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マジカル・ミステリー・ツアーがDVD、ブルーレイ化

 「あれ、まだDVDになってなかったの?」と逆に驚いちゃうけれど、ビートルズが監督、脚本をした映画「マジカル・ミステリー・ツアー」が、ようやくDVD(正確には97年に一度発売されているで、15年ぶりらしい)、ブルーレイ化されて、10月10日に発売される。

B00918ZVCOマジカル・ミステリー・ツアー [DVD]
EMI MUSIC JAPAN 2012-10-10

by G-Tools

 ぼくはこの映画のVHSのビデオを持っていて、それをDVDにダビングしてある。1時間弱と手ごろな長さなので、今でもたまに見る。合計すると、数十回は見た大好きな映画のひとつだ。

 映画「マジカル・ミステリー・ツアー」に関しては「公開当初は不評だったが、これはプロモーション・ビデオの先駆けだ。さすが、ビートルズ」といった評価が、現在の定番だ。
 成り行きまかせで製作された映画には、きっちりとしたストーリはない。しかし、ビートルズの曲と、それにあわせて動く彼らの姿があるだけで満足できる。そんな映画だ。「マジカル・ミステリー・ツアー」に意味はない。意味がないから、素晴らしいのだ。

 今回のDVD化に際して、映像は当然のようにデジタルリマスターされて、VHS版と比べものにならないくらいにクリアーになっているだろう。
 マルチチャンネルの音と併せて、よりサイケデリックな感覚が味わえるはずから、何度も見た映画でも、DVDを買うしかないな。



 上の予告編にあるように、未公開映像を含む特典映像も楽しみだ。


 そういえば「マジカル・ミステリー・ツアー」に関して、こんな記事があった。

ザ・ビートルズ、『マジカル・ミステリー・ツアー』が初の映画館上映

 この記事の中には「この映画は一度もアメリカでは放映されず、それ以外の国々でも公開は限定的だった。日本では1968年9月28日に日本武道館に於いて1日限りの特別公開が行われたのみである」と書いてあるけれど、ぼくは「マジカル・ミステリー・ツアー」を映画館で見た記憶があるのだ。

 場所は梅田にあった名画座の大毎地下劇場で、1979年の年末だった思う。
 たしか、ビートルズのシェアスタジアムのライブを収録したドキュメンタリー映画、アバとの「ABBA The Movie」の3本立てだったような気もするが、このあたりの記憶は曖昧である。

 とにかく、ぼくは映画館で初めて「マジカル・ミステリー・ツアー」を見た。
 そして、この映画が好きになり、ビデオまで買ったのだから、かつて日本の映画館で上映されたことはまちがいないと思う。だから「初の映画館上映」というのは違う気がするんだけどなあ。

 いずれにせよ、クリアな画像と音で「マジカル・ミステリー・ツアー」が見られるのは、とてもうれしいことだ。
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| ビートルズとその周辺 | 20:31 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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Help! 手術室で聴くビートルズ

 あまりに恥ずかし過ぎて、あえて理由は書かないけれど、前回のエントリーの直後に右の手首を骨折。派手にポッキリしちゃったので、3月終わりに手首の骨をプレートとボルトで固定する手術をした。
 ちなみに、骨折したのは30年ぶり、2回目だ。

 歩いて、手術室に入り、覚悟(自慢じゃないけど、痛みと血なまぐさいのは大の苦手だ)を決めて手術台に乗ると、横にいた看護師さんが「何か好きな音楽はありますか?」とたずねてきた。
 音楽には患者をリラックスさせる効果があり、室内には有線放送のBGMが流れるそうだ。「できれば、ビートルズがいいんですが」と答えると「確か、そんなチャンネルもありましたね」と看護師さんが席を立った。

 すると、手術室の中にジョンの声が流れてきた。曲は「ヘルプ」だ。



 あまりにでき過ぎた展開に笑いそうになったが、その直後に右手には麻酔がかけられ、手術が始まった。

 こうして、ぼくは1時間ちょっとの手術中にビートルズを聴きながら過ごした。確かに音楽にはリラックス効果があって、ランダムに流れてくるビートルズの曲をたまに口ずさみ、先生の指示や話し声、ドリルの音などを聴きながら、ぼくは手術を終えた。

