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エリック・クラプトンのエクスプローラー

 お盆休みの過ぎた北海道は、すっかり秋の気配に。
 なーんて、フレーズが毎年の常套句なのだが、今年は少し様子が違う。昼間には気温がそこそこ上がり、未だに暑いのだ。でも、夜には秋らしい気温になるので、とても過ごしやすいのだけど。

 そんな気候の中、7月からの多忙状態は続いているが、仕事の合間にランニングをして、ギターをかき鳴らしては、ストレスを解消している。
 さらに、楽器店のHPを見ては、物欲をムラムラさせるのも、お楽しみのひとつだ。

 で、少し前にイケベ楽器のHPで見つけたのが、これ。


 バッカスのエクスプローラーのコピー・モデルだが、ボディだけではなくネックにもコリーナを使い、日本製で11万円。実機を見てみないと、ホントのところは分からないけれど、良さそうなギターの気配がある。

 実はエクスプローラーは前から「程度の良い、そこそこの値段の中古を見つけたら、買っちゃうぞ」と思っているギターだ。もちろん、本家のギブソンなんてのは予算的に無理なので「グレコやオービルあたりのコピーモデルがあればなあ」と考えているが、未だにお目にかかったことはない。
 エクスプローラーというギター、コピーモデルを含めても、想像以上に流通量が少ないのではないだろうか。


 40代の方がエクスプローラー使いとして思い浮かべるギタリストは、やはりチープトリックのリック・ニールセンだろう。
 でも、ぼくの場合は意外なことに、エリック・クラプトンだ。



 上の映像はエリック・クラプトンがジェフ・ベック、ジミー・ペイジと競演したアームズ・コンサートからのもの。ヒゲのないクラプトンがエクスプローラーを抱えて、必殺のブルース・メドレーを奏でている。
 今となっては、少し違和感のある映像だけど、エクスプローラーの音の切れ味には素晴らしいものがある。
 
 1974年の初来日公演でクラプトンが抱えて、ステージに登場し「なんじゃ、あのギターは!」と観客を驚かせたのが、エクスプローラーだ。

 この時のエクスプローラーはボディの下部をカットしてあるもので、上の映像のギターとは異なる。クラプトンが購入した時から、その状態だったらしいが、彼はそれを気にして、だらりと下に袖の垂れ下がる服を着て、エクスプローラーのカット部分を隠して弾くことが多かったそうだ。
 逆にいえば、そんな服を着てでもエクスプローラーを弾きたかったわけで、クラプトンはこのギターのトーンを気に入っていたのだろう。

 クラプトンはエクスプローラーを抱えて、ミュージックマンのアンプの広告にも登場し、その時の写真が、このページにあるもの。こちらのページにはノーマルのエクスプローラーをクラプトン仕様に改造されている様子も紹介されていて、なかなか面白い。


 そして、ボディがカットされたエクスプローラーでのクラプトンの名演が聴けるアルバムといえば、これ。

B000002G8DEc Was Here
Eric Clapton
Polydor / Umgd 1996-08-20

by G-Tools

 ちょっとエッチなジャケットと意味深なタイトルもステキな「Ec Was Here」では「Have You Ever Loved A Woman」「Ramblin' On My Mind」あたりのブルースで、エクスプローラーが弾かれているはずだが、トーン、フレーズ共にシャープなプレイが聴かれる。
 カムバック直後のクラプトンはあまりソロを弾くことに積極的ではなかったようなイメージがあるけれど、このアルバムを聴くと「調子が良ければ、ビンビンに弾きまくってたんじゃん」と思ってしまう。ストラトではないクラプトンも良いもんだ。

 そうそう、コリーナのギターといえば、この前・・・・。
 という話もあるのだけど、それは次回のエントリーで。
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| エリック・クラプトン | 20:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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いまごろになって「Clapton」が良く聴こえる

 去年の9月のことだ。車に乗っているとFMラジオからエリック・クラプトンの「枯葉」が流れてきた。そして、聴き終えた瞬間に、ぼくは「オヤジ、あまりにもあざといで!」と声を出してしまった。
 秋にリリースされるニューアルバムのラストに「枯葉」。あまりに分かりやすい選曲で、はまり過ぎ。「渋いオレが、渋い声で、秋に『枯葉』を唄えば、みんな酔うやろ」というような魂胆が丸見えである。ぼくは長年に渡ってクラプトンのファンを続けてきたけれど、何だかいたたまれない気分になってしまった。

