| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

クラプトンの集大成的なDVD

 今年は昨日から本格的な仕事始めという人も多いだろう。ぼくもお正月気分が体から抜けきらず、今週は長ーく感じそうな予感がするけれど、今日あたりからはいつものペースでエントリーを更新していくつもりだ。

クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007
エリック・クラプトン


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 今年最初のレビューに選んだのは「クロスロード・ギター・フェスティバル2007」のDVDである。

 リリース直後に一度見て、正月にも見直したのだが、多彩なギタリストが次々と登場するので、とにかく飽きない。前回の「クロスロード・ギター・フェスティバル」のDVDと同じ2枚組みだが、今回は1日限りのコンサートだったせいか、前作にあった散漫さも感じられない。
 DVDは実際のコンサートの流れに沿って編集されているようだが、全曲収録ではなく、ダイジェスト版だ。でも、ステージの進行具合、アーティストのチョイスからはコンサートの主催者であるクラプトンの意図するものが、見えてくる気がする。それは先達のギタリストへのリスペクトと自らのキャリアの総括だ。

 リスペクトという観点から登場するのはB.Bキングとヒューバート・サムリン、そしてトリをまかされたバディ・ガイといったブルースギタリストである。
 中でも81歳のB.Bキングの貫禄は相当のものだ。さすがに年齢のせいか手数は多くないものの、チョーキング一発で「すげえ」と思わせるフレーズからは、彼以外には出しえない唯一無二のトーンを感じる。今や伝説のブルースマンともいえるヒューバート・サムリンとB.Bキングの競演は、このDVDのハイライトシーンの一つといえるだろう。
 コンサート中盤での登場は、出番が早過ぎる気もするけど、それも彼らの年齢に配慮したものだろうか。

 イスにどっしりと腰をかけてギターを弾くB.Bキングとは対照的に、相変わらず元気なバディ・ガイの姿は昔とそれほど変わりがなく、未だに衰えることのない超絶かつブルージーなフレーズで、コンサートの最後を盛り上げる。
 自分ではトリをとらずに、バディ・ガイにまかせたクラプトンからは、彼らへのリスペクトの想いが感じられる。

 ディスク1のアルバート・リーとの久しぶりの競演、テレキャスターが実によく似合うシェリル・クロウとのデュエット(今は良いお友達らしいけど、妻や子どもが見守る中で、かつての恋人と一緒に「タルサ・タイム」を唄うクラプトンって、すごいかも)。ディスク2のデレク・トラックスを交えてのドミノスのナンバー「Tell The Truth」やロビー・ロバートソンの登場、スティーブ・ウインウッドとのブラインドフェイスの再現は、クラプトンの長いキャリアの総括ともいえるだろう。
 さらに「もし、彼が生きていれば、ここに一緒にいてくれただろう」というコメントから始まる「Isn’t It A Pity」はジョージ・ハリソンへのレクイエムだ。
 最近の活動からは、自らのキャリアのまとめのようなものを感じさせるクラプトン。ここでも過去の自分を精算するかのようなステージを繰り広げているのが印象的だった。 

 その他にも、クラプトンと同世代のギタリストの登場も見逃せない。中でも、ぼくが心を打たれたのはジョニー・ウインターの姿だ。
 CBSとの巨額な契約金から「100万ドルのギタリスト」といわれ、70年代には名盤を連発したジョニー・ウインターだが、最近は体調が悪く、視力も弱くなって、ほぼ活動停止状態だったらしい。
 そんなジョニー・ウインターがデレク・トラックス・バンドを従えて、ステージに登場するのだが、痩せこけた体は立ったままのステージには耐えられないらしく、イスが用意される。正直なところ、とても痛々しい姿で、ギターをちゃんと弾けそうには見えない。しかし「Highway 61 Revisited」が始まると、彼のギターからはあの独特のフレーズが弾き出されるのだ。これには、ホントにうれしい驚きを感じた。
 ジョニー・ウインターの公式サイトのブログを見ると、昨年の11、12月に何度かもステージに上がっているようで、体調も少しずつ回復しつつあるのかもしれない。