 手術の途中で、しみじみと「イン・マイ・ライフ」を聴き「ヘイ・ジュード」には励まされた。これまでも、色々な場所や状況でビートルズを聴いてきたけれど、最も記憶に残る場所でのビートルズだったと思う。
 もう二度と、あんな状況でビートルズは聴きたくないけれど・・・・。

 その後、無事に退院して、今は自宅で骨休め中。右手のリハビリはこれからだけど、こうして少しキーボードも打てるようになった。

 手首をさすりながら「早くギターが弾きたいなあ」と思いつつ、モノラルのビートルズのアルバムを聴く日々である。

| ビートルズとその周辺 | 12:16 | comments:4 | trackbacks:1 | TOP↑

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流氷が来ると聴きたくなるポールの曲

 関東でも雪が降り、全国的に寒い日が続いているようだ。
 ぼくが住んでいるオホーツク海沿いの街でも、最低気温が連日のようにマイナス10℃以下になり、日中の気温もプラスにならない真冬日が連続している。

 そんな真冬のオホーツク海沿岸に、忽然と姿を現すのが流氷だ。これが海を覆いつくすと、寒さはさらに厳しさを増す。でも、ぼくは流氷がある真冬の光景が大好きだ。
 流氷は読んで字のごとく「流れる氷」で、日々その姿を変えていく。同じ場所で流氷を眺め続けても、同じ流氷の姿には二度と出会えないだろう。これほど劇的な「風景との一期一会」を感じる自然現象は、そうあるものではない。

能取岬の流氷

 上の写真は数日前に能取岬という場所で撮影したもの。
 この岬はオホーツク海にポッツンと突き出しているので、流氷が到達するのが早い。この日、流氷は少し岸から離れていたが、冬の能取岬は「氷岬(ひょうきょう)」と表現したくなるような場所。真冬には凍てついた岬になるけれど、ここには厳しいからこそ美しい自然の表情がある。


 というわけで、今日はぼくが流氷が来る真冬に聴きたくなるポール・マッカートニーの曲を紹介したい。



  凍てつく風を思わせるようなポールのかすれた声で唄われる「Winter Rose」。それに続く「Love Awake」は薪のはぜる音がするあたたかなレンガの家といったイメージがある。
 youtubeを検索してみると、このメドレーにPVがあることに驚いたが、映像があまりに曲のイメージどおりだったのにも、笑ってしまった。

B000005JJ3Back to the Egg
Wings Paul Mccartney
Indent Series 1996-07-23

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 「Winter Rose~Love Awake」が入っている「Back to the Egg」はウイングスのラスト・アルバムなのだが、セールス的には失敗作だったようだ。
 でも、ぼくはリアルタイムで聴いたせいか、このアルバムへの思い入れが深い。今でもたまに聴くけれど、佳曲ぞろいの愛すべきアルバムだと思う。

 契約の関係か、それとも大人の事情なのか、現在ポールのソロアルバムの多くが廃盤になっているようだ。アマゾンでは「Back to the Egg」の中古CDにも、ちょっとしたプレミアが付いている。彼のソロキャリアが無視されているような状況は、少し寂しいな。

| ビートルズとその周辺 | 18:09 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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タンカースとジョージ・ハリソンの伝記映画

 数年前からミリタリーものの服にハマっている。
 これまでは、パタゴニアやノースフェイスなどアウトドア系の服を愛用していたが、ちょっと前から街でもよく見かけるようになったし、普段着としては少々オーバースペックである。
 定番のMA-1やピーコート、N1デッキジャケットなど、昔のミリタリー・ジャケットは新素材とは無縁のローテクな服だが、それなりに暖かくて、今のぼくにはちょうど良い。

 この冬はタンカース・ジャケットを買った。
 マーティン・スコセッシの出世作で、70年代のアメリカ映画の代表作のひとつでもある「タクシー・ドライバー」の主人公トラビスが、劇中で着ていたことで知られているジャケットだ。


 例の有名なポスターで、ロバート・デニーロが両手をつっこんでいるのがタンカース・ジャケットである。
 「タクシー・ドライバー」は大好きな映画で、未だに数年に1度は見るけれど、前からデニーロが着ているタンカース・ジャケットやM65が気になってた。