 クラプトンという人は、これまで自分の計算外のところでヒットを打って、ロック界で生き延びてきた気がする。
 例えば、1974年のジャンキーからの復活アルバム「461 オーシャン・ブールヴァード」の中の「アイ・ショット・ザ・シェリフ」。この曲のレコーディングにクラプトンは乗り気ではなかったらしいが、当時のバンドのサイド・ギタリストのジョージ・テリーの強力なプッシュもあってレコーディングされ、大ヒット。結果として、クラプトンの復活に花を添えた。
 さらに、今も続くクラプトン人気を決定的にした「アンプラグド」への出演にも積極的ではなかったという。乗り気じゃなかった曲や企画が大ヒット、親友の妻への横恋慕が世紀の名曲につながってしまうのが、エリック・クラプトンという名の人生なのかもしれない。
 
B003XMUFGQClapton
Eric Clapton
Reprise / Wea 2010-09-28

by G-Tools

 その点でいうと、最新アルバムである「Clapton」は明らかに狙い過ぎだった。一部では「ムード歌謡」ともいわれていたムーディーな曲も年相応過ぎて、好きじゃなかった。「30年以上も続けてきたクラプトンの新しいアルバムを即買うことも、これで終わりか」とも思ったのだが・・・・。

 でも、少し前に思いついたように「Clapton」を引っ張り出して、車で聴いてみると、これがやけに良かったのだ。特に「Rocking Chair」や「How Deep Is The Ocean」「My Very Good Friend The Milkman」といった古き良き時代のジャズが良い。あの時に、怒りすら感じた「枯葉」だって、悪くない。

 逆に「Diamonds Made From Rain」に違和感がある。この曲は最近のクラプトンの中では「名曲のひとつだ」と思うのだが、現代的なサウンドがアルバム全体からすると何だか収まりが悪く、浮いているような気がして、残念だ。
 まあ、ブルースや新曲を入れちゃうところが、クラプトンらしいバランス感覚なのかもしれないけれど、思い切ってアルバムすべてを古いジャズ路線でやっても良かったのではないか。今のぼくにはそれほど古めかしいジャズが心地よく聴こえてくる。

 そういやば、昨晩はGyaO!の映画で「ザッツ・エンタテインメント」を見た。
 この映画は往年のハリウッド、MGMのミュージカルの総集編。高校生の時に映画館でも見たことがあるが、その時は黄金時代のミュージカル映画の良さなんて、ちっとも分からなかった。
 でも、今になってみると「Clapton」のように、やけに素晴らしく見えてしまうから不思議だ。

 例えば、ジーン・ケリーの「雨に唄えば」は、まちがいなく映画史上に残る名シーンである。



 古きよきアメリカに心惹かれるってのは、ある種の現実逃避かもしれない。
 でも、時にはヘビーな現実を少しの間だけ忘れさせてくれる良質な娯楽も必要だと思う。 

| エリック・クラプトン | 19:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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SHM-CDで聴く、ブルースブレカーズ時代のクラプトン

 自分でも「いまごろかよ」と思いつつ、ドラクエ8の世界にどっぷりはまって、早や3週間。ようやくエンディングを迎えて、残すは隠しダンジョンのみに。
 ここまで来れば、集中的にプレイする必要はないので、ネットやブログの世界にもぼちぼち復帰するつもりです。


 ここ数年、CDはネットの通販か、Hオフやブックオフの中古でしか買わなかった気がする。以前にも書いたが、ぼくが住んでいる街のCDショップが閉店してから、日常生活の中で普通にCDを買うことが難しくなってしまったのだ。

 でも、久しぶりにCDショップに行くと、色々な発見があって楽しい。ネット・ショップは確かに便利だけれど、店頭でしか分からないこともある気がする。
 先週、隣町のショッピングセンターの中にあるCDショップにふらりと入ると、SHM-CDばかりが並べられているコーナーがあった。

ブラック・アンド・ブルー(初回受注完全生産限定)ブラック・アンド・ブルー(初回受注完全生産限定)
ザ・ローリング・ストーンズ


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 「あっ、もうストーンズのリマスター盤が出ているんだ。しかも、初回は限定のSHM-CD仕様か」などと、ずらりと並べられたCDをながめてみたが、SHM-CD化されているのは、古典的なロックの名盤ばかりだ。すでに通常のCDで持っているものがほとんどで、高音質といわれるSHM-CDでもわざわざ買い直すのはもったいない気がする。