 ジェフ・ベックもクラプトンと同世代のギタリストだが、彼の場合は「枯れる」や「まとめに入る」などという言葉とは無縁のような気がする。
 今回は以前にも書いたウワサの美少女ベーシスト、タル・ウィルケンフェルドとステージに登場するが、大きな画面で見ると、サングラスで隠しているジェフ・ベックの眼がにやけているのがよーく分かる。「Cause We’ve Ended As Lovers」の途中では、大きな手振りをして、タル・ウィルケンフェルドにソロを渡すのだが、その仕草がシリアスな曲に似合わないったらありしゃない。
 還暦を過ぎたというのに、にやけながら美少女ベーシストとプレイするジェフ・ベックは、この先も決して円熟という方向には向かわないのではないだろうか。
 それにしても、大画面で見るタルちゃんは良いですなあ。共演者がみんなデレデレとした顔になるのも、分かる気がする。


 ぼく以前から「クラプトンはダメ男(但し、とんでもなく音楽的な才能のある)」と書き続けてきたし、アル中だった頃にリリースされた、いわゆるレイドバック期のアルバムが大好きなことにも変わりはない。
 だから、最近のあまりに立派な姿のクラプトンに違和感を感じ続けてきたけれど、こんなコンサートを主催し、出番以外でもステージの脇から柔らかな視線を注ぎ続けている姿を見せられると「この人、ホントに変わったんだなあ」と思い直すしかない。
 70年代にはキース・リチャードと並んで「ジミ・ヘンドリックスの次にいなくなるかもしれないギタリスト」の筆頭にあげられていたクラプトンが、21世紀になっても精力的に活動を続けていることを素直に喜びたいと思う。

 大物ギタリストの合間に、ロバート・ランドルフやジョン・メイヤー、デレク・トラックスといったクラプトンの次世代のギタリストも登場する「クロスロード・ギター・フェスティバル2007」は、ギターの世界の「現在・過去・未来」を俯瞰するかのようなDVDだ。


(追記)
・今回の「クロスロード・ギター・フェスティバル」では、ステージで使われるギターの中で、ストラトキャスターの割合が異常に高いような気がする。ストラト率80パーセント以上にも見えるコンサートは、やはりクラプトンの影響力が大なんだろう。

・スティーリー・ダンの結成に加わり、一時期はドゥービー・ブラザーズに加入していたジェフ・バクスター。彼が人のあまりいないサブステージでプレイしている様子が、本編とは別のボーナス映像に収められていた。そのキャリアを考えると、そんな場所に収まるようなギタリストではないような気がするのだが・・・・。
 ちなみに、現在のジェフ・バクスターは軍事アナリストとしても活動し、アメリカ国防総省の軍事顧問を務めているそうだ。


↑ にほんブログ村 音楽ブログ ロックランキングへ

| エリック・クラプトン | 18:34 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

クロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVD

クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007
エリック・クラプトン


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 今年の7月にシカゴで開催されたクロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVDが11月21日に発売される。
 この素早いDVD化については以前のエントリーにも書いたけれど、アマゾンで予約が開始になって、収録予定曲(予定というのが、少し気になるけれど)も掲載されていたので、改めて紹介したいと思う。

 2枚組みのDVDの収録曲は全38曲。やはり、クラプトンがらみの曲が多いが、出演したアーチストをほぼ網羅した内容になっているようだ。
 Disc1ではデレック・トラックス・バンドの「Anyday」に続いて、ジョニー・ウィンターが加わった「Highway 61 Revisited」が楽しみ。ジョニー・ウィンターは健康状態があまり良くなさそうだが、デレック・トラックスとどんなギターバトルを繰り広げているのだろうか。
 ロバート・クレイのバンドにジミー・ヴォーン、ヒューバート・サムリン、B.B.キングが加わっていく展開も見所だろう。さらに「Tulsa Time」でのクラプトンとアルバート・リーの久しぶりの競演も楽しみだ。

 Disc2では前回のクロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVDには、なぜか入っていなかったジェフ・ベックが登場。「Cause We Ended As Lovers」が「Big Block」の2曲が収録予定だ。
 これで謎の美少女ベーシストのタル・ウィルケンフェルドの姿を、ようやく大画面で見られそうだ。その姿をyoutubeの小さな画面で、何度もながめていただけに、これはうれしい。

 ジェフ・ベックの後はクラプトンがらみのセッションが続く。
 最初の「Tell the Truth」では、デレク・トラックスのスライドギターが炸裂するはずだ。ロビー・ロバートソンとの久しぶりの競演からは「Who Do You Love」が、スティーブ・ウインウッドとのブラインド・フェイスの再現からは「Presence of the Lord」「Can't Find My Way Home」「Had To Cry Today」の3曲が収録される。
 そして、エンディングは出演したギタリストが総出演しての「Sweet Home Chicago」。いささか安直な選曲だが、シカゴでのギター・フェスティバルのトリにはこの曲しか考えられないといったところか。