 このジャケット、そのものズバリのレプリカがあるけれど、少々高価。


 というわけで、ぼくは昔からサープラス(軍の放出品)で有名な上野の中田商店が作っているタンカース・ジャケットを買った。


 タンカースは何かワンポイントがないと、ただの作業ジャンパーにも見えちゃうので、ワッペン付きのものにしたが、他のメーカーのものに比べれば、お手軽な値段だ。
 でも、縫製はしっかりとしているし、生地の感じも悪くはない。内側には毛布地がライニングされているだけだが、意外に暖かくて、真冬の北海道でも短時間の街歩き程度なら大丈夫な防寒性があると思う。


 と、ここまでは少し長い前振り。
 お正月に「タクシー・ドライバー」のマーティン・スコセッシが監督・製作をしたジョージ・ハリスンの足跡を追ったドキュメンタリー映画「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」のDVDを観た。

B005O88C3Kジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド [DVD]
角川書店 2011-12-23

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 前編、後編をあわせて3時間半という長編映画だが、ビートルズとジョージのファンなら一気に見られるはず。それほど、貴重な映像と興味深いインタービューが満載の映画なのだ。

 あまり書くとネタバレになっちゃうけれど、ジョージとパティのタヒチへの極秘旅行のプライベート映像や、テレビでLSD体験を語るジョージのシーンに挿入される崖の上でぶっ飛んでいるジョン、1974年のアメリカ・ツアーのライブ映像などなど、すごいシーンが次々と出てくる。

 インタビューにも登場するジョージの妻のオリヴィアが、この映画のために膨大な数のプライベートフィルムを提供したらしいのだが、時系列に沿って、飽きのこない編集をしているあたりは、さすがマーティン・スコセッシだ。

 もちろん、不満もないわけではない。
 同じくスコセッシ製作の自伝映画「ノー・ディレクション・ホーム」があり、ジョージと親交の深かったボブ・ディランがインタビューに登場しないとか、クラプトンはたびたび出てくるのに、1991年の日本ツアーの話がないなど、つっこみどころはある。
 また、ライブの映像も短めに編集されていることが多く、音楽映画としては楽しみにくい(特典映像のラヴィ・シャンカール・ファミリー・アンド・フレンズ、ジョージ・ハリソンの「ディスピュート&ヴァイオレンス」はすごいが)かもしれない。

 でも、ジョージ・ハリソンの深く不思議な生涯を見事に描き出してる映画であるのはまちがいなく、見終わった後に彼の生き方の一端にふれた気がした。

 
 今日の1曲は、なんとも豪華なメンバーでプレイされる「I saw her standing there」。



 ビートルズの持ち歌なのだから、もっと前にでてもよさそうなものだが、一度だけ控えめコーラスをつけるあたりが、実にジョージらしい。

| ビートルズとその周辺 | 21:10 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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鬼押出し園でジョン・レノンを感じた日

 「ジョン・レノン家族生活」という写真集がある。

409381001Xジョン・レノン家族生活
西丸 文也
小学館 1990-11

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 ジョンの一家のアシスタントしていた西丸文也氏(最近、お亡くなりになられたそうです。心よりご冥福をお祈りいたします)が撮影した写真は公開することを前提としたものではなかったらしく、あくまでもプライベートな家族写真ばかり。1982年の暮れに角川書店から出版され、1990年に小学館から再販された本だ。
 ジョンがすべての活動をやめて子育てをしていたハウスハズバンド時代を記録したもので、この本の中のジョンは世界一有名な普通のお父さんである。

 今はもう手元にないけれど、ぼくは角川書店から出版された最初の「ジョン・レノン家族生活」を持っていた。そして、わずか数年前に生前のジョンが日本の風景の中に普通に存在していたことに驚いた。あのジョン・レノンが東京の街や上野動物園を歩き、軽井沢で自転車に乗っていたからだ。

 この本が出版されたことによって、主夫時代のジョンが毎年のように日本を訪れ、軽井沢で避暑をしていたことが広く知られるようになった。「ジョン・レノン家族生活」はジョンの日本での残り香を探すためのガイドブックでもあったのである