 でも、そんなSHM-CDのコーナーの中で、1000円のCDを発見した。エリック・クラプトンの「ステージズ」というコンピレーション盤だった。

ステージズステージズ
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ


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 手にとって、よーくながめてみると「ステージズ」というタイトルとは裏腹に、収録曲がすべてライブ・バージョンというわけでもなさそう。ウラに書かれている曲名を見ると、ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ 、クリーム、ブラインド・フェイス、デレク・アンド・ドミノスと、RCA時代のクラプトンの曲を節操なく寄せ集めたCDのようだ。
 特に物珍しい曲はないけれど、SHM-CDのお試し盤と考えれば、悪いチョイスではなさそう。「1000円で『ハイダウエイ』や『クロスロード』『ベル・ボトム・ブルース』あたりの名演が高音質で聴けるのなら」と思いつつ、レジに持っていった。

 家に買って、早速SHM-CDを聴いてみると、確かに音質は向上しているような気がする。通常のCDは平板な音だが、SHM-CDには音が2、3歩前に出てきたような立体感があるし、音の定位感も良い。
 中でも、特に素晴らしかったのが、ブルースブレイカーズ時代の曲だ。クラプトンの大発明のひとつである「レスポール+マーシャル」のトーンに、これまで聴いてきたCDでは感じられなかった迫力があった。

 良い音、素晴らしいギターのトーンについては、個人の好みの問題もあって、はっきりと「これだ!」と決めつけるのは難しい。でも、ブルースブレイカーズ時代のクラプトンのレスポールのトーンは、まちがいなく良い音だと思う。
 最近のモダンな歪みからすると、クランチを少し越えたオーバードライブの入り口程度の歪みだが、ゴリッとしながらも艶やかさを失わないレスポールのトーンには普遍の輝きがある。この音を聴いて、ジェフ・ベックとジミー・ペイジがあわててレスポールとマーシャルを手に入れたという有名なエピソードがあるけれど、それも充分にうなずける話だ。

 こうなってくると、これまで縁のなかったマーシャルというアンプが気になってくる。「やっぱ、レスポールにはマーシャルとちゃうんか」などと思っていると、マーシャルから満を持してという感じで、家でも使えそうなコンパクトサイズのフルチューブアンプが発売された。


マーシャル ギターコンボ Haze HZ40C

 コンボタイプの「Haze HZ40C」も良さそうだけど、マーシャルらしくスタックタイプがライナップされているのも心憎いところだ。


Marshall/マーシャル Haze15&112A+112B ギターアンプ・ フルスタック

 二段積みのフルスタック。コンパクトアンプとはいえ、自宅に置けば、かなりの迫力なんでしょうなあ。あちゃー、またもムラムラです。

| エリック・クラプトン | 10:38 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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クラプトンのライブ歴をふりかえる-後編

 81年の次に、ぼくがクラプトンのライブを見に行ったのは87年だった。

AugustAugust
Eric Clapton


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 87年はアルバム「August」のリリースに伴うツアーだったが、この時はクラプトンの良い意味での変貌ぶりに驚いた。
 ステージ真ん中に堂々と立って、オープニングから「クロスロード」をぶちかまし、次に「ホワイト・ルーム」を決める。ヘロヘロな頃の姿を知っているぼくとしては「オヤジ、どうしちゃったの?」という感じすらした。

 サポートギタリストなしで、黒人ばかりのバックメンバーによるファンキーなプレイにあわせて、ひとりでギターを弾きまくるクラプトン。以前のような危うさはなく、その姿にはロックスターの輝きがあって、これまでにはなかった頼もしさのようなものを感じた。おそらく、クラプトンが心身ともに完全復調したのはこのあたりからだろう。
 おまけに、手にしていたのは愛用のブラッキーではなく、初期のシグネーチャーモデル。ギターのトーンも、これまでの渋い枯れた音からモダンな音色に変わった。長かったレイドバック期の終わりである。

 サポートアクトとして、クラプトンの前に登場したロバート・クレイの驚異的なプレイと併せて、ぼくの中ではこの年のライブがクラプトンのベストパフォーマンスだ。

 87年のクラプトンはライブの終わりのほうで、YMOの「Behind The Mask」をプレイしたのが印象深い。



 「August」にも入っている曲なので、ライブでやっても不思議ではなかったけれど、今聴くと妙な違和感がある。まあ、レイドバック期からハイパーなクラプトンへの変貌ぶりを示す曲と思えば、納得はできるのだけれど・・・・。