 2004年版のクロスロード・ギター・フェスティヴァルのDVDでは編集や選曲に散漫なところもあったが、一度にたくさんのギタリストのプレイが見られるという点では楽しめるDVDだった。収録曲を見る限り、2007年版は凝縮された濃厚な内容のようなので、今から発売が待ち遠しい。

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

| エリック・クラプトン | 22:49 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

これって、ロビー・ロバートソン?

 前回のエントリーで予告していたギブソンのギターの話は、まだ書いている途中なので、今日はもう一度「クロスロード・ギター・フェステバル」について。

Player (プレイヤー) 2007年 10月号 [雑誌]Player (プレイヤー) 2007年 10月号 [雑誌]


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ぼくは内容がどうであれ「ギター・マガジン」は毎回買うことにしているが、「Player」は中身に応じて年に数冊という感じ。でも、今回は表紙を見て、即買いをした。

 写っているのは、クラプトンとロビー・ロバートソン。しかし、本屋で表紙を見たとき「クラプトンの隣にいるのは、ひょっとしてロビー?」と思ったほどの変わりようだ。以前のスリムでシャープなロビーに比べると、横幅2倍、オヤジ度10倍ではないか!
 「ラスト・ワルツ」から30年以上が経過したわけで、このあたりの体型の変化は仕方のないことだろう。でも、高校生の頃に「ラスト・ワルツ」を見るために、何度も映画館に通った者からすると、1本のマイクを挟んで唄う30数年後の2人の表紙には、色々な意味で感慨深いものがある。

 ステージでクラプトンとロビーがプレイした曲は「Who Do You Love」と「Further On Up The Road」。これも「ラスト・ワルツ」の再現である。
 YouTubeにはオーディエンス録画ながら「Who Do You Love」がアップされていた。



 このところのクラプトンは、自分のキャリアをもう一度精算するかのように、クリームの再結成、デレク・トラックスをメンバーに加えてデレク・アンド・ドミノス時代の曲の再現をしている。
 さらに、今回の「クロスロード・ギター・フェステバル」ではロビーのあとにスティーブ・ウインウッドが登場して、短命に終わったブラインド・フェイスの曲を何曲かプレイした。



 ブラインド・フェイスといえば、やはり「Presence Of The Lord」。
 クラプトンのワウワウ使ったソロの後の、スティーブ・ウインウッドとのハモリはちょいと鳥肌モノの展開だ。

 でも、これで自分の過去のキャリアを、ほとんどもう一度なぞったことになるクラプトン。果たして、この先、彼はどこに行くのだろう?

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

| エリック・クラプトン | 18:24 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

夏に聴きたくなる1枚 Vol.5 No Reason to Cry

 このブログで何度か書いているけれど、ぼくはレイドバックしていた頃のダメなエリック・クラプトンが好きだ。アルバムとしては「461 Ocean Boulevard」から「Money and Cigarettes」あたりまでが、彼のレイドバック期といえるだろう。
 そして、この時期のクラプトンはギターヒーローとしての自分を拒否し、酒やクスリに溺れ、かなりテキトーに音楽という仕事をしていたと思う。

 もちろん、ぼくは最近のクラプトンも聴いているし、ミュージシャンとして良い仕事をしていると思う。でも、多感な時期にリアルタイムでレイドバック期のクラプトンを聴いていた身としては、マイホームパパを公言し、酒もタバコもやらない立派な姿に、どこか違和感を感じるのだ。

No Reason to CryNo Reason to Cry
Eric Clapton


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 1976年にリリースされた「No Reason to Cry」は、ボブ・ディランやザ・バンドのメンバー、ロン・ウッド、ジョージー・フェイム、ビリー・プレストン、ジェシ・エド・デイヴィスなど、豪華なゲストを招いて、カリフォルニアのマリブにあるザ・バンドが所有していたシャングリラ・スタジオでレコーディングされた。
 クリームの解散後にクラプトンは、ザ・バンドのデビュー・アルバムにして歴史的名盤「Music from Big Pink」を聴いて多大な影響を受け、本気で「ぼくはザ・バンドのメンバーになりたい」と思っていたという。「No Reason to Cry」では、その夢が叶い、ザ・バンドの所有のスタジオでメンバーをゲストにレコーディングを行ったというわけだ。