 1983年の夏の終わりから初冬にかけて、ぼくは信州の白樺湖で住み込みのアルバイトをしていた。10月の連休が終わり、忙しさがひと段落したので、ぼく初めて3日間の休みをもらった。バイクに乗って、行った先はもちろん軽井沢だ。
 万平ホテルや白糸の滝、別荘地。初めて訪れた軽井沢、どこもが「ジョン・レノン家族生活」で見たことのあるような場所だったけれど、ぼくはジョンの気配を感じられなかった。

 しかし、最後に行ったシーズンオフの平日で人もまばらな鬼押出し園で、ジョンが写真集の中で鐘をついていたお堂を見つけた。
 「WORKING CLASS HERO」とプリントされた白いTシャツ、ジーンズに雪駄を履いたジョンの写真は、なぜか強く記憶に残っていた。ぼくはゆっくりとお堂に近づき、ジョンが手をふれた縄を握り、鐘を鳴らした。その時、体に軽い電流が流れたような気がした。
 もちろん、錯覚かもしれないけれど「わずかに数年にジョンがこの場所に立ち、同じように鐘を鳴らしていたのだ」と思うと、体が震えた。

 その後、ぼくは一度も軽井沢を訪れたことはないし、ずい分前にジョンよりも年上になってしまったけれど、相変わらず彼の残した音楽を聴いている。そして、毎年ジョンの命日には秋の鬼押出し園のお堂を思い浮かべながら、お祈りをする。


 最後に軽井沢でのジョンを描いた小説を紹介しておきたい。

4062649020ウランバーナの森 (講談社文庫)
奥田 英朗
講談社 2000-08-10

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 軽井沢で極度の便秘になってしまったジョンに様々な亡霊が訪れるというファンからすれば、とんでもないストーリーなのだが、ぼくはこの小説が大好きだ。
 この本の中には「愛と平和」でなく、和式便所にまたがり、過去の悪行を悔やむ普通の人間のジョンがいる。しかし、決して彼をおとしめるような話ではなく、どうして復帰後のジョンがあれほど穏やかな顔だったのかを作者なりに解き明かした本である。ぼくはこの本から作者のジョンへの深い愛情を感じる。 

| ビートルズとその周辺 | 19:06 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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モノラルで楽しむビートルズ

 本来なら、これについて興奮気味に書くべきなんでしょうけど・・・・。

B005MMSIA0サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス '78【初回限定盤DVD+CD/日本語字幕付】
ワードレコーズ 2011-11-14

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 若くはないけど、老いてもいない1978年のストーンズは最高。
 パンクに煽られて、ロックのメインストリームから落っこてもおかしくなかった時期に、こんなライブをやってたから、彼らは21世紀まで生き延びたということを確認できる1枚だ。
 これについては、数回見て気持ちが落ち着いてからレビューを書きたいと思う。


 今回はストーンズのライバルというか、60年代には常に彼らの先を走っていたビートルズの話を。
 ぼくにはよくある「今ごろかよ」って話だが、数日前に「ザ・ビートルズ・モノ・ボックス」を買った。

B002FVPL9Wザ・ビートルズ・モノ・ボックス(アンコール・プレス)
ザ・ビートルズ
EMIミュージックジャパン 2009-09-09

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 このボックス・セット、2年前のビートルズの全作品リマスター時に発売されていたのは、もちろん知っている。しかし、ステレオ版とはミックスの異なるモノラルで、紙ジャケ仕様でも、既に持っているアルバムを高価なボックスセットで買い直す気にはなれなかった。
 結局、ビートルズのリマスター版に関しては、CDを少しずつ買い足し、すべてのアルバムを揃えてしまったので「こんなことなら、最初からリマスターアルバムがすべて入った通称-黒箱を買えば良かった」と思ったりもした。

B002BSHWUUThe Beatles (Long Card Box With Bonus DVD)
The Beatles
Capitol 2009-09-09

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 その黒箱、今では輸入版が13.000円で販売されている、やれやれ。

 話を「ザ・ビートルズ・モノ・ボックス」を戻すと、ぼくがこのボックス・セットを買ったのは「ブック・オフ」である。たまたま懐が暖かく、相場より少し安い値段の国内版を見つけたからだ。
 でも、モノラルの音には、それほど期待はしていなかった。ぼくがビートルズを聴き始めた1970年代の中頃には、もちろんCDはまだない。でも、レコードはステレオが当たり前の時代で、ビートルズのアルバムはステレオで聴いてきた。
 今回のリマスターで初めてCDでステレオ化された「プリーズ・プリーズ・ミー」「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ハード・デイズ・ナイト」「ビートルズ・フォー・セール」の初期の4枚に対しても、特に違和感はなく「やっぱ、音に広がり感があるほうが、いいじゃん」くらいに思っていた。