 クラプトンは翌年にもデビュー25周年記念ということで、エルトン・ジョンとマーク・ノップラーという豪華メンバーを従えて、今はなき大阪球場でライブをやったが、この時は北海道にいたので参加せず。ぼくが次にクラプトンのライブに行ったのは90年だ。

 この時のライブは意外に印象が薄くて、あまり記憶に残っていない。悪くはないライブだったとは思うけれど、オープニングがこの時点での最新アルバムの「Journeyman」と同じ「Pretending」で、その後も新曲と定番の曲を淡々とプレイしたような気がする。

JourneymanJourneyman
Eric Clapton


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 そして、ぼくは90年以来、クラプトンのライブに足を運んでいない。
 今も、彼は大好きなギタリストの1人だけれど、あえて「クラプトンを見に行こう!」という気持ちになれないのは「オレが見守ってあげなくちゃ」と思わせたレイドバック期の危うさが感じられなくなったせいかもしれないなあ。

| エリック・クラプトン | 18:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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クラプトンのライブ歴をふりかえる-前編

 ぼくは「ギターマガジン」は年間予約して毎号欠かさずに読んでいるが「Player」は内容によりけりで、気分によって買ったり買わなかったり。でも、今月号だけは表紙を見て、即買いしてしまった。

Player (プレイヤー) 2009年 03月号 [雑誌]Player (プレイヤー) 2009年 03月号 [雑誌]


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 レイドバック期、ブラッキーを持っているエリック・クラプトンが表紙で、ピンナップもクラプトン、特集もクラプトンとあれば、買うしかない。
 「祝・来日35周年スペシャル」と題された特集は、これまでのクラプトンの来日公演をザックリとふりかえるような内容で、なかなか面白かった。
 今ではネット上で過去のクラプトンの来日公演の日程やセットリストなども簡単に知ることができるけれど、見やすさや寝転んで読める気軽さでは、ネットは雑誌という媒体にはかなわないと思う。

 この特集を元にぼくのクラプトンのライブ参戦歴をふりかえってみると、初めてクラプトンを見たのが1979年の4回目の来日公演。場所は建て替える前の大阪府立体育館で、この時の様子は「昔のチケットの半券、クラプトン編」に書いた。

 次にクラプトンが来たのは2年後の1981年。ぼくはバイクで交通事故を起こして入院中で、足はギブスで固められていたが、松葉杖をついて病院を抜け出し、フェスティバルホールまで行った。
 この時は病院からライブに行ったという状況が、最も記憶に残っているけれど、プロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカーがキーボードで参加していて「青い影(A Whiter Shade Of Pale)」がプレイされたことが印象深い。

 ただ、この頃のクラプトンはアル中がひどくて、時にはステージに上がることを拒否することもあったらしい。プレイにも覇気がなかったといわれているけれど、個人的にはそれほど手抜きをしていた印象はないし、弾くべきところでは鋭いフレーズを弾いていたと思う。

ジャスト・ワン・ナイト~エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館~ジャスト・ワン・ナイト~エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館~
エリック・クラプトン


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 レイドバック期のクラプトンのライブは79年の武道館でのライブを収録した「ジャスト・ワン・ナイト」で聴けるが、今聴いてもふぬけたプレイには聴こえない。
 もちろん、最近のクラプトンと比べれば、ロックスター然とした輝きはないし、ギターのフレーズが常に鋭いわけでもない。でも、レイドバック期特有の倦怠感、気だるいクラプトンが感じられるのは、この時期のアルバムだけだ。特にブルースに関しては「危うさすら感じされるレイドバック期のプレイが一番魅力的しれないなあ」と思っているのだが・・・・。
 今では聴けないブラッキーの生音に近いプレイがほぼ全編で聴けるという点でも、おすすめの一枚だ。

 そういえば、79、81年のライブのオープニング曲は「Tulsa Time」だった。



 地味な曲だけど、クラプトンのレイドバック期を象徴するような名曲。
 デレク・トラックスに弾かせるのではなく、自分で弾いちゃうスライド・ギターも今となっては貴重かも。

| エリック・クラプトン | 15:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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村上春樹とクラプトンの「レプタイル」