 しかし、他のアーチストでも同様のことがいえるが、ゲストが多数参加したアルバムは、全体の印象が散漫になりがちだ。さらに、このアルバムでクラプトンは、自分がメインにも関わらず、常に一歩下がったスタンスを取っていて、ゲストの方が目立ってしまう曲が多々あるのだ。
 例えば、3曲目の「Sign Language」はボブ・ディランとの決してハモらないデュエット曲だが、ボブの声が強烈でクラプトンの声はあきらかに負けている。どちらかというと添え物に近い。ギターソロも、ロビー・ロバートソンが例のピッキングハーモニックスを使ったフレーズで、おいしいところを持って行く。
 でも、あちらこちらでクラプトンらしさは垣間見える。オーティス・ラッシュの「Double Trouble」では、久しぶりに迫真のギターソロを聴かせ、「Innocent Times」のドブロのフレーズはホントに素晴らしい。

 そして、ぼくが毎年晩夏になると聴きたくなるのが、アルバムのラストにひっそりと収められている「Black Summer Rain」だ。物憂げなクラプトンの声、控え目ながらも美しいギターソロ。夏の終わりに聞くのがぴったりの隠れた名曲だと思う。
 現在ではこの曲の後に、ボーナストラックして「Last Night」が追加されているが、これは余計。 このアルバムは「Black Summer Rain」で終わってこそ、価値があるのだ。

 ジャケットをよく見ると分かるが、クラプトンの前にはジム・ビームやバドワイザーなどの酒のビンが並んでいる。おそらく、このアルバムはたくさんの友人をスタジオに招いて、夜な夜な酒盛りをしながら、パーティと喧騒の中で作られたに違いない。しかし、アルバム全体に漂っているのは喧騒ではなく、レイドバック期のクラプトン特有の倦怠感だ。
 そんな背景からも「No Reason to Cry」は、騒がしく暑かった夏の終わりにぴったりのアルバムだと思う。

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

| エリック・クラプトン | 21:48 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

昔のチケットの半券、クラプトン編

 世間的にはゴールデンウイークの真っ盛りで、北海道の片田舎にも浮ついた空気が漂っている。ぼくは自営業なので、基本的にカレンダーは関係ない。でも、子どもがいるので、たまには家庭サービスってのもしなきゃならない。
 一昨日は遊園地などという場所に行ったが、心も体もクタクタになってしまった。子どもと遊ぶのは嫌いじゃないが、こっちに来てから混雑する場所がホントに苦手になった。

 家庭サービスの一環として、数日前には半ば物置と化していた部屋を整理して、子ども部屋にするために、モノの処分と掃除をした。保存していた雑誌類を思い切って資源ごみにして、もう使わないだろうと思われる遊び道具も捨てた。
 半日かけて、なんとか子ども部屋は確保できたが、やはり捨てきれないモノをある。例えば、これ。

クラプトンのチケット

 写真のエリック・クラプトンのコンサートのチケットの半券は、パンフレットの間に挟まっていたものだ。
 上の1979年のチケットは、ぼくの記念すべき初の外タレのコンサートで、場所は建て替え前の雨漏りがひどかった大阪府立体育館。昔は電話予約などのシステムはなく、チケットは発売日からしばらく経ってからプレイガイドで買ったのだが、なんと最前列である。しかし、一列目の端っこで、ステージが高かったせいもあって、前に出てくるクラプトン以外のメンバーは見えないという悲惨な席だった。
 それでも、クラプトンまでの距離は文句なしに近いわけで、最初のコンサートがこれまでで一番の接近遭遇になった。

BacklessBackless
Eric Clapton


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 この時のツアーはアルバム「Backless」のリリースに伴ったものだった。
 このアルバム、今では忘れられたような1枚かもしれないが、なかなか良い。ぼくは大好きな1枚だ。ボブ・ディランから贈られた2曲を含む全10曲。どれも肩の力が抜けまくっているが、そこが素晴らしい。5曲目の「Tell Me That You Love Me」はクラプトンの隠れた名曲だと思う。

ジャスト・ワン・ナイト~エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館~ジャスト・ワン・ナイト~エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館~
エリック・クラプトン