 しかし、実際にモノラルでミックスされたビートルズを聴いてみると、新鮮な驚きがあって素晴らしかった。
 曲やアルバムによって違いはあるが、全体的に音が太く、ステレオ版よりも迫力を感じるのだ。特にジョンやポール、ジョージの声が、これまでにはなかった生々しさで聴こえてくる。ベースの音にもドスが効いている曲が多く、ギターやドラムの音にもあたたかみのようなものがある。
 もちろん、モノラルだから音の分離は悪い(かといって、それぞれの音が聞き分けられないわけではない)のだが、ビートルズのメンバーが固まりになって、スピーカーが飛び出してくる感じがするのだ。
 意外だったのは「ステレオじゃないと良さが分からないだろう」と思っていた「サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」「ホワイト・アルバム」あたりの音数の多い後期のアルバムでも、モノラルの音が良いこと。「1967年、サマー・オブ・ラブのころは、あのペパーズがこんな音で聴かれてたのね」と当時の空気感を想像できるような音だ。

 この「ザ・ビートルズ・モノ・ボックス」が発売されたころ「実際にビートルズが立ち会って、ジョージ・マーティンが時間をかけて作り上げたのはモノラル・ミックスだけ」「当時はステレオの再生装置がさほど普及していなくて、ステレオ・ミックスは重要視しされていなかった」「だから、モノラルミックスこそが、ビートルズの求めていた音」などということが、売り文句としてあったと思う。
 そのあたりは、おそらく歴史的な事実だろう。でも、ぼくはビートルズ原理主義者ではないから「モノラルこそが、ビートルズ」とは思わないし、21世紀のステレオ・ミックスにも良さを感じる。

 しかし、どこか懐かしさを感じさせるような音場感が、モノラルにはある。だから、少々面倒でも、このボックス・セットはアンプのバランスを調整して、片側のスピーカー1個だけから少し大きめの音を出して聴くようにしている。
 これまで、ぼくはステレオで音楽を聴き続けてきたが、多チャンネルのスピーカー、小さな音楽プレイヤーに何千曲も入るのが当たり前の時代に、ビートルズが実際に活動していた1960年代を想像しながら、たった1個のスピーカーから飛び出してくる彼らの唄を聴くのも悪くはない。
 通称白箱のモノラル・ボックス、昔からステレオでビートルズを聴き続けてきた方ほど、その良さが分かるのではないだろうか。

| ビートルズとその周辺 | 22:28 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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ポール・マッカートニー、意地の傑作「バンド・オン・ザ・ラン」

 前にも書いたように、このところネット・ラジオでビートルズばかり聴いている。
 そのせいか、ここでも彼らの話題が連続してしまうのだが、今回はデラックス・エディションがリリースされたばかりの、ポール・マッカートニーとウィングスの「バンド・オン・ザ・ラン」について。

B0041IPDKEバンド・オン・ザ・ラン デラックス・エディション(完全限定生産盤)(DVD付)
ポール・マッカートニー&ウィングス
ユニバーサル ミュージック クラシック 2010-11-17

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 この「バンド・オン・ザ・ラン」は1973年のクリスマス・シーズン前にリリースされたので、今年がキリのいい何周年記念ってわけではない。それにも関わらず、この手のものがリリースされた理由は、ポールのレコード会社移籍に伴ったものだろうか。
 いずにせよ「バンド・オン・ザ・ラン」デラックス・エディションをリリースする価値のある傑作アルバムだ。

 ぼくはこのアルバムを1975年あたりから聴き続けているから、かれこれ35年のおつきあいになる。でも、実はポールの一番好きなアルバムとはいえない。
 とてもよく出来たアルバムだと思うが、愛着があるのはソロ一作目の「マッカートニー」や二作目の「ラム」だ。中でも「ラム」こそがポールの最高傑作だと思っている。
 ビートルズに置き換えると「サージェント・ペパーズ」は偉大なアルバムだと思うけれど、それより好きなのが「ラバー・ソウル」や「リボルバー」といった感じだろうか。「バンド・オン・ザ・ラン」は好きなアルバムというより「天才は打とうと思って、ホームランを打てるものなんだなあ」と感心させられるアルバムかもしれない。