 相変わらず怒涛の読書の日々は続いている。
 今日は村上春樹がなぜ自分は走るかについて書き綴った「走ることについて語るときに僕の語ること」という本を読んだ。

走ることについて語るときに僕の語ること走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹


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 村上春樹がマラソンやトライアスロンの大会に出場しているのは有名な話。
 そして、この本ではなぜ自分が走り続けているのかについて、自問のようなことが書かれている。毎日走る、大会のために走りこむというのは、とても私的な行為にも関わらず、じっくり読ませ、心地よい後味の残る一冊に仕上げるあたりが「やっぱ、村上春樹はすごいなあ」と思う。

 個人的には歩くのは好きだけど、走るのは苦手。高校生の時以来、長い距離は走ったことがないし、走ろうとも思わない。しかし、この本の内容には走るという行為をモチーフにしたキラリと光る言葉が散りばめられていて、一気に読んでしまった。ランナーでなくても、すんなり読めて、読後感も良い一冊なのだ。

 ぼくは村上春樹が著作の中で、ちらりと書く音楽の話が好きで、思わずニヤリとすることが多い。この本でも、ミック・ジャガーが未だに「サティスファクション」を唄い続けていることについて書かれた部分や、ランニングの時に聴いた音楽についての話が出てくる。

 そして、「走ることについて語るときに僕の語ること」の中ほどあたりには、走りながら聴いた音楽として、エリック・クラプトンの「レプタイル」について書かれている部分があった。

ReptileReptile
Eric Clapton


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 村上春樹は「押しつけがましさやわざとらしさが微塵もない。リズムは常に確実であり、メロディーはあくまでも自然だ」と表現しているけれど、これほどまで端的にこのアルバムを表現したフレーズはないだろう。

 ぼくはレイドバック期の色んな意味でヘロヘロだった頃のクラプトンのアルバムが好きで、どれもが未だに愛聴盤だ。でも、彼が禁酒禁煙を始めて、立派なヒトになってからリリースされたアルバムは買いはするものの、それほど聴き込んではいない。何か妙な違和感があるのだ。しかし「レプタイル」だけは例外で、コンスタントに聴き続けてきたし、なぜか手が伸びる1枚だったのだ。
 このアルバムがどうして好きなのかを自覚していなかったけれど、この本を読んで、その理由が良く分かった。最近のクラプトンからはあまり感じられなかった「歌いたい曲があって、何となくレコーディングしたら、1枚できちゃいました」的な自然体の良さがあるのだ。
 これまで、クラプトンの「何となく」は手抜きを感じさせることも多かった。でも「レプタイル」では肩の力の抜けた「何となく」が功を奏している気がする。

 ぼくの場合は「レプタイル」を聴きながらランニングすることはないだろう。でも、春になったら散歩をしながら、これを聴いてみようと思っている。
 陽光に照らされたいつもの散歩道で聴く「レプタイル」は、きっとステキだろうなあ。

| エリック・クラプトン | 18:14 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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クラプトンの集大成的なDVD

 今年は昨日から本格的な仕事始めという人も多いだろう。ぼくもお正月気分が体から抜けきらず、今週は長ーく感じそうな予感がするけれど、今日あたりからはいつものペースでエントリーを更新していくつもりだ。

クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007
エリック・クラプトン


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 今年最初のレビューに選んだのは「クロスロード・ギター・フェスティバル2007」のDVDである。

 リリース直後に一度見て、正月にも見直したのだが、多彩なギタリストが次々と登場するので、とにかく飽きない。前回の「クロスロード・ギター・フェスティバル」のDVDと同じ2枚組みだが、今回は1日限りのコンサートだったせいか、前作にあった散漫さも感じられない。
 DVDは実際のコンサートの流れに沿って編集されているようだが、全曲収録ではなく、ダイジェスト版だ。でも、ステージの進行具合、アーティストのチョイスからはコンサートの主催者であるクラプトンの意図するものが、見えてくる気がする。それは先達のギタリストへのリスペクトと自らのキャリアの総括だ。

 リスペクトという観点から登場するのはB.Bキングとヒューバート・サムリン、そしてトリをまかされたバディ・ガイといったブルースギタリストである。
 中でも81歳のB.Bキングの貫禄は相当のものだ。さすがに年齢のせいか手数は多くないものの、チョーキング一発で「すげえ」と思わせるフレーズからは、彼以外には出しえない唯一無二のトーンを感じる。今や伝説のブルースマンともいえるヒューバート・サムリンとB.Bキングの競演は、このDVDのハイライトシーンの一つといえるだろう。
 コンサート中盤での登場は、出番が早過ぎる気もするけど、それも彼らの年齢に配慮したものだろうか。