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 さらにこの時のツアーの武道館コンサートはライブアルバムとしてもリリースされたので、ぼくにとっては記録と記憶に残るものとなった。
 このライブアルバム、今はもう聴くことのできないブラッキーの枯れたトーンが全編に渡って満喫できるおすすめの1枚。収録曲も最近のライブでプレイしない曲が多く、コアなクラプトンファンにはたまらないだろう。
 この時期のクラプトンはアルバムではあまりギターを弾かなかったが、ライブでは弾きまくり状態。派手なフレーズはないが、ブラッキーのトーンと共に、味わい深いフレーズが連発するギターソロが聴ける。

 下のチケットは1981年のツアーのもので、会場は大阪フェスティバルホール。キャパ3.000人弱の音響の良いホールでクラプトンが見られたなんて、今では考えられないことだ。
 この時のツアーには元プロコルハルムのゲイリー・ブルッカーがキーボードとして参加。クラプトンがバックにまわって「青い影 (A Whiter Shade of Pale)」をプレイするというサプライズもあった。 
 実はこのコンサートの時、ぼくはバイク事故で入院中だった。まだ外泊許可も出ないような状態だったが、友達の助けを借りて病院を抜け出し、ギブスに松葉杖をついて見に行った。だから、コンサートそのものより、入院中に見たことが記憶に残っている。

 ちなみに、80年代の最初の頃までは、コンサートが始まると即総立ちということはなく、手拍子はするものの、アンコール直前まではみんな席に座っていた。さらに、いい加減なプレイをすると「ちゃんとやらんかい!」などの野次が飛ぶこともあり、今のコンサートより音をちゃんと聴こうという姿勢があったように思う。

| エリック・クラプトン | 10:12 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

酔っぱらって、エレキを弾く

 ようやく終わりが見えてきたが、昨年末からちょっと大き目の仕事を抱えている。肉体労働ではないから、体が疲れるということないけれど、一日中パソコンの前であーでもないこーでもないと考えていると、精神的にヘロヘロになってしまう。
 でも、そのままの状態で布団に入っても、なかなか眠れない。疲れてはいるが、気持ちが冴えているので、クールダウンが必要になる。つまり、お酒だ。

 ぼくの場合、風呂上りにブラックニッカの水割りを3杯。これで、そこそこ酔えるし、一人で夜中に飲んでいると、酒のまわりも早い。酒のお供はCDかDVDの場合が多いけれど、近ごろはエレキギターを手にすることもある。
 酔っぱらってギターを弾く。実は、これまでほとんどやらなかったことだ。かつて、エレキギターに夢中になっていたのは高校生の頃。タバコの方は隠れて吸っていたけれど、日常的に酒を飲むなんて習慣は、まだなかったからだ。

 酔ってギターを弾くと、しらふでも怪しい指使いがさらに怪しくなるけれど、気持ち良くなっている分だけ、自分では上手く聞こえたりする。ミストーンや余計な音が気にならなくなるせいもあるだろうが、いつもよりブルージーなトーンが出たりして。まあ、錯覚なんだろうけれど・・・・。

 酔っぱらって、ギターを弾くといえば、少し前にも書いたけれど、クラプトンだ。アル中時代のクラプトンは、コンサートの直前まで酒を飲み、まっすぐ歩けず、両脇を抱えられてステージへ。でも、ギターを持つとシャンとしたそうだ。

E.C. Was HereE.C. Was Here
Eric Clapton


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 このエロティックでちょっと意味深なジャケットの「E.C. Was Here」は、そんなアル中時代のライブアルバム。この時も酒が入っていたかどうかはさだかではないけれど、もしベロベロに酔っぱらって弾いていたとしたら、クラプトンはすごい奴だと思う。

 ストラトではなく、ギブソン・エクスプローラーのトーンが素晴らしい「Have You Ever Loved a Woman」など、ブルースが多いのが特徴のライブアルバムだ。
 でも、ぼくが好きなのは「Can't Find My Way Home」。酔っぱらって、家路が見えない。この頃のクラプトンの心境をリアルに表しているようで、せつなくも美しい1曲だ。

