい。意識的にルーズにプレイしているのか、ホントにはずしているのか、よーく分からない絶妙なバンドのノリがツボにはまる人にとっては、たまらなく魅力的なアルバムばかりだと思う。

 ピカイチのB級ロックロール・バンドだったフェイセズの悲劇は、ロッド・スチュワートがソロシンガーとして、ブレイクしたところから始まった。
 みんなで酒を飲んで、騒ぎながらレコーディングをして、そこそこ売れ始め、楽しくライブを繰り返している頃は良かったのだが、ロッド・スチュワートがソロ名義でリリースしたアルバム「Every picture tells a story」の中に入っていた「マギー・メイ」が大ヒットし、バンドに亀裂が入り始めたのだ。

Every Picture Tells a StoryEvery Picture Tells a Story
Rod Stewart


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 実は、この「Every picture tells a story」はソロ名義とはいえ、バックでほとんどの曲をプレイしているのは、フェイセズのメンバーだ。つまり、フェイセズ在籍時のロッド・スチュワートのソロアルバムは、フェイセズが作ったものに限りなく近かった。ソロ活動とフェイセズの境目が曖昧だったのである。
 彼らはホントに仲が良かったのだと思う。だから、ロッドのソロアルバムであろうと、フェイセズであろうと分け隔てなく一緒にプレイしたのだろう。

 しかし、それが「マギー・メイ」の大ヒットによって裏目に出る。ステージでもロッドのソロの曲とバンドの曲を分け隔てなくプレイしていたフェイセズは、本人達の意思に反して、次第にロッドのバックバンドのような扱い方をされるようになっていく。
 そんなフェイセズに失望したロニー・レーンが脱退。替わりに日本人のベーシスト・山内テツが加入するも、フェイセズはあえなく解散してしまう。



 この映像はキース・リチャーズがゲスト出演した解散直前のフェイセズのライブ。既にバンドの仲はかなり悪かったのだろうが、楽しそうにプレイするフェイセズの様子がよく伝わってくる。
 ついでに、70年代にキースやロニーと並んで、笑顔でプレイしていた日本人ベーシストが居たことも、今となっては驚きに値する快挙だと思う。

 フェイセズ解散後のメンバーの歩みは、みなさんご存知の通り。
 ロッドは「アイム・セクシー」路線でブレイクし、軽薄なロック・シンガーを演じ続けた。近年では渋いスタンダード曲をカバーして、現役のリードボーカリストとして精力的に活動している。

 ロン・ウッドは解散直後にサポートメンバーとしてローリング・ストーンズに加入し、ツアーに同行。今では在籍年数が30年を越えて、すっかりストーンズの一員である。


 そんなフェイセズが33年ぶりの再結成に向けて動き始めているという。

70年代UKロックを代表する伝説的バンド、THE FACESが33年ぶりの再結成に向けて始動か?

 リンク先の記事によると「年内にも新作のレコーディングと再結成ツアーを行う可能性がある模様」らしいから、彼らが30年以上の年月を経て、フェイセズとしてステージの立つ日も近いのかもしれない。

 でも、ぼくはフェイセズが復活することに対して、素直に喜べない気持ちもある。
 彼らの音楽の魅力は、曲から密かに漂ってくる儚さや悲しさである。それはあの時代にしか出しえなかった匂いで、今さらフェイセズが再結成したとしても、同窓会的な集まりにしかならないのではないか。
 大物バンドの再結成ブームに便乗した「オレたちも一山当てようぜ」的なノリは、実にフェイセズらしいとも思うのだが・・・・。

 そんなことを考えていると、こんなニュースも飛び込んできた。

R・ストーンズのロン・ウッド、リハビリ施設に入所

 ストーンズのツアー中は禁酒できるらしいけれど、ツアーが終わるとアル中に逆戻りしてしまうロニーが、遂にリハビリ施設に入所したらしい。
 こんなニュースを読むと、ロニーの快気祝い、次のストーンズのツアー開始まで酒との距離を遠ざけるためのフェイセズの再結成、ツアーってのもありかなと思ってしまう。

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| ロックの名盤 | 20:21 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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レスポール的名盤3 Bob Marley「LIVE!」

 先月、ぼくの住んでいる北海道のオホーツク海側では不順な天候が続き、思わずストーブをつけてしまう日もあった。でも、7月に入ってからは晴天が2日続き、気温も25℃近くまで上がった。

 やっと来た、夏。今日はTシャツを着て、ボブ・マーレーの「LIVE!」を聴いた。

Live!Live!
Bob Marley & the Wailers


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 実はこのアルバムについては、去年の夏にも書いた。音楽的な側面については、こちらのエントリーを読んでもらいたいが、今回はレスポール的名盤という視点から、このアルバムについて考察してみようと思っている。

 ジャケットにも大きく写っているが、ボブ・マーレーが愛用していたギターは、大幅に改造されたレスポール・スペシャルである。
 彼はキャリアの初期にはラージヘッドでサンバーストのストラトキャスターを弾いていたが、50年代後期に製造された推測されるレスポール・スペシャルを手に入れてからは、1981年にわずか36歳の若さで亡くなるまでそれを使い続けた。

 レスポール・スペシャルの改造された点として、まず目につくのは、大型のスイッチ・プレートとネック。
 特にネックはブロックインレイでバインディング付きだから、通常のレスポール・スペシャルとは大きく仕様が異なる。これは推測になるが、ネックが折れた際に、同じ特徴を持つレスポール・カスタムのネックが移植されたのではないだろうか。
 その他の部分では、バーブリッジからチューンOマチックへの変更。さらに、チェリーレッドが退色したのかもしれないが、オリジナルのレスポール・スペシャルにはないボディカラーも、リフィニッシュされたと考えるのが妥当だろう。

 ぼくにはボブ・マーレーがギタリストという認識はなかった。でも、ライブの映像を見ると、彼がレスポール・スペシャルを激しくかき鳴らしながら、レゲエという音楽を世界中に広めていったことが、よく分かる。



 Youtubeで見つけた「I Shot The Sheriff」の中で、ボブ・マーレーが肩から下げているレスポール・スペシャルは、ギターの形をした斧のようだ。彼にとってギターは武器のひとつだったのではないだろうか。
 そして、同じシングルコイルのギターだが、ストラトキャスターの鋭利で繊細なトーンよりも、ファットで図太いトーンを弾き出すP90がマウントされたレスポール・スペシャルを生涯の愛機としたのも、その生き方を考えればなんとなく分かるような気がする。

 ボブ・マーレーの「LIVE!」をレスポール的名盤とするには違和感がなくもない。
 でも、レスポール・スペシャルでポジティブなバイブレーションを奏で続けたボブ・マーレーは、レスポールのサウンドを象徴するギタリストの一人だと思うのだ。


 ボブ・マーレーのレスポール・スペシャルは、世界で最も有名なギターのひとつだろう。でも、それをコピーしたギターはあまり見たことがないような気がする。
 と思っていると、新潟の楽器屋「あぽろん」にそのものズバリの1台があった。

EDWARDS ONE LOVE ボブマーレーレスポール

 お店がエドワーズに特別にオーダーしたという「ONE LOVE ボブマーレー・レスポール」は、個人的にはレリック加工がやり過ぎかなという気がしないでもないが、あのギターの特徴をとてもうまく再現していると思う。

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| ロックの名盤 | 21:57 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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今から30年前のChar

 いつものように「今日の新潟の波の具合はどうじゃろな」とbacoさんのブログ「えびすねこ」にお邪魔すると、サイドバーにCharとジェイク・シマブクロが競演しているビデオが貼り付けてあった。そして、ギターとウクレレで会話しているかのような映像に見入ってしまった。

 ついでに、他のCharも見たくなってしまったので、Youtubeを検索していると、こんな映像を発見。今から30年前の1978年、24時間テレビでゴタイゴをバックに唄うCharである。

 曲はスローな「Wondering again」だが、なんと前半はCharがギターを持たずに唄う。しかも、かなり感情の入った手振り付きだ。ぼくはギターを持たずにステージに立つCharを初めて見た気がする。いずれにせよ、Charの長いキャリアの中でも、これはかなり珍しい映像だと思う。



 曲の後半、CharはP90の付いたゴールドトップのレスポールを手にするが、情感たっぷりのギターソロも素晴らしい。
 ついでに、曲が終わった後のMCも必見だ。真正面から真摯に客席に訴えかけるCharの姿は、今ではちょっと想像できないほど硬派に感じられて、少々驚いてしまった。

 同じライブからもう一曲、「Shinin' You, Shinin' Day」。
 Charはギターをムスタングに持ち替え、ジミヘン化してギターソロを弾いている。



 曲の最後の方でCharは観客を煽る(ほとんどの人がイスに座ったまま。でも、30年前はそんな時代でした)のだが、これがまた「そんなもんじゃ、通じないよ。欽ちゃんには!」という直球勝負の言葉だ。うーん、色んな意味で若いって素晴らしい。

 この「Shinin' You, Shinin' Day」が1曲目に収録されているCharのデビューアルバム「Char」は、1977年にリリースされた。

CharChar
Char


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 とあるインタビューでChar自身も「未だにベストだよね、1枚目が。あれは絶対に超えられない」と語っていたが、デビューアルバムの「Char」は、30年が経過しても色あせることのない日本のロックの名盤だと思う。


 シリアスなCharもステキだが、ぼくはおちゃらけモード全開のCharも好きである。特に石田長生とのギター漫才ユニット「BAHO」は最高だ。
 というわけで、必殺の「ベンチャーズ・メドレー」をご覧下さい。




 BAHOのしゃべりもたっぷりと聴けるライブ盤「HAPPENINGS」は、未だによく聴く大好きな1枚。

HAPPENINGSHAPPENINGS
BAHO


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 至るところに笑いが散りばめられているけれど、金子マリがゲストボーカルとして参加する「TIME,AFTER TIME」は、いつ聴いてもうっとりとしてしまうほどの美しさである。
 江口寿史の手がけたジャケット、ブックレットも実に良い出来です。

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| ロックの名盤 | 20:22 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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スクワイヤから発売されるデュオソニック

 ギターを買う時、密かに決めていることがある。それは、中古のギターを現物をじっくりと見てから買うことだ。
 近ごろはネットショップやオークションでも、手軽にギターを買うことができる。でも、これに手を出すとキリがない気がする。さらに「このギター、どうしても欲しい」と思えるような1本とは、実際にどこかで出会いたい。何かの縁があって、ぼくの手元にやって来たという感覚をもって、ギターを買いたいのだ。

 しかし、そんな中古現物主義を打ち破りそうな1本をネットで見てしまった。日本でも近々発売されるはずのスクワイヤーのデュオソニックのコピーモデルだ。

Squier Duo-Sonic

 スクワイヤのデュオソニック紹介ページ(英語)

 1956年にフェンダーが発表したデュオソニック(DUO-SONIC)はスチューデントモデル、つまり入門者用のギターという設定だった。
 ポプラ(アッシュやアルダーという説もある)を使った薄めのボディーに、ショートスケールのネックという構成の低価格ギターだが、同時に発表された同じシェイプのミュージックマスターとは異なり、デュオソニックは2個のピックアップが取り付けられていた。
 これがデュオソニックのミソで、セレクタースイッチをセンターにすると、2個のピックアップがシリーズ配線され、ハムバッキングピックアップとして機能する。つまり、低価格のスチューデントモデルとはいえ、意外に使えそうなギターがデュオソニックなのだ。

 かなり前から、ぼくはデュオソニックというギターにあこがれを持っていた。チープでシンプルなスタイルが抜群にかっこいいし、弾いている人が少ないというところも、天邪鬼的な性格を満足させてくれそうな気がするからだ。
 しかし、デュオソニックは現在のフェンダーのライナップにはない。推測するに、今ではこんなシンプルなギターには需要がないというメーカーの判断によるものだろう。
 さらに、ヴィンテージギターの価格が高騰を続ける中でも、デュオソニックは未だに20万円前後で買えるギターだ。どうしても欲しいならホンモノを買えばいいわけで、レプリカを発売するまでもないともいえそうだ。

 そんな中、スクワイヤが発表したデュオソニックは、メイプルネックで色はデザートサンド、アノダイズ加工がされたアルミ製のピックガードと、実に渋い仕様の初期型のフルコピーだ。
 気になる値段の方は、既に発売されているらしいアメリカの楽器店のHPを見ると、定価が479.99ドルで、販売価格は279.99ドル。これなら、日本に入ってきたとしても、実売価格は4万円前後だろう。

 中途半端なコピーが多いという印象もあるスクワイヤだが「たまには、やるじゃん!」って感じで、今回のデュオソニックは個人的にはど真ん中のストライク。「中古現物主義を引っ込めて、新品を買うぞ」と、この場で宣言しちゃいます。
 とにかく、日本での発売が待ち遠しい1本だ。

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| ロックの名盤 | 18:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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レスポール的名盤2「The White Album」

The Beatles (The White Album)The Beatles (The White Album)
The Beatles


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 以前にも書いたような気がするが、ぼくが30数年前に「エレキギターを弾きたい!」と思うようになったきっかけは、ビートルズの通称「ホワイト・アルバム」の中の「While My Guitar Gently Weeps」を聴いたことだ。

 ぼくは中学生の時にビートルズが大好きになったが、最初は彼らの曲を聴くのに夢中で、ギターで弾こうなんて考えもしなかった。でも、「While My Guitar Gently Weeps」を聴いて、初めてギターの音に対して衝撃を受けてしまった。「めちゃくちゃ、かっこいい!こんな風にギターを弾いてみたい」と思うようになったのだ。
 そして、レコードに入っていたライナーノートを読むと「この曲のギターソロはジョージ・ハリスンではなく、エリック・クラプトンが弾いている」と書いてあった。この時、ぼくの頭の中に「エリック・クラプトン」という名前は強くインプットされた。

 「While My Guitar Gently Weeps」でクラプトンが泣きじゃくらせているギターは「ルシール」と名付けられたチェリーレッドのレスポールだ。このレスポールは数奇な運命を辿ってジョージの所有するギターとなり、その生涯に渡って愛用された一本である。

 ジョン・セバスチャン(元ラヴィン・スプーンフル)は、ビグズビーを装着した1957年製のゴールドトップのレスポールを所有していた。やがて、そのギターはリック・デリンジャーへと譲り渡されたが、ステージで使い続けているうちにキズが多くなったため、ギブソンの工場にリフィニッシュに出される。
 ゴールドトップのレスポールからは、ビグズビーが取り外され、チェリーレッドに塗り変えられて、手元に戻ってきた。しかし、リック・デリンジャーはリフィニッシュによって以前と異なるトーンになってしまったことが気に入らず、ニューヨークにある楽器屋に売り払ってしまう。

 しばらくして、偶然にその楽器屋を訪れたクラプトンが、チェリーレッドのレスポールを見つけて、ロンドンに持ち帰った。そして、1968年9月に行われた「While My Guitar Gently Weeps」のレコーディングセッションに「ルシール」を持ち込み、ビートルズのレコードの中に歴史的な名演を刻み込んだのである。

 セッション終了後、弾き終えたばかりの「ルシール」はジョージにプレゼントされた。
 チェリーレッドのレスポールは「Revolution」のPVにも登場するので、ビートルズ・ファンには御馴染みのギターだが、元々はクラプトンの持ち物だったのである。



 少し前まではギターをクリーントーンで鳴らしていたビートルズだが、この曲では思い切りアンプをドライブさせて、トーンを歪ませている。エレキギターのトーンというものが、わずか数年の間に大きく様変わりしてしまったことが、よく分かる1曲だと思う。


 1973年、ドラック中毒による引き篭もり状態のクラプトンを立ち直らせるために、ピート・タウンゼントなど多くの友人達が「レインボー・コンサート」を企画した。カムバックのきっかけになったステージに、クラプトンはジョージから借りた「ルシール」を手にして立った。
 どういういきさつがあったかは分からないが、クラプトンは大事な復帰の舞台に「While My Guitar Gently Weeps」を弾いた時の良いイメージを持ち込みたかったのではないだろうか。

Eric Clapton's Rainbow ConcertEric Clapton's Rainbow Concert
Eric Clapton


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 レインボー・コンサートでのクラプトンはお世辞にも本調子とは言い難く、ギターと歌声に弱々しい部分が目立つ。
 しかし、ここで復活へのきっかけをつかんのだクラプトンは、翌年「461 Ocean Boulevard」を携えて、ロックシーンへと帰還する。その時、彼の手に握られていたのは「ルシール」ではなく「ブラッキー」のネックだった。


 空中分解状態のビートルズが作った、名曲が乱雑に散りばめられた「ホワイト・アルバム」をレスポール的名盤と定義するには無理があるかもしれない。
 でも、クラプトンとジョージをつなぐ「ルシール」という1台のレスポールと、その後の彼らの運命。そして「While My Guitar Gently Weeps」という曲の素晴らしさから、あえて「ホワイト・アルバム」をレスポール的名盤としたい。

 最後に年代別の「While My Guitar Gently Weeps」のライブ映像をご覧下さい。

 まずはバングラデシュのコンサートのワンシーン。



 この頃、クラプトンは既に重度のドラック中毒で、早々にコンサートへの出演を決めながら、会場であるマジソン・スクエアー・ガーデンへの到着が危ぶまれていたという。当然、プレイは精彩を欠き、ギターソロにも切れ味はないが、今となってはこれも貴重な記録だ。
 そんなヘロヘロのクラプトンに対して、この時期のジョージはかっこいい。哲学者然とした顔に、白いスーツと白いストラトが実に似合っていますなあ。

 次はプリンストラスト・コンサートの「While My Guitar Gently Weeps」。



 豪華なメンバーでプレイされ、クラプトンもチェリーサンバーストのレスポールを持ち出して、やる気満々だ。惜しいのは、ベルサーチのスーツを着こなすハイパーな時期のクラプトンだけに、何となくフレーズに哀愁がないところか。

 最後はジョージの追悼コンサートから。



 クラプトンの声、ギターのトーンとフレーズから友を悼む気持ちが痛いほど感じられる。とても悲しいけれど、聴き応えのある名演になっている思う。

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レスポール的名盤「Bluesbreakers with Eric Clapton」

 ジャンク品、エントリークラスとはいえ、エピフォンのゴールドトップのレスポールを手に入れてから、ぼくの中でレスポール熱がにわかに高まっている。フェンダー系のギターを中心に弾いてきたせいか、レスポールのスタイルやトーンが、やけに新鮮に感じられるのだ。
 そんな気分をブログにも反映させて、これまでの名盤レビューとは異なる「レスポールが主役のアルバム」という切り口でも、名盤を紹介していこうと思っている。

 レスポール的名盤の第1回目は「Bluesbreakers with Eric Clapton」。ロックとレスポールの関係を歴史的な観点から考えると「最初はこれしなかない」という1枚だ。
 アマゾンで検索してみると、アメリカ盤より日本盤のほうが安くて、しかもモノラルとステレオの2つのミックスが聴けるコンプリート・エディションだった。ひょっとしたら、このアルバムはモノラルで聴いたほうがムードがあるんじゃないかと思って、日本盤にリンクを貼ってみた。

ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトンジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン


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 今のエリック・クラプトンのギターといえば、ストラトキャスターというイメージしか思い浮かばないが、ロックに歴史の教科書があったとすれば「1966年、エリック・クラプトンがレスポールとマーシャルの組み合わせを発明」と書かれることになるだろう。
 つまり、マーシャルのアンプにレスポールをプラグインして、ボリュームをフルに上げ、ナチュラルにオーバードライブさせたトーンで「何じゃ、このギターの音は!」と多くのギタリストに衝撃を与えたのは、このアルバムとクラプトンなのだ。
 ジミー・ペイジはレスポールを世界中に普及させた伝道師といえそうだが、開祖はクラプトン。現在まで続くレスポールとロックの関係は、ここから始まったといえるだろう。

 このアルバムはリリースから40年以上が経過しているので、正直なところ「ちょっと、古くさいなあ」と感じられる部分もある。情報が少なかった時代に、アメリカの黒人音楽であるブルースを、イギリス人が良い意味で屈曲した解釈でレコーディングしているせいか、妙な違和感を感じる部分もなくはない。
 でも、クラプトンのレスポールのトーンに関しては、未だに色あせることなく、聴くたびに「レスポールの音ってのは、これだよなあ」と思わずにはいられない。

 中でも、未だにギターインストの名曲として輝き続けているのが、2曲目の「Hideaway」だ。フレディー・キングの曲のカバーだが、フルテンにしたマーシャルからはじき出されるレスポールのトーンが絶品だ。
 この曲をレコーディングした時、クラプトンは弱冠21歳。すでに自分の中でブルースを消化しているようで、その上にクラプトン独特のタイム間(この曲に限らず、クラプトンをコピーする時の高いハードル。真似するのがとっても難しいと思うのは、ぼくだけだろうか)とフレーズを加えて、若々しくアグレッシブなブルースに変化させているあたりは、さすがというしかない。「天才は最初から天才なのだ」ということを痛感させられる一曲だ。

 Youtubにも60年代の「Hideaway」の映像はなくって、これはジョン・メイオールの70歳を祝うライブでのひとコマ。



 クラプトンのギターはストラトで、若い頃のようなアグレッシブさはないが、これはこれで悪くはない。老いてなお、怪しくもかっこいいジョン・メイオールが、クラプトンよりも目立っている一曲かもしれない。

 次は、同じくYoutubeで発見した、もうひとつの「Hideaway」。



 弾いているのは、十代の日本人の女の子だと思われるが、クラプトン独特のタイム間を見事にコピーして、自分のものにしているような気がする。
 実は、ぼくもギターを再開した直後から「Hideaway」のコピーを続けているが、こんな風には弾きこなせない。もちろん、才能って部分もあるのだろうけれど、もっと練習しないとなあ。

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戦略的なパンクバンドだったポリス

 今月、日本でもポリスの再結成ライブ(長期休養だったという話もあるので、活動再開ライブか?)が行われた。
 ぼくはポリスをデビュー当初からリアルタイムで聴いていたし、もちろん大好きだけど、飛行機に乗って、東京や大阪に見に行くまでの深い思い入れはない。でも、再結成ライブの映像を見ると、サポートメンバーを付けず、広いステージに3人だけで立って、過剰な装飾のないプレイをする姿には潔さとかっこよさを感じる。

 ギターマガジン3月号に掲載されていたインタビューで、ギターのアンディ・サマーズは再結成の理由を「お金のため」ときっぱり言い切っていた。同時に「オーディエンスの歓声とともに、興奮を分かち合うのは、最もピュアで最高の音楽の楽しみ方だ」とも発言していて、この言葉の通りに、アンディ・サマーズ(実はクラプトンよりも年上)は巨大なステージで空間を音で埋め尽くすような勢いで、ギターを弾きまくっているようだ。

Outlandos d'AmourOutlandos d'Amour
The Police


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 ぼくにとって、ポリスといえば、やっぱりこれ。デビュー・アルバムの「Outlandos d'Amour」だ。
 とにかく、出だしの「Next to You」「So Lonely」「Roxanne」の3連発が強力で、今聴いても軽い興奮を覚える。

 デビュー当時のポリスのイメージは、まちがいなく数あるイギリスのパンクバンドの中の一組だった。そして、レゲエのリズムを積極的に取り入れた、少し風変わりなバンドという感じがしていた。
 でも、パンクはポリスの売り出し戦略のひとつで、デビューアルバムをリリースした時の年齢はスティングが27歳でスチュワート・コープランドが26歳。なんと、アンディ・サマーズにいたっては35歳だった。
 さらに、スティングのデビュー前の職業は小学校の国語教師、アンディ・サマーズはアニマルズのメンバーとして、1968年に来日したこともあるベテランのミュージシャンだった。
 つまり、彼らは素顔でパンクバンドをやるような怒れる若者ではなく、パンクの衣をまとった大人だったである。

 ポリスという意味深な名前も、インパクトがあって覚えやすく、プロモーションにも使えるという理由で決められたと聞いたことがあるから、このあたりも大いに戦略的だ。

ポリス インサイド・アウト (JAPAN EDITION)ポリス インサイド・アウト (JAPAN EDITION)
スチュアート・コープランド


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 最近、スチュワート・コープランドが撮影した8ミリフィルムを編集したポリスの映画「ポリス インサイド・アウト」も見たが、これもドキュメンタリーという意味では興味深い内容だった。

 1台の車に機材とメンバーを乗せ、広大なアメリカを巡るポリスの下積み時代が見られるのだが、彼らはどこにでもあるような町外れのモーテルに泊まり、小さな会場でプロモーションを兼ねたライブを行っていたようだ。さらに、日本の演歌歌手のように小さなレコード店で、レコードの即売と握手会のようなことをしている映像もあって「わあ、こんなことまでしてたんだ」と驚いてしまった。