 イスにどっしりと腰をかけてギターを弾くB.Bキングとは対照的に、相変わらず元気なバディ・ガイの姿は昔とそれほど変わりがなく、未だに衰えることのない超絶かつブルージーなフレーズで、コンサートの最後を盛り上げる。
 自分ではトリをとらずに、バディ・ガイにまかせたクラプトンからは、彼らへのリスペクトの想いが感じられる。

 ディスク1のアルバート・リーとの久しぶりの競演、テレキャスターが実によく似合うシェリル・クロウとのデュエット(今は良いお友達らしいけど、妻や子どもが見守る中で、かつての恋人と一緒に「タルサ・タイム」を唄うクラプトンって、すごいかも)。ディスク2のデレク・トラックスを交えてのドミノスのナンバー「Tell The Truth」やロビー・ロバートソンの登場、スティーブ・ウインウッドとのブラインドフェイスの再現は、クラプトンの長いキャリアの総括ともいえるだろう。
 さらに「もし、彼が生きていれば、ここに一緒にいてくれただろう」というコメントから始まる「Isn’t It A Pity」はジョージ・ハリソンへのレクイエムだ。
 最近の活動からは、自らのキャリアのまとめのようなものを感じさせるクラプトン。ここでも過去の自分を精算するかのようなステージを繰り広げているのが印象的だった。 

 その他にも、クラプトンと同世代のギタリストの登場も見逃せない。中でも、ぼくが心を打たれたのはジョニー・ウインターの姿だ。
 CBSとの巨額な契約金から「100万ドルのギタリスト」といわれ、70年代には名盤を連発したジョニー・ウインターだが、最近は体調が悪く、視力も弱くなって、ほぼ活動停止状態だったらしい。
 そんなジョニー・ウインターがデレク・トラックス・バンドを従えて、ステージに登場するのだが、痩せこけた体は立ったままのステージには耐えられないらしく、イスが用意される。正直なところ、とても痛々しい姿で、ギターをちゃんと弾けそうには見えない。しかし「Highway 61 Revisited」が始まると、彼のギターからはあの独特のフレーズが弾き出されるのだ。これには、ホントにうれしい驚きを感じた。
 ジョニー・ウインターの公式サイトのブログを見ると、昨年の11、12月に何度かもステージに上がっているようで、体調も少しずつ回復しつつあるのかもしれない。

 ジェフ・ベックもクラプトンと同世代のギタリストだが、彼の場合は「枯れる」や「まとめに入る」などという言葉とは無縁のような気がする。
 今回は以前にも書いたウワサの美少女ベーシスト、タル・ウィルケンフェルドとステージに登場するが、大きな画面で見ると、サングラスで隠しているジェフ・ベックの眼がにやけているのがよーく分かる。「Cause We’ve Ended As Lovers」の途中では、大きな手振りをして、タル・ウィルケンフェルドにソロを渡すのだが、その仕草がシリアスな曲に似合わないったらありしゃない。
 還暦を過ぎたというのに、にやけながら美少女ベーシストとプレイするジェフ・ベックは、この先も決して円熟という方向には向かわないのではないだろうか。
 それにしても、大画面で見るタルちゃんは良いですなあ。共演者がみんなデレデレとした顔になるのも、分かる気がする。


 ぼく以前から「クラプトンはダメ男(但し、とんでもなく音楽的な才能のある)」と書き続けてきたし、アル中だった頃にリリースされた、いわゆるレイドバック期のアルバムが大好きなことにも変わりはない。
 だから、最近のあまりに立派な姿のクラプトンに違和感を感じ続けてきたけれど、こんなコンサートを主催し、出番以外でもステージの脇から柔らかな視線を注ぎ続けている姿を見せられると「この人、ホントに変わったんだなあ」と思い直すしかない。
 70年代にはキース・リチャードと並んで「ジミ・ヘンドリックスの次にいなくなるかもしれないギタリスト」の筆頭にあげられていたクラプトンが、21世紀になっても精力的に活動を続けていることを素直に喜びたいと思う。

 大物ギタリストの合間に、ロバート・ランドルフやジョン・メイヤー、デレク・トラックスといったクラプトンの次世代のギタリストも登場する「クロスロード・ギター・フェスティバル2007」は、ギターの世界の「現在・過去・未来」を俯瞰するかのようなDVDだ。


(追記)
・今回の「クロスロード・ギター・フェスティバル」では、ステージで使われるギターの中で、ストラトキャスターの割合が異常に高いような気がする。ストラト率80パーセント以上にも見えるコンサートは、やはりクラプトンの影響力が大なんだろう。