 ビートルズの解散、ソロ転向後のポールはアルバムのセールスこそ順調だったものの、音楽メディアでの評価は決して高くなかった(今なら、なぜ「ラム」が酷評されたのか理解不能だが)。そんなポールが「これなら、どうじゃ。文句あっか!」と気合を入れてリリースし、音楽評論家からも絶賛されたのが「バンド・オン・ザ・ラン」だ。

 ポールはナイジェリアのラゴスで「バンド・オン・ザ・ラン」のレコーディングを計画するも、行く直前に「わしら、そんな辺ぴなとこに行くのは、嫌じゃ」と、メンバー2人が離脱。ギタリストとドラマーを失ったポールだが、あえてラゴスでのレコーディングを強行する。
 現地に着いても、設備の整っていないスタジオ、ポールの突然の発病とトラブルは続き、挙句の果ては現地ミュージシャンに「わしらの音楽を盗みに来たんやろ」と因縁をつけられ、強盗に襲われてデモテープまで奪われる。
 ポール、リンダ、デニー・レインの3人は「バンド・オン・ザ・ラン」の歌詞にもあるように「四方を壁に囲まれた」状態に陥ってしまったのだ。
 
 しかし、追い込まれると特別なパワーを発揮するのが、ポールである。
 挫けることなく、完成させたアルバムの出だし「バンド・オン・ザ・ラン~ジェット~ブルー・バード」の名曲3連発はいつ聴いても、ときめきを感じる。その後の展開も「サージェント・ペパーズ」や「アビー・ロード」で手に入れた統一感のあるトータル・アルバム的な手法でまとめ上げられ、最後まで一気に聴かせる。

 メンバーの離脱覚悟で挑んだレコーディングだけに、失敗はできないという意地。今度こそは音楽評論家に「さすが、ポール」と言わせるようなアルバムを作ってやろうという意地。それらが「バンド・オン・ザ・ラン」という形で結実したのは容易に想像できる。でも、そんな意地や苦労はアルバムからはまったく感じられない。作ろうとして、傑作を作ってしまえたのが30代前半のポールだったのである。

 というわけで、今日の動画も「バンド・オン・ザ・ラン」。



 このライブは1976年のツアーからのもの。「バンド・オン・ザ・ラン」の成功を経て、プライベートジェットでツアーを巡るロックスター然としたポールが見られる。
 ついでに、ライブで聴くと「バンド・オン・ザ・ラン」という曲は、3つくらいの曲の断片をメドレーにせず、半ば強引につなぎ合わせたものというのがよく分かる。

 次も同じツアーから「Silly Love Songs」(邦題は「心のラブ・ソング」)。



 ぼくは複雑に作り上げられた「バンド・オン・ザ・ラン」よりも「ありふれたラブ・ソング。でも、それのどこが悪いんだい」とポールの開き直りにも聴こえるこの曲に愛らしさを感じる。

 確かに砂糖菓子のように甘いポップ・ソングである。ポールならいとも簡単に作り出せそうな曲だが、何の苦労もなく湧き上がってきたような曲の中にこそ、彼のホントの良さがあるではないだろうか。
 ついでに、このライブではポールのベース・ラインがグイグイと曲を引っ張っていくような展開もすごいと思う。


 最後にポールといえば、ヴァイオリン・ベース。これは、彼のアイコン的な楽器である。

【エレキベース】Hofner IGNITION BASS

【エレキベース】Hofner IGNITION BASS

価格:31,500円(税込、送料込)


 実はちょっと前からベースの練習も始めまして、密かに「昔のグレコのヴァイオリン・ベースのコピーを見つけたら、買っちゃうなあ」などと思っていた。すると、格安で、本家のホフナーのベースが発売されているのを知って、物欲ムラムラ。
 どうやら、インドネシア製。しかも、この値段だから過度な期待はしちゃいけないだろうけど、いくつかの写真を見る限り、まともそうなつくりで、しかもヘッドには「Hofner」のロゴ入りだ