 ライブのシーンが意外に少なく、音楽映画という点では少々不満は残るが「ポリス インサイド・アウト」は、ロックがパンクからニューウェーブに移行する時代を映し出していて、なかなか面白かった。

Reggatta de BlancReggatta de Blanc
The Police


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 当時、高校生だったぼくにとって、ファースト・アルバムのインパクトは強烈だったが、日本でポリスの人気が高くなったのは、2枚目のアルバムに入っていた「Message in a Bottle」がヒットして、ラジオで頻繁に流れ出した1979年の暮れ以降だったと思う。

Zenyatta MondattaZenyatta Mondatta
The Police


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 3枚目の「Zenyatta Mondatta」では、パンクバンドの影はすっかりなくり、1981年に来日した時には「夜のヒットスタジオ」に出演。これはぼくも見た記憶があり、日本語バージョンの「De Do Do Do, De Da Da Da」を口パクで唄っていたと思う。

SynchronicitySynchronicity
The Police


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 そして、現時点では彼らの最後のアルバム「Synchronicity」をリリースした時には、既に大物バンドの風格すら漂っていた。ポリスはアメリカのドサ周り時代からわずか5年で、スタジアム級のバンドへと急成長したわけだ。

 これは音楽的な才能と実力、そして運がないと不可能なことで、最初の戦略的な売り出し方は単なるきっかけでしかなったといえる。とにかく、ポリスの大スターへの登りつめ方のスピード感にはすごいものがあった思う。
 その軌跡をリアルタイムで追いかけられたという点でも、ポリスはぼくの記憶に残るバンドである。

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ようやく、第二弾がリリース

 ジャクソン・ブラウンはジョン・レノンやボブ・ディランと並んで、ぼくのフェイバリット・ミュージシャンのひとりである。

 以前に書いたエントリーで「ジャクソン・ブラウンの良さは、好きな人には説明する必要はないし、好きではない人にはどう説明しても無駄だろう」というピーター・バラカン氏の言葉を引用したけれど、彼は分かる人には一瞬で分かる、分からない人にはいつまで経っても分からない、ちょっと不思議なミュージシャン、シンガーだと思う。
 ジャクソン・ブラウンの良さについては、具体的に書けなくもないけれど「とにかく、彼の書くメロディーや声が好きだ」としか言いようがない部分が大きい。そして、ジャクソン・ブラウンの歌声は、ある種の感性を持った人の心を大きく揺さぶるような気がするのだ。

 特にぼくの場合、20代のある時期にジャクソン・ブラウンの曲が、もう子どもではないのに大人にもなりきれない自分のテーマソングであり、日々の暮らしのBGMでもあった。だから、今でもジャクソン・ブラウンの曲を聴くと、宙ぶらりんな状態で、あてもなくフラフラしていた頃の自分を思い出す。

 そんな、ジャクソン・ブラウンの「Solo Acoustic, Vol. 1」に続く、待望の「Solo Acoustic, Vol. 2」が、ようやく2月にリリースされる。

Solo Acoustic, Vol. 2Solo Acoustic, Vol. 2
Jackson Browne


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 まだ、アマゾンには曲名の記載はなく、こちらのページで収録予定曲が見られるが、今回は最近のアルバムからの曲が中心となるようだ。
 でも、その合間には「Something Fine」や「Red Neck Friend」といったデビュー直後の曲や、ぼくの大好きな「In The Shape Of A Heart」などが収録されている。映画の中の一曲で、ジャクソン・ブラウンにしては、とことん明るい曲調の「Somebody's Baby」が入っていることも見逃せない。

 さらに、うれしいことに「Solo Acoustic, Vol. 2」の音源は、デヴィッド・リンドレーとのジョイント・ライヴ・ツアーの中から厳選されたものらしい。つまり、久しぶりにジャクソン・ブラウンのバックで鳴り響く、デヴィッド・リンドレーのスライド・ギターが堪能できるのである。
 ぼくは「こ、これを待ってたんだよ!」という感じなのだが、このアルバムは好きな人にはたらまない1枚になると思う。

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