・スティーリー・ダンの結成に加わり、一時期はドゥービー・ブラザーズに加入していたジェフ・バクスター。彼が人のあまりいないサブステージでプレイしている様子が、本編とは別のボーナス映像に収められていた。そのキャリアを考えると、そんな場所に収まるようなギタリストではないような気がするのだが・・・・。
 ちなみに、現在のジェフ・バクスターは軍事アナリストとしても活動し、アメリカ国防総省の軍事顧問を務めているそうだ。


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| エリック・クラプトン | 18:34 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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クロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVD

クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007
エリック・クラプトン


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 今年の7月にシカゴで開催されたクロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVDが11月21日に発売される。
 この素早いDVD化については以前のエントリーにも書いたけれど、アマゾンで予約が開始になって、収録予定曲(予定というのが、少し気になるけれど)も掲載されていたので、改めて紹介したいと思う。

 2枚組みのDVDの収録曲は全38曲。やはり、クラプトンがらみの曲が多いが、出演したアーチストをほぼ網羅した内容になっているようだ。
 Disc1ではデレック・トラックス・バンドの「Anyday」に続いて、ジョニー・ウィンターが加わった「Highway 61 Revisited」が楽しみ。ジョニー・ウィンターは健康状態があまり良くなさそうだが、デレック・トラックスとどんなギターバトルを繰り広げているのだろうか。
 ロバート・クレイのバンドにジミー・ヴォーン、ヒューバート・サムリン、B.B.キングが加わっていく展開も見所だろう。さらに「Tulsa Time」でのクラプトンとアルバート・リーの久しぶりの競演も楽しみだ。

 Disc2では前回のクロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVDには、なぜか入っていなかったジェフ・ベックが登場。「Cause We Ended As Lovers」が「Big Block」の2曲が収録予定だ。
 これで謎の美少女ベーシストのタル・ウィルケンフェルドの姿を、ようやく大画面で見られそうだ。その姿をyoutubeの小さな画面で、何度もながめていただけに、これはうれしい。

 ジェフ・ベックの後はクラプトンがらみのセッションが続く。
 最初の「Tell the Truth」では、デレク・トラックスのスライドギターが炸裂するはずだ。ロビー・ロバートソンとの久しぶりの競演からは「Who Do You Love」が、スティーブ・ウインウッドとのブラインド・フェイスの再現からは「Presence of the Lord」「Can't Find My Way Home」「Had To Cry Today」の3曲が収録される。
 そして、エンディングは出演したギタリストが総出演しての「Sweet Home Chicago」。いささか安直な選曲だが、シカゴでのギター・フェスティバルのトリにはこの曲しか考えられないといったところか。

 2004年版のクロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVDでは編集や選曲に散漫なところもあったが、一度にたくさんのギタリストのプレイが見られるという点では楽しめるDVDだった。収録曲を見る限り、2007年版は凝縮された濃厚な内容のようなので、今から発売が待ち遠しい。

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| エリック・クラプトン | 22:49 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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これって、ロビー・ロバートソン?

 前回のエントリーで予告していたギブソンのギターの話は、まだ書いている途中なので、今日はもう一度「クロスロード・ギター・フェステバル」について。

Player (プレイヤー) 2007年 10月号 [雑誌]Player (プレイヤー) 2007年 10月号 [雑誌]


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 ぼくは内容がどうであれ「ギター・マガジン」は毎回買うことにしているが、「Player」は中身に応じて年に数冊という感じ。でも、今回は表紙を見て、即買いをした。

 写っているのは、クラプトンとロビー・ロバートソン。しかし、本屋で表紙を見たとき「クラプトンの隣にいるのは、ひょっとしてロビー?」と思ったほどの変わりようだ。以前のスリムでシャープなロビーに比べると、横幅2倍、オヤジ度10倍ではないか!
 「ラスト・ワルツ」から30年以上が経過したわけで、このあたりの体型の変化は仕方のないことだろう。でも、高校生の頃に「ラスト・ワルツ」を見るために、何度も映画館に通った者からすると、1本のマイクを挟んで唄う30数年後の2人の表紙には、色々な意味で感慨深いものがある。

 ステージでクラプトンとロビーがプレイした曲は「Who Do You Love」と「Further On Up The Road」。これも「ラスト・ワルツ」の再現である。
 YouTubeにはオーディエンス録画ながら「Who Do You Love」がアップされていた。