| エリック・クラプトン | 22:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

21世紀型のレイドバック

The Road to EscondidoThe Road to Escondido
J.J. Cale Eric Clapton


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 発売前に予約しておいたにも関わらず、発売日から少し遅れてアマゾンから発送(以前に比べて、商品発送のレスポンスが少し悪くなった気がするのだが)されたので数日前から聞き始めた、エリック・クラプトンの新作「The Road to Escondido」。ほぼ全面的にJ.J.ケールとの競演、収録曲も14曲中11曲が彼の作品だ。
 これが「The Road to Escondido」のウリなんだが、最近になってからクラプトンを聞き始めた人には多少の違和感があるかもしれない。このアルバムには「Change the World」のようにポップで派手な曲や「Wonderful Tonight」や「Layla」のように分かりやすいラブソングが一切ないからだ。
 あれがれのアーチストだったJ.J.ケールになりきったクラプトンが、彼の一聴しただけでは地味で抑揚なく感じる曲を、ただ喜々として唄っているだけだ。しかし、それが微笑ましくって、実に良いのだ。

 ぼくは最近のハイパーなクラプトンには、ちょっと抵抗感がある。未だに好きなのは「461 Ocean Boulevard」から「Backless」あたりまでの、いわゆるレイドバック期のクラプトン。本人は酒やタバコ、おそらく完全に断ち切れていなかったであろうドラッグせいで、大変な時期だったのかもしれないが、レイドバック期のアルバムには、地味ながら味わい深いものが多い。ギターも今のように歪ませることはなく、クリーントーンで勝負。スタジオアルバムでは手数も多くはないが、愛機ブラッキーの枯れた音はとっても魅力的だった。

 でも「The Road to Escondido」のクラプトンには、レイドバック期の脱力感はない。矛盾する言葉になるが、ハイパー・レイドバックなアルバムだ。つまり、アルバムに取り組む姿勢や歌声、ギターのフレーズにやる気が満ちている。そこがダメなクラプトンが好きなぼくにとっては残念なところでもあるが、今さらクラプトンにホントのレイドバックを求めるのは無理な話。
 でも、J.J.ケールの枯れた歌声とハモると、あの頃のにおいがプーンと漂ってくる。ぼくは発売前に「今でも、クラプトンの体の中にはブルースと一緒に、レイドバックな気分も脈々と流れているだろうか」と書いた。そして、このアルバムを聴いて、クラプトンの南部志向、レイドバックは70年代の一時期の嗜好ではなく、ホンモノだったと確信できた。

 「The Road to Escondido」はギターアルバムとしても、なかなか楽しめる1枚だ。久々の競演となったアルバート・リーの相変わらず手数が多くカントリーフレーバーの漂うフレーズ、デレク・トラックスの聴いた瞬間に「彼だ!」と分かるスライドギター、クラプトンとの競作曲で聴けるジョン・メイヤーのファットなフレーズ、曲や歌声と同様に地味ながらも存在感のあるJ.J.ケールのギター。クラプトンのギターも、ほぼクリーントーンで切れ味がなかなか鋭い。
 そして、唄の合間に流れてくるビリー・プレストンの味わい深いハモンドオルガンの音に、合掌。

 21世紀のクラプトンのレイドバックは、実に健康的だ。そして、昔のように淡色ではなく、バラエティー豊かなギターの音色やフレーズに象徴されるようにカラフルだった。でも、もうちょっと肩の力を抜いても良いのになあ。

| エリック・クラプトン | 22:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

クラプトン、最新作はJ.J.ケールと一緒に

The Road to EscondidoThe Road to Escondido
Eric Clapton J.J. Cale


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 来日公演が1ヶ月後に迫ったエリック・クラプトン。その記念盤としてリリースされるであろう「The Road to Escondido」は、なんとJ.J.ケールとの競演によるニューアルバムだ。
 J.J.ケールはオクラホマ州生まれのソングライターでギタリスト。1971年、33歳にして、レオン・ラッセルの主宰するシェルターレーベルから、遅咲きのデビュー。以後、マイペースながら、通好みのする音楽活動を続けている。というより、クラプトンが今でもステージで頻繁にプレイする「After Midnight」や「Cocain」の作者と書いたほうが分かりやすいだろうか。
 アメリカ南部のタルサ出身、地味で目立たないながらも、実に渋いプレイスタイルとソングライティングをするJ.J.ケールは、レイドバックと南部志向が強かった時期のクラプトンに多大な影響を与えたのはまちがいないところだろう。

