ZEPの再結成まで、あと数日。いよいよ、カウントダウン状態に入った。
でも、ぼくは再結成の日を目前にして、少しばかり緊張している。もちろん、ロンドンに行くわけではない。ネット上のニュースやコンサートに行った人に感想を読み、運が良ければどこかのサイトで動画が見られるのではと思っているだけだが、なんだかソワソワしてしまう。
そのソワソワ感の原因は期待というよりも、むしろ不安が大きい。「ジミー・ペイジの指はもつれないか」「ロバート・プラントはハイトーンを、ちゃんと出せるの」「ジョン・ポール・ジョーンズは曲のパートをぶっ飛ばして、プレイしないか」などなど、心配ごとは限りない。
なにしろ、3人が揃ってステージに立つのは1988年以来のことで、約20年ぶりなのだ。
彼らもプロだから、リハーサルを重ねて、水準以上のプレイはするだろう。でも、過去の名曲を単になぞるだけでは、ZEPらしいとはいえないし、観客も満足しないだろう。
以前も書いたが、あのメンバーが一緒のステージに立つことによって起こるマジックを見たいのだ。
幸か不幸か、2枚組みのDVDが発売されてから、ZEPの全盛期のすごいステージは、映像によって世界中の人々が知るところになった。あの時の凄さの再現を期待するのは酷なことと分かっちゃいるけど、レッド・ツェッペリンという名前を掲げる以上は、何かギラリと光るものを見せつけてほしい。
現在、2枚組みのDVDの映像の一部は
Yahoo動画で視聴が可能なので、まだの人はぜひどうぞ。
そーんなことを考えていたら、こんなニュースが。うーん、大丈夫か?
レッド・ツェッペリン、声が出なくて曲をリアレンジ? いずれにせよ答えが出るまで、あと数日だ。
さて、ここからが本題。
今週は再結成が目前ということもあって、ZEPをよく聴いた。そして、試しにファーストアルバムから「CODA」までを順番に聴いてみて、あることに気が付いた。
それは、ZEPのファーストアルバムから「天国への階段」の入っている「フォー・シンボルズ」までの4枚を順番に聴くと、まるで古い4コママンガのように見事な起承転結を感じることだ。
まず、ファーストアルバム。これが彼らの「起」のアルバムだ。
ここからすべてが始まったわけだが、このアルバムにはこれから開花するZEPの多彩な音楽の要素がすべて詰まっている。つまり、デビュー直後からZEPはとんでもないグループだったわけだ。
そもそも、こんなアルバムをわずか30時間で作ってしまう(このあたりは、たった1日で作られたビートルズのデビューアルバムに通じるものがある)ことが、奇跡に近い出来事である。あのメンバーが揃った時点で、なにかが爆発したことを容易に想像できるアルバムだ。
「承」にあたる2枚目は前作の路線を継承しつつも、さらに膨らませて完璧に仕上げたところがすごい。このアルバムで、ZEP流のロックはほぼ完成したと思う。
でも、このアルバムも時間をかけてスタジオで作りこまれたわけではない。69年1月のレコードデビュー後、ZEPはアメリカとイギリスを中心に日程の詰まったハードなツアーを続けていた。さらに、オフステージでは伝説にすらなっている乱痴気騒ぎを、毎晩のように繰り広げていたのである。
セカンドアルバムは、そんな狂乱のツアーの合間を縫うようにして、各地のスタジオを録音された。でも、そんなことを少しも感じさせない完璧さが、このアルバムにはある。彼らの怪物性がよーく分かる1枚だ。
この3枚目のアルバムで、ZEPは大きく方向転換をする。まさに「転」のアルバムといえる。
その転換とはアコースティックな曲の多用だ。レコードの時代には「Gallows pole」に始まり「Hats off to (Roy) Harper」で終わるB面には、今でいうオーガニックな曲ばかりが収められていたのだから、リアルタイムで聴いた人は驚いたはずである。
と書いているぼくも、高校生の時に初めて聴いたサードアルバムには困惑した。ZEPにはかっこいいリフと雄叫びを期待していたので、正直に書くと「何じゃこりゃ、退屈やなあ。寝てしまうで!」と思った。
今ではアコースティックなB面こそが、このアルバムの魅力だと感じているし、どの曲も大好きだ。でも、あのB面はガッツとくるオープニングの「Immigrant song」よりも衝撃度が高かったかもしれない。
その「Immigrant song」だが、バンド全体の疾走感がたまらない名曲である。今でもこの曲が不意に流れてくると、ぼくは思わず頭を揺らしてしまう。
でも、本来なら曲の最もおいしいところで登場するはずのジミー・ペイジのギターソロが「Immigrant song」にはない。つまり、オープニングから「これまでのZEPとは違うよ」ということをさりげに示しているのだ。そのすかした曲が圧倒的にかっこいいのだから、やはり彼らはタダ者ではない。
そして、4枚目は「結」となるアルバム。
「Stairway to Heaven」が入っているだけに、このアルバムからZEPを聴き始める方も多いのかもしれないが、それはある意味では正解だ。このアルバムは「結」にふさわしく、これまでのZEPの軌跡を総括するような内容だからである。王道的な1枚といってもいいだろう。
でも、このアルバムには安定感があっても、ZEPらしい変化や揺らぎに欠ける気もする。もちろん、名作だし、好きなアルバムだが、個人的には最も聴く回数が少ないZEPのアルバムだ。
しかし、ZEPは次のアルバム
「Houses Of The Holy」で、再び大きく変化する。つまり、4枚目はこれまでの自分たちの音楽にケリをつけ、さらに前に進むために、あえて王道的に作られたのかもしれない。
ZEPがデビューアルバムから4枚目をリリースするまでに要した時間は、わずかに3年である。
そんな短い期間に、こうして「起承転結」の感じられる名作アルバムを量産できるというのは、現在の音楽業界とのシステムや流れの違いを差し引いても、ホントにすごいことではないだろうか。
ZEPのデビューアルバムから4枚目までを連続して聴くことには、意外に発見が多いので、まだの方はぜひ!
最後にギブソンの姉妹ブランドエピフォンから、ジミー・ペイジと同じあのギターが発売された。
Epiphone by Gibson G-1275 Custom (CH) ボディがアルダーでトラ杢入りのメイプルトップが貼ってあるなど「ジミーのギターとは構成がちょっと違うかな」と思う部分もある。でも、6弦側のピックアップがオープン仕様になっているところからすると、明らかにジミーのダブルネックの再現を狙っているのだろう。これで10万円ちょっとの値段というのは、なかなか魅力的かも。
あっ、もちろん買いませんよ。というか、買えませんが、ダブルネックのギターというのは、一度試してみたいなあ。
↑ にほんブログ村 音楽ブログ ロックランキングへ