 このところのクラプトンは、自分のキャリアをもう一度精算するかのように、クリームの再結成、デレク・トラックスをメンバーに加えてデレク・アンド・ドミノス時代の曲の再現をしている。
 さらに、今回の「クロスロード・ギター・フェステバル」ではロビーのあとにスティーブ・ウインウッドが登場して、短命に終わったブラインド・フェイスの曲を何曲かプレイした。



 ブラインド・フェイスといえば、やはり「Presence Of The Lord」。
 クラプトンのワウワウ使ったソロの後の、スティーブ・ウインウッドとのハモリはちょいと鳥肌モノの展開だ。

 でも、これで自分の過去のキャリアを、ほとんどもう一度なぞったことになるクラプトン。果たして、この先、彼はどこに行くのだろう?

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| エリック・クラプトン | 18:24 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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夏に聴きたくなる1枚 Vol.5 No Reason to Cry

 このブログで何度か書いているけれど、ぼくはレイドバックしていた頃のダメなエリック・クラプトンが好きだ。アルバムとしては「461 Ocean Boulevard」から「Money and Cigarettes」あたりまでが、彼のレイドバック期といえるだろう。
 そして、この時期のクラプトンはギターヒーローとしての自分を拒否し、酒やクスリに溺れ、かなりテキトーに音楽という仕事をしていたと思う。

 もちろん、ぼくは最近のクラプトンも聴いているし、ミュージシャンとして良い仕事をしていると思う。でも、多感な時期にリアルタイムでレイドバック期のクラプトンを聴いていた身としては、マイホームパパを公言し、酒もタバコもやらない立派な姿に、どこか違和感を感じるのだ。

No Reason to CryNo Reason to Cry
Eric Clapton


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 1976年にリリースされた「No Reason to Cry」は、ボブ・ディランやザ・バンドのメンバー、ロン・ウッド、ジョージー・フェイム、ビリー・プレストン、ジェシ・エド・デイヴィスなど、豪華なゲストを招いて、カリフォルニアのマリブにあるザ・バンドが所有していたシャングリラ・スタジオでレコーディングされた。
 クリームの解散後にクラプトンは、ザ・バンドのデビュー・アルバムにして歴史的名盤「Music from Big Pink」を聴いて多大な影響を受け、本気で「ぼくはザ・バンドのメンバーになりたい」と思っていたという。「No Reason to Cry」では、その夢が叶い、ザ・バンドの所有のスタジオでメンバーをゲストにレコーディングを行ったというわけだ。

 しかし、他のアーチストでも同様のことがいえるが、ゲストが多数参加したアルバムは、全体の印象が散漫になりがちだ。さらに、このアルバムでクラプトンは、自分がメインにも関わらず、常に一歩下がったスタンスを取っていて、ゲストの方が目立ってしまう曲が多々あるのだ。
 例えば、3曲目の「Sign Language」はボブ・ディランとの決してハモらないデュエット曲だが、ボブの声が強烈でクラプトンの声はあきらかに負けている。どちらかというと添え物に近い。ギターソロも、ロビー・ロバートソンが例のピッキングハーモニックスを使ったフレーズで、おいしいところを持って行く。
 でも、あちらこちらでクラプトンらしさは垣間見える。オーティス・ラッシュの「Double Trouble」では、久しぶりに迫真のギターソロを聴かせ、「Innocent Times」のドブロのフレーズはホントに素晴らしい。

 そして、ぼくが毎年晩夏になると聴きたくなるのが、アルバムのラストにひっそりと収められている「Black Summer Rain」だ。物憂げなクラプトンの声、控え目ながらも美しいギターソロ。夏の終わりに聞くのがぴったりの隠れた名曲だと思う。
 現在ではこの曲の後に、ボーナストラックして「Last Night」が追加されているが、これは余計。 このアルバムは「Black Summer Rain」で終わってこそ、価値があるのだ。

 ジャケットをよく見ると分かるが、クラプトンの前にはジム・ビームやバドワイザーなどの酒のビンが並んでいる。おそらく、このアルバムはたくさんの友人をスタジオに招いて、夜な夜な酒盛りをしながら、パーティと喧騒の中で作られたに違いない。しかし、アルバム全体に漂っているのは喧騒ではなく、レイドバック期のクラプトン特有の倦怠感だ。
 そんな背景からも「No Reason to Cry」は、騒がしく暑かった夏の終わりにぴったりのアルバムだと思う。

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| エリック・クラプトン | 21:48 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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