 2001年にリリースされた「Reptile」でも、J.J.ケールの「Travelin' Light」をカバーしていたが、最近のやる気に満ちたクラプトンとっては、レイドバックも南部志向も過去のものだと思っていた。
 それだけに、今頃になってJ.J.ケールと競演したアルバムをリリースするのは少々意外だったが、レイドバック期のやる気のないクラプトンが大好きなぼくにとっては、うれしいニュースだ。
 今でも、クラプトンの体の中にはブルースと一緒に、レイドバックな気分も脈々と流れているだろうか。それを確かめるためにも、早速アマゾンで「The Road to Escondido」を予約をした。1か月後のリリースが待ち遠しい。

 今なら、このページで「The Road to Escondido」のメイキングムービーが公開されている。
 ページ中段あたりの「THE ROAD TO ESCONDIDO - TRAILERS」の下の各リンク(そのうち訂正されるだろうが、ぼくが見たときはショートムービーとロングムービーが逆にリンクされていた)をクリックすれば、レコーディングの様子やインタビューが見られる。
 ムービーの中では、クラプトンが黒ピックガードのテレキャスターを弾く姿も見られ、テレキャス好きとしては、とてもうれしかった。J.J.ケールのカラッとして枯れた曲には、ストラトや335ではなく、やっぱテレキャスが似合うよなあ。 

 さらに、もうひとつDVDの紹介を。「The Road to Escondido」と、ほぼ同時に「エリック・クラプトン クロスロード・ライヴ1988」が発売される。これはデビュー25周年記念のツアーから、カリフォルニアでのライブを収録したDVDだ。

クロスロード・ライヴ 1988
エリック・クラプトン
B000IHXUH0

 このDVDでは、マーク・ノプラーとの競演を楽しむことができるし、収録曲もクラプトンの代表的な曲ばかりだ。
 ちなみに、25周年記念ライブで日本にやって来たときは、エルトン・ジョンも一緒だったが、このDVDに収録されているライブには彼の姿はないようだ。

| エリック・クラプトン | 16:14 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

3年ぶりの来日、ドミノスの再現?

 エリック・クラプトンの3年ぶりの来日が決まったようだ。
 オフィシャルサイトの情報によると11月11日から12月6日までの全16公演。大阪城ホール4回、名古屋レインボーホール2回、武道館8回、札幌ドームとさいたまスーパーアリナーがそれぞれ1回ずつとなっている。一ヶ月近く長期滞在するのは、この春のストーンズと同じ。でも、わずか5公演しかやらなかったストーンズとは大違いで「オヤジ、稼ぐなあ」って感じがする。

 あえてドームを避けて、一万人クラスの会場で回数をやるのは、音を重視するクラプトンの意向らしく、このあたりは誠実さも感じられる。
 でも、なぜか北海道だけは札幌ドームなんだけど・・・・。アリナークラスの良い会場がないせいだろうか。

 ぼくは1990年を最後にクラプトンのコンサートには行っていない。クラプトンのことは高校生の頃からずっと好きだし、未だにニューアルバムは必ず買っているが、「アンプラグド」以降の人気の高さと自信満々の姿には少々違和感(何度かアルバムレビューに書いているが、ぼくはやる気がなさげなクラプトンが好きなのだ)があって、コンサートにまでは参加する気にはなれかったのだ。

 でも、今回は久しぶりに行ってみようかなと思っている。おそらく、レギュラーツアーとしては初のギタリスト3人体制。中でも注目は、オールマンブラザースのデレク・トラックス。まだ若いギタリストだが、スライドギターの名手で、曲によってはデレク・アンド・ドミノスの再現が期待できるかもしれないからだ。

 ちなみ、7月終わりのスウェーデンのストックフォルムでのセットリストはこんな感じ。

Pretending
I Shot The Sheriff
Got To Get Better In A Little While
Old Love
Everybody Oughta Make A Change
Motherless Children
Back Home
I Am Yours
Nobody Knows You When You're Down And Out
Running On Faith
After Midnight
Little Queen Of Spades
Further On Up The Road
Wonderful Tonight
Layla
Cocaine
Crossroads

 この中でドミノス時代の再現を期待できる曲は「Got To Get Better In A Little While」「Layla」だろうか。日によっては「Anyday」がプレイされることもあるようだ。「I Am Yours」「Nobody Knows You When You're Down And Out」もドミノスの曲だが、ここはアコースティックセットなので、ギターバトルにはならないかもしれない。
 でも「Motherless Children」ではイントロからデレク・トラックスのスライドが炸裂するだろうし、アルバム「Money And Cigarettes」からの「Everybody Oughta Make A Change」は、おそらくこれまでツアーではほとんどプレイされていないレア曲だ。