 とりあえず、どこかのお店で実機を見てから悩もうと思っているけど、ヴァイオリン・ベースでポールを気取ってみたいぞ。

| ビートルズとその周辺 | 19:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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30回目の命日に「Instant Karma」を

 未だに砲弾が飛び交う世界に、この曲を。
 若い歌舞伎役者が大酒飲んで、ケンカしただけのことを大ニュースにしちゃう国のメディアにも、この曲を。



 気をつけていないと、インスタントな因果にやられちゃう。
 だから、今夜はテレビを消して、ジョンの唄を聴こう。

 Well we all shine on
 Like the moon and the stars and the sun
 Well we all shine on
 Ev'ryone come on

 あいにく、今日は雪空で、空に月や星は輝きそうにもない。
 でも、この曲はジョンが亡くなってから30年が経っても、輝きを失わず、さらに光を増している気がする。

| ビートルズとその周辺 | 12:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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FMの思い出とビートルズ専門のネット・ラジオ

 かつて、ラジオは最も身近にあって、大切なメディアだった。
 ぼくが中学、高校生の頃、多くのクラスメイトが「ヤングタウン」や「オールナイト・ニッポン」といったAMの深夜放送を聴いていた。そして、番組でDJがしゃべったことが、次の日の話題になったものだ。

 深夜、布団の中で聴くラジオは「密かな楽しみ」という感じがして、ぼくの夜更かしにも欠かせないものだった。ラジオをつけたまま寝込んでしまい、ふと目が醒めた時に午前3時から放送されている「走れ歌謡曲」が流れていた(まだ、続いていたのね、この番組)なんてことも、よくあった。


 高校に合格したお祝いにステレオを買ってもらってからは、FMラジオが音楽の大切な情報源になった。中でも、FM大阪で午後6時からオンエアされていた「ビート・オン・プラザ」は大好きな番組だった。
 
 今では考えられないことだが、この番組では毎日、最新の洋楽アルバムが全曲ノーカット(放送時間の関係で数曲がカットされたり、フェードアウトされたりすることもあったけれど)で放送されていた。
 ぼくが聴いていたころは田中正美さんという方がDJだったが、曲の紹介が曲の最初にかぶることがなく、音楽が始まるタイミングが分かりやすいしゃべりかたをしていた。明らかにエアチェックしているリスナーを意識したDJぶりだったので、曲の間に入るCMをポーズでスキップ、カセットテープを裏返すタイミングさえ間違えなければ、最新のロックのレコードが丸々録音できたのだ。

 「ビート・オン・プラザ」で録音したアルバムの中には今でもCDで愛聴しているものがあるし、ビートルズにしか興味がなったぼくが色々なアーチストを聴くようになったのも、この番組おかげである。

 そんな思い出深い「ビート・オン・プラザ」のオープニングに流れていた曲が、ポール・マッカートニーの「Momma Miss America」。



 70年代終わりから80年代にかけて、関西に住んでいたロック好きなら、タイトルは知らなくてもイントロを聴けば「あっ、あの曲や!」と、当時のことが懐かしく思い出される一曲のはずだ。

 今となってみれば、これを番組のタイトル曲にするセンスはすごいと思う。

B000002UC5Mccartney
Paul Mccartney
Capitol 1990-10-25

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 ポールの初めてのソロアルバムの中のインスト曲なのだが、当時このアルバムはまったく評価されていなかった。ビートルズのメンバーのソロアルバムの中でも買わなくてもいいもの、聴かなくてもいいものの筆頭格とされていて、ぼくがこのアルバムの良さにようやく気づいたのも、10年ほど前のことだ。
 そんなアルバムのインスト曲に目をつけ、タイトル曲にしたあたりに、番組を制作していた人々のポリシーを感じたりもする。

 こんなふうにティーンエージャーの頃は、ラジオばかり聴いていたくせに、近頃ではほとんど耳にすることがない。たまにNKH-FMの「元春レディオショー」を聴くぐらいだ。
 その代わりにインターネット・ラジオを聴いている。ネットのラジオは目新しいものではないけれど、余計なおしゃべりばかりをする近頃のFMラジオに比べて、ガンガン曲が流れるサイトが多いので、仕事中のBGMにぴったりなのだ。

 たくさんあるインターネットのラジオ局の中で、ぼくがよく聴くのは「Beatles Radio」
 ここは名前の通りに、ビートルズばかりが流れるネット上のラジオ局だ。オリジナルのビートルズ・ソングだけではなく、メンバーがソロになってからの曲やカバー・ソングもオンエアされるので、聴き飽きることがない。
 今もジャクソン・ブラウンが唄う「Oh My Love」が流れてきたのだが、彼がこの曲をカバーしていることを初めて知った。
 たまに、ニヤリとさせられる選曲や曲順もあるので、かなりのビートルズ・マニアでも楽しめるネット・ラジオだと思う。

 ラジオというメディアに愛着はある。でも、今やラジオもインターネットというアンテナから聴く時代なのかもしれないな。

| ビートルズとその周辺 | 19:37 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビートルズと赤盤の青盤がリマスター、再発売

 2日前の18日、ビートルズのベスト盤である通称-赤盤と青盤がリマスターされて、発売になった。
 ちょうど1年前、リマスターされたオリジナルアルバム発売時のような熱気はないけれど、オリコンのディリーチャートでは1位と2位に入ったらしく、CDが売れないという状況の中でも、ビートルズだけは別格といったところだろうか。

 日本盤は2枚組みにも関わらず、期間限定価格で2.600円とEMIにしては良心的なお値段。でも、収録時間が1時間ちょっとで、CDなら余裕で1枚にできるはずの赤盤は2枚組みのままだ。このあたりは「相変わらずなのね」という感じがする。

 ちなみにアマゾンで買える輸入盤の「THE BEATLES 1962 - 1970」はCD4枚組みで3千円ちょっと。

B003Z9LBKGTHE BEATLES 1962 - 1970
THE BEATLES
EMI UK 2010-10-18

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 訳詩と日本語のライナーが不要なら、こちらが買いだろうなあ。


 と、ここまで赤盤と青盤について書いてきたけれど、ぼくはこのベスト盤をレコードの時代から一度も買ったことがない。もちろん聴いたことがあるけれど、わざわざ買う必要性が感じられなかったからだ。

 ビートルズというグループには駄作はない。すべてのアルバムに聞く価値がある。さらに、オリジナルアルバムをすべて揃えても、10枚ちょっとだ。
 このあたりが数多くのアルバムをリリースしているボブ・ディランやローリング・ストーンズとは違うところで、ビートルズに関してはまず聴くべきはベスト盤ではなく、オリジナル・アルバムだと思う。何から聴き始めてもいいけれど、できれば最初のアルバムから順番に聴いていけば、ビートルズというグループの驚異的な進化ぶりがよく分かるはずだ。

 つまり、寄せ集めのベスト盤を聴いて、ビートルズが分かった気になってしまっては、もったいない。ホントの聴き所はオリジナルアルバムの中にこそある。デジタルプレイヤーにMP3を詰め込んで、シャッフルして聴く時代にはそぐわないかもしれないけれど、ビートルズのアルバムでは曲順だって大切な要素だ。

 さらに、アルバム未収録のシングル曲を集めた「パスト・マスターズ vol.1&2」がリリースされている今では、赤盤と青盤を買わなければ聴けない曲はない。
 「このベスト盤を買えば、ビートルズの全213曲の1/4が聴ける」なんて売り文句もあるようだが「残りの3/4を聴かないで、どうするの?」と思うんだけどなあ。

 それにも関わらず、このベスト盤が売れるのは、かつて赤盤と青盤を通じて、ビートルズの魅力を知り、このアルバムのフォーマットや曲順に懐かしさを感じる人が多いからなのかもしれない。


 いずれにせよ、この4枚組みのベスト盤の曲順を見て、改めて驚いてしまうのはビートルズが赤盤1曲目の「Love Me Do」から、青盤1曲目の「Strawberry Fields Forever」へと到達するまでにかかった時間が、わずかに5年ということだ。



 「Strawberry Fields Forever」のビートルズは、デビュー直後の「Love Me Do」とは音楽の造り方はもちろんのこと、4人のルックスもまったく異なっている。



 きっと、ビートルズの1年は時間の密度や流れ方が普通ではなかったのではないか。「Love Me Do」から「Strawberry Fields Forever」への5年間の変貌ぶりから、ぼくはそんなことすら感じてしまう。 

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