 この日はオープニングアクトを務めるロバート・クレイが「Old Love」とアンコールの「Crossroads」に参加。さすがに、ロバート・クレイまでは、日本には来ないだろうけど、このあたりのギターバトルも、後日発売されるであろうツアーのDVDで見てみたいものだ。

 ちなみに、デレク・アンド・ドミノスが正式に発表したアルバムは、わずかに1枚。「Layla and Other Assorted Love Songs」だけである。
Layla and Other Assorted Love SongsLayla and Other Assorted Love Songs
Derek and the Dominos


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
 
 2枚目のアルバムのセッション中に空中分解、解散してしまったドミノスだが、この1枚でロックの歴史に名を残すグループとなった。

ライヴ・アット・ザ・フィルモアライヴ・アット・ザ・フィルモア
デレク・アンド・ドミノス


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ドミノス解散後には「イン・コンサート」というライブ盤が発表されたが、現在ではリマスターされて5曲追加された「ライヴ・アット・ザ・フィルモア」として再発されている。
 こちらも、クラプトンの若々しくも激しいギターが素晴らしいが、曲によっては少々ギターソロが長過ぎると感じられるものもある。でも、このアルバムが録音された1970年頃は、長いインプロビゼーションが好まれる時代だったのだろうなあ。

| エリック・クラプトン | 22:43 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

マイホームパパになった?クラプトンの「Back Home」

Back HomeBack Home
Eric Clapton


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ようやく、〆切が過ぎてしまっていた仕事が片付いた。朝から家事以外に何もすることがないのは2週間ぶりだ。「今日は何をしようか」とボーッとしていたら、アマゾンで買ったエリック・クラプトンの新作が届いた。

 ニューアルバムのタイトルは「Back Home」。タイトルを見て「オヤジ、今頃になって『やっぱ、家はええわー。子供もかわいいしなあ』なんて言い出すんじゃないやろな」と思っていたら、予想通りに幸せムード全開。
 一曲目の「So Tired」は人生に疲れたという唄ではなく、なんと子育ての中で感じる心地良い疲れについて唄っている。クラプトンもオムツを替えたり、子供を風呂に入れたりするんだろうか。かれこれ5年以上、子育てを続けているぼくは心地良い疲れてというより、寝る前には疲れ果てるって感じなんだけど・・・。
 ジャケットを開くとクラプトンのセルフライナーのようなものがあって、最後には「妻と子供が与えてくれたことに、愛を込めて感謝したい。ぼくはいつも家がたまらなくいとしいし、そこに早く帰りたいんだ」と書かれている。これに続く、見開きの写真には子供二人をあやしながら、ギターを弾くクラプトンの姿が写っている。
 こんな調子だから、アルバム全体のテーマは、おそらく「家族愛」。輸入盤なので歌詞がよく分からない部分もあるが、曲のタイトルにも「Love」と「Home」が目立つ。ブルースなんて、もちろん一曲も入っていない。

 バックのメンバーは、スティーブ・ガッド、ネイザン・イースト、ビリー・プレストン、アンディー・フェアウェザー・ロウといったお馴染みの人たちが固めている。サウンド・プロダクションも前作の「Reptile」とよく似ていて、クリアでアダルトコンテポラリーな音。つまり、近頃流行している「大人のロック」ってやつだ。
 アルバムのハイライトはジョージ・ハリソンのカバー「Love Comes To Everyone」あたりか。おそらく、ジョージへの追悼の意味も込めたチョイスされた、ふんわりした曲。間奏ではビリー・プレストン(「Let It Be」でビートルズとも競演したことがある)のキーボードとクラプトンのスライドギターのかけあいがあって、なかなか微笑ましい。

 「Back Home」を繰り返して2回聴いたが、良い意味で肩の力は抜けているし、曲も悪くない。久しぶりのレゲエも入っている。なのに、どこか物足りない。
 これまでジャンキー、不倫、アル中とミュージシャンらしい荒波人生をおくってきたクラプトン。しかし、その荒波の中ので数々の名曲や名演が生まれてきた。「Back Home」の物足りなさは、きっと普通の幸せを唄うクラプトンに慣れていないせいだろう。

| エリック・クラプトン | 10:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT