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マイルス・ディビスとタモリ

 前々回のエントリーで「Time After Time」のことを書いたら、久しぶりにマイルス・ディビスのライブ・バージョンが見たくなった。



 この映像は以前にも紹介したけれど、1985年、東京は読売ランドEASTの「Live Under The Sky」でのマイルス(ちなみにベースを弾いているのは、ストーンズでお馴染みのダリル・ジョーンズ)。
 夏の野外、夕映えの中、マイルスのミュート・トランペットのトーンが素晴らしい。晩年のステージではハイライトの一曲だった「Time After Time」のライブ音源はブートを含めて数々聴いたが、この時のプレイはベストのひとつだと思う。

 そんな映像の横に「ど緊張Interviews:MILES DAVIS 1985/08/16」というリンクがあった。見てみると、おそらく上の映像の前後に収録されたタモリのインタビューだった。



 緊張気味のタモリの横で、スケッチを続けながら、短いフレーズでインタビューに答えるマイルス。ステージの上のマイルスは「小さい」と感じられないのに、小柄なタモリよりも、さらに小さく見える。しかし、その存在感は巨大で、タモリがあがりまくっちゃうのもよく分かる気がする。

 そんな小さな帝王は、意外にも終始ご機嫌。おそらく、ふり返るつもりはまったくない「マイ・ファニー・バレンタイン」などという過去の話題をタモリに持ち出されても、お世辞混じりに答えているし、最後には「コンヤハ・サイコウ」とまでおっしゃる。
 良い意味で「怖い」マイルスのイメージを裏切るインタビューだ。


 そういえば、日本ではこんなCMを放送されていたことがあった。



 焼酎を飲んで「ミラクル」というマイルス。今となっては、新鮮でかっこいいCMである。

 最後にもう一曲。メンバーを見ると、最晩年のマイルスのパフォーマンスだろう「Human Nature」。この曲も晩年のマイルスのステージには欠かせない一曲だった。


 
 力をヌキ気味にあのメロディーを吹き付けるマイルスも素敵だが、この曲に関してはサックスのケニー・ギャレットの吹きまくりが聴きどころだろう。

 そんな「Human Nature」と「Time After Time」が収録されているのが「You're Under Arrest」。

B0012GN1HKYou're Under Arrest
Miles Davis
Sbme Special Mkts. 1987-07-07

by G-Tools

 タモリのインタビューと同じ、1985年にリリースされたアルバムはポップでお茶目なマイルスが感じられる1枚だ。「エレクトリックなマイルスはどうも苦手」と感じている人も抵抗なく聴けるアルバムだと思う。
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| ジャズの名盤 | 22:52 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ラリー・カールトンの「Room 335」を3連発

 このところ、にわかにジャズ・モードで、久々にあれやこれやとジャズのアルバムを引っ張り出しては聴いている。
 そして「オレが初めて聴いたジャズってなんだろう?」と思い返してみると、それはラリー・カールトンだったかもしれない。

B00129Q1T2夜の彷徨(さまよい)
ラリー・カールトン
Warner Music Japan =music= 2008-03-19

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 ラリー・カールトンの「夜の彷徨」(このタイトルに馴染みはなくって「ルーム335の入っているやつ」と呼んでいたような)がリリースされた1978年、ぼくはエレキギターを弾き始めたばかりだった。
 そして、同じくギターを弾いていて、ぼくよりも格段にうまく、音楽的にもませていた友達が「これええから、聴いてみな」と貸してくれたのが「夜の彷徨」だ。

 ぼくは既にジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」を聴き込んでいたから、ギターインストに抵抗はなく「夜の彷徨」はすんなりと耳に入ってきた。
 でも、ジャズを聴いているという意識はなくって、その当時にこの手の音楽を総称する言葉であったクロスオーバー(そういえば「クロスオーバー・イレブン」という深夜のFM番組もありましたな)やフュージョンを聴いているつもりだった。
 そもそも、音楽をジャンル分けすることなんかに意味はないけれど、高校生だったぼくにとってはラリー・カールトンもジェフ・ベックも同じギタリストだったのである。

 とはいえ、ぼくのジャズの入り口はラリー・カールトンだったことに違いはなく、未だに大好きな曲である「Room 335」をいくつか見ていただきたい。

 まずは若さ溢れるラリー・カールトンのプレイを。



 伸びやかな335のトーンがたまらん。「これは理想のトーンのひとつだ」と断言できるほどのトーンだと思う。表情豊かなラリー・カールトンの指先から弾き出されるフレーズも素晴らしい。

 続いて、1995年のリー・リートナーとの「Room 335」。



 フュージョン・ギター界のミスター335の2人が奏でる「Room 335」、これはある種の夢の競演だ。
 ラリー・カールトンの頭は少し寂しくなってしまったけれど、相変わらずのギターのトーンが素晴らしい。同じギターを持っていても、音色やフレーズに2人の個性がはっきりと出ているあたりも面白い。

 最後はちょっと反則気味のストラトキャスターで奏でる「Room 335」を。



 たとえ、ストラトで「Room 335」を弾いたとしても、曲の印象は変わらない。
 シングルコイルから出ているとは思えないほどの伸びやかなトーンはさすがというか、シグネーチャー・トーンってものを持っている人の強みだなあ。

| ジャズの名盤 | 22:45 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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みんなのJAZZとフレディ・ハバード

 このところ、ボブ・ディランとジェフ・ベックがヘビーローテーションで「長い間、まともにジャズを聴いてないなあ」と思っていたら、こんなサイトを発見した。

みんなのJAZZ

 このサイト、アナウンス部分以外はYouTubeにアップされているコンテンツを利用しているようだ。ローバジェットで、手作り感のあふれるサイトだけど、商売っ気がなくって、ジャズという音楽の良さを広く紹介したいという心意気を感じる。

 さらに、ナビゲーター役の高橋真由子さんがお美しい方。どことなく昔懐かしいラジオを思い出させる落ち着いた声も良い。こりゃあ、週に一回の更新が楽しみだ。


 それにしても、ジャズはなかなか厄介な音楽だ。例えば、マイルス・ディビスだけでも膨大な数のアルバムがある。何かのきっかけで「ジャズって良いなあ」と思っても、どのアルバムから聴き始めたらいいのかが分かりにくい音楽なのだ。
 かといって、巷に溢れているおしれなタイトルのついた寄せ集めのベスト・アルバムを聴いただけでは、ジャズという音楽の真髄にふれることができないような気がする。

 ぼくもそれなりにジャズのアルバムは聴いてきたつもりだが「最初に何を聴けば良いですか?」と尋ねられても「うーん、ブルーノート・レーベルから出ているアルバムで、ジャケットが気に入ったモノか、アコースティックな時代のマイルスならまちがいないんじゃない」としか答えようがない。

 でも、この番組を見て「これは良いかも」と思ったアーチストのアルバムを買ってみれば、迷いも少なくなるかもしれない。


 「みんなのJAZZ」を見ていて「やっぱ、この人のトランペットは良いなあ」と思ったのがフレディ・ハバードだ。
 ブルーノートで何枚ものリーダーアルバムを残しているが、フレディ・ハバードはサイドメンとしてトランペットを吹いた時に光る人ではないだろうか。

 例えば、これなんかはジャズを初めて聴く方にもおすすめの一枚。

B00000IL29Maiden Voyage
Herbie Hancock
Blue Note Records 1999-04-07

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 ジャズでは珍しく、海をモチーフにした開放感溢れる曲の数々の中で、フレディ・ハバードは伸びやかでメリハリのあるトランペットを聴かせてくれる。

 最後にライブバージョンの「Maiden Voyage」を。



 1986年のマウントフジ・ジャズ・フェスティバルからの映像だが、まずロケーションが素晴らしい。夏の日差しの中に屹立する富士山、湖を滑るウインドサーフィンと、まさに「Maiden Voyage」な環境だ。
 真夏のロックフェスも良いけれど、夏の野外で聴くジャズも気持ち良いだろうなあ。そんなことを感じさせてくれる映像である。

| ジャズの名盤 | 22:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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人の声こそ、最高の楽器と思わせてくれる1枚

 かなり前からその存在が気になっているのに、なかなか買えないアルバムが何枚もある。今回紹介するマリーナ・ショウ の「Who Is This Bitch, Anyway?」も、そんな手が出そうで出ない1枚だった。
 でも、偶然に店頭でジャケットを目にして、他に買うものもなかったので手に入れてみると、これが「もっと、早く聴いてれば良かった!」と後悔するような名盤だった。

フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイフー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ
デヴィッド・T.ウォーカー ラリー・カールトン ビル・メイズ


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 ブルーノートのアルバムらしからぬタイトルの「Who Is This Bitch, Anyway?」は1975年にリリースされた。
 全11曲の中の大半のトラックで、チャック・レイニーがベースを弾いて、ハービー・マンデルがドラムを叩き、そのうちの4曲ではデヴィッド・T・ウオーカーとラリー・カールトンがギターを弾いている。この豪華なバックメンバーは、このアルバムのウリのひとつだろう。しかし、「Who Is This Bitch, Anyway?」の主役はあくまでマリーナ・ショウの歌声だ。

 彼女の声をじっくりと聴くのは初めてだったが、スローナンバーでもアップテンポな曲でも揺るがない声の存在感は「すごい」のひと言。ロバータ・フラックの大ヒット曲「Feel Like Makin' Love」あたりは聴きなれた曲だけど、マリーナ・ショウのカバーバージョンを聴くと「絶対、こっちの方が良いなあ」と思ってしまう。

 さらに、ギター好きとしては、デヴィッド・T・ウオーカーとラリー・カールトンの脇役に徹したプレイもたまらない。派手なソロはないけれど、マリーナ・ショウの唄を引き立てるオブリガードの素晴らしさは特筆ものである。「ホントのギターの達人は、唄のバッキングがうまい人」とする説があるけれど、このアルバムを聴くと、その意味が分かるような気がする。

 名曲揃いで「人の声こそ、最高の楽器かも」と思わせてくる「Who Is This Bitch, Anyway?」は、この先もぼくの愛聴盤となりそうだ。
 とりあえず、ジャズの名盤にカテゴリーしたけれど、ジャズとソウルの間をしなやかなに泳ぐような1枚は、ホントの意味でクロスオーバーな名盤かもしれないな。 

 最後にYouTubeで見つけた「Feel Like Makin' Love」を。絵は動かないけれど、マリーナ・ショウの歌声がフルバージョンで聴けます。



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| ジャズの名盤 | 19:56 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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初冬に聴く「Facing You」

 特に意識をしているわけではないけれど、秋から冬にかけてはジャズを聴く時間が長くなる。
 春から夏は、ロックとジャズの比率が8:2くらいなのに、寒くなって雪がちらつき始めると、これが5:5のイーブンに近づいていく。北海道の厳しい冬には、派手なロックよりも、ジャズが似合う気がするからだ。
 ただし、例外はボブ・ディラン。彼の無愛想な声は、冬に聴くのがふさわしい。これから迎える本格的な冬のBGMは、ボブ・ディランとジャズが中心になっていく。

Facing YouFacing You
Keith Jarrett


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 ぼくの中でジャズの季節である冬。そして、初冬によく聴くのがキース・ジャレットの「Facing You」だ。
 このアルバムはキース・ジャレットがキャリアの中で、初めてソロピアノに挑戦したアルバム。さらに、現在まで30年以上も関係が続く、ドイツのECMレーベルから初めてリリースしたアルバムであり、数年後にリリースされる「ケルン・コンサート」への布石ともいえる。
 つまり「Facing You」はキース・ジャレットの長いキャリアの中でも、特別な意味を持つ1枚なのだ。

 このアルバムに関しては、くどくどと中身の説明をするのは野暮なことかもしれない。比較的コンパクトな長さの全8曲の流れに、耳をゆだねていればいい。
 難解なアルバムではないし、素直に「あー、きれいなメロディだなあ」と聞き流しているうちに、キース・ジャレットというピアニストの良さが分かってくる。「Facing You」は、そんなアルバムではないだろうか。
 でも、単に可憐で美しいメロディを弾くだけが、キース・ジャレットではない。マイルス・デイビスとの関係を重ね合わせて考えると、このアルバムから彼の凄玉ぶりが見えてくるのだ。

 実は「Facing You」をレコーディングした時に、キース・ジャレットはマイルスとヨーロッパツアー中だった。そのオフの日を利用して、このアルバムをレコーディングしたのである。
 どこかのグループに所属しながらも、コンスタントにソロアルバムをリリースする。これはジャズの世界では当たり前のことで、別に何の問題もない。しかし、キース・ジャレットが所属していたころのマイルスは、最も過激なエレクトロニクス期を突き進んでいた。優雅にスタンダードナンバーの「枯葉」をプレイしてのではなく、どこまでも過激な「ディレクションズ」や「ファンキー・トンク」を、ステージでぶちまけていたのだ。
 当然、キース・ジャレットもおとなしくピアノを弾いていたわけではない。リングモジュレーターというエフェクターを通したエレピやオルガンで「ギャコ、ギャコ」とマイルスをあおりまくっていたわけで、この時期のブートを聴くと、2人のインタープレイは壮絶だったことが、よーく分かる。

 オフィシャル盤ではロックの殿堂フィルモア・イーストで録音された2枚組みの「At Fillmore」で、過激なキース・ジャレットが聴ける。
 このアルバム、かっこよさが連続するから聴き所が多い。そして、マイルスにケンカを売り続けるキース・ジャレットの凶暴なオルガンも、このアルバムの大きな魅力のひとつだ。

 
At Fillmore: Live at the Fillmore EastAt Fillmore: Live at the Fillmore East
Miles Davis


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 でも、そんな過激なツアーの合間に「Facing You」のようなアルバムを、たった1日でさらりとレコーディングしちゃうのだから、キース・ジャレットという人は只者じゃない。
 マイルスというダークで強力な音楽の世界の真っ只中に身を置いているのに、そこからスルリと抜け出して、何の影響も感じられない「Facing You」のようなアルバムを作るのには、とてつもないパワーがいるはず。でも「Facing You」からは、マイルスの「マ」の字も感じられない。これはよく考えれば凄いことなのだ。

 つまり「Facing You」というアルバムは、マイルス・デイビスという巨大な嵐の中にある一瞬の静寂のようなもので、初冬の穏やかな天気の日の午後に聴くのが、もっともふさわしい。

| ジャズの名盤 | 22:37 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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夏に聴きたくなる1枚 Vol.4 Saxophone Colossus

 昨日は暑いと書くのもはばかられるほどに、熱かった。
 ぼくの住む網走でも、昼過ぎに国道脇の温度計が37℃を表示。空気も大量の熱を含んでいて、体にまとわりつき、北海道らしくない暑さだった。こうなるとエアコンなどなく、冬向きに作ってある北海道の家は暑くてたまらない。ギターを弾くことはもちろんのこと、音楽を聴く気にもなれなかった。

 それでも、午後10時を過ぎた頃から雨が降り出し、窓からは涼やかな風が入ってくるようになった。そして、寝る前にブラック・ニッカを飲みながら聴いたのがこれ。

Saxophone ColossusSaxophone Colossus
Sonny Rollins


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 ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」。親しみを込めて「サキコロ」とも呼ばれるほどの王道的なジャズの名盤だが、ジャングルビート気味に始まる1曲目の「St. Thomas」からは、夏の夜の猥雑さが感じられて、暑かった1日の終わりに聴くのにはぴったりなのだ。

 ソニー・ロリンズのサキソフォンは音数も多く、とても陽気だ。クールなマイルスとは好対照で、おしゃべりなジャズではないだろうか。
 でも、決して暑苦しくはなく、実は夏に聴きたくなるアルバムが多い。その代表格が「サキソフォン・コロッサス」で、ジャズを初めて聴く人にも、おすすめできる分かりやすさと何度も聴ける深さを併せもったアルバムだと思う。

 ジャズ界の大御所、最後のジャズ・ジャイアンツとも称されるソニー・ロリンズ。意外にもローリング・ストーンズと競演していて「Tattoo You」のラストに収められている名曲「Waiting On A Friend」では、素晴らしいサックスソロを聴かせてくれる。クレジットはないが「Neighbours」のサキソフォンもソニー・ロリンズだ。

 Tattoo You
The Rolling Stones
B000000W5F

 ソニー・ロリンズが「Tattoo You」のレコーディングに参加した経緯は、こんな感じらしい。「Waiting On A Friendには、サックスの音色が必要だ」と感じたミックが、ジャズ通のチャーリー・ワッツに「誰がいいかな」と相談した。すると、チャーリーは「そりゃあ、ソニー・ロリンズでしょ」と自分が敬愛するジャズマンの名前を挙げた。しかし、ミックにそう言ってはみたものの「あのソニー・ロリンズがストーンズのレコーディングに来るわけがない」と思っていたらしい。
 ところが、数日後にスタジオに行くと、そこにはソニー・ロリンズがサックスを持って立っていた。チャーリーは驚くと共にミックの力のすごさに改めて気付いたという。

 経緯はどうあれ「Tattoo You」で聴かれるのは、ロックとジャズの幸福な融合である。

| ジャズの名盤 | 18:53 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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あの頃のギターキッズが必ず聴いてた1枚

 前回のエントリーで、思わせぶりにヘッドストックだけをお見せしてしまった、新しいギター。
 あこがれの1本だっただけに、毎日ながめてニヤニヤ、弾いてウットリといった調子で、まだ冷静にレビューなんて書けそうにない。ってことで、今日はこの1枚を紹介することに。

夜の彷徨(さまよい)夜の彷徨(さまよい)
ラリー・カールトン グレッグ・マティソン ポーリニョ・ダ・コスタ


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 1977年にリリースされたラリー・カールトンのソロアルバムで、原題は「Larry Carlton」。しかし、日本ではメロウなムードを際立たせるためか「夜の彷徨(さまよい)」と名付けられた。
 あえて分類すると、当時流行していたフュージョンに属し、ジャズ系の音楽になるが、あの頃のギター少年にとっては、必聴のアルバムだった。高校時代、ぼくの周りにはジャズなんて聴いている奴はいなくって、みんなロックやパンクに夢中だったのに、なぜかギターを弾いている連中は、これを聴いていた気がする。とにかく、当時の日本ではラリー・カールトンの人気には絶大なモノがあったのだ。

 そんな「夜の彷徨」をCDで買い直し、何十年ぶりかで聴いてみたが、これが素晴らしかった。1曲目にして代表曲の「Room 335」からラストの「 (It Was) Only Yesterday」まで、ギブソンES335の最高のトーンが味わえる。
 ラリー・カールトンはさりげに弾いているように聴こえるけれど、めちゃめちゃうまい。何よりES335からこれだけの音色を引き出せるってのは、一種の天才なんじゃないかと思う。とにかく、このアルバムのギターの音色は、未だに色あせることがなく、相変わらずぼくをウットリとさせてくれた。
 シンセサイザーの音などに70年代を感じさせるところもあるけれど、全編に響き渡るパワフルにして軽妙なジェフ・ポーカロのドラムも素晴らしい。

 久しぶりに「夜の彷徨」を聴いてみて、気付いたことがひとつあった。それは、同じ時期にギター少年の必須アルバムだったジェフ・ベックの「Blow by Blow」と作り方がよく似ているということ。

Blow by BlowBlow by Blow
Jeff Beck


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 軽快に始まる1曲目の「You Know What I Mean」と「Room 335」。どこまでもアグレッシブに超速で攻め続ける「Scatterbrain」と「Point It Up」。ラスト前の1曲にして、同じくブギの「Freeway Jam」と「Don't Give It Up」。そして、最後が泣きのバラード「Diamond Dust」と「(It Was) Only Yesterday」で終わるのも同じだ。

 ちなみに、先にリリースされたのは、ジェフ・ベックの「Blow by Blow」である。ひよっとしたら、ラリー・カールトンは「Blow by Blow」をよく聴いていて、ソロアルバムを作る時にかなり意識したのではないだろうか?「夜の彷徨」はボーカル入りの曲が2曲あって、完全なギターインストのアルバムとはいえないが、ついついそんな想像をしてしまった。

 最後にラリー・カールトンといえば、とにかくこれ。最近ではギブソンのカスタムショップから、ラリー・カールトン・モデルが発売されている。

Custom Shop LARRY CARLTON ES-335

 ぼくはES335のシェイプが大好きだし、セミアコのギターにも興味はある。でも、ES335にはラリー・カールトンやリー・リトナーといったジャズ系のテクニシャンが、華麗に弾きこなすギターというイメージがあって、どうにも敷居が高い。
 そういえば「野村ギター商会」の中で、野村のヨッちゃんも同じようなことを言っていて、激しく同感したことがあった。ホントはチャック・ベリーやB.B.キング、さらにはクラプトン、キース・リチャードなんかも愛用しているから、ES335は決してジャズギターではなく、ロックロールギター、ブルースギターでもあるのだが、高校時代の思い込みってのは意外に尾を引くものだ。

| ジャズの名盤 | 18:39 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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秋の夜長にマイルスを

 10日ほど前に「今年の北海道は秋になっても暖かい」というようなことを書いたけれど、やはり季節は確実に冬に向かっている。あれから、最低気温が確実に10℃を切るようになり、朝晩にはストーブが欠かせなくなった。
 ぼくにとって秋の音楽といえば、ジャズだ。トランペットやサックスという管楽器は秋の空気感によく似合うと思う。
'Round About Midnight'Round About Midnight
Miles Davis


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 昨晩、久しぶりにCDラックから引っ張り出して聴いたのは、マイルス・デイビスの「Round About Midnight」だ。
 マイルスがコロンビアレコードへ移籍し、最初にリリースした「Round About Midnight」は、1曲目に入っている同名のタイトル曲があまりにも有名。しかし、ある程度キャリアを重ねたマイルス好きにとっては、この曲を「好きだ」ということは「ビートルズは『イエスタディ』が良いねえ」というのと同じ様なもの。だから、ぼくにとっては名盤にも関わらず、聴くことの少ない1枚になってしまった。

 でも、久しぶりに大音量で「Round About Midnight」を聴くと「やっぱ、名曲だなあ」と思う。
 曲はマイルスのとても繊細で、少しふれただけで壊れそうなミュートトランペットのソロから始まる。しかし、その繊細な世界は「ダッダ、ダッダー、ダアダアーダン」のブリッジ部分で容赦なくぶち壊され、ジョン・コルトレーンの硬質で無愛想なサックスソロへと移っていく。ブリッジを挟んでのマイルスとコルトレーンのトーン違い、対比が素晴らしい。聴く前から分かっちゃいるが、この展開、お見事というしかない。

 その他にも「All of You」「Bye Bye Blackbird」「Dear Old Stockholm」と名曲揃いの「Round About Midnight」は、ジャズを聴き始めたばかりの人にも安心しておすすめできる1枚だが、意外にも深い内容を持ったアルバム。
 いずれにせよ、「Round About Midnight」の「ダッダ、ダッダー、ダアダアーダン」からマイルス怒涛のコロンビア時代が始まったわけで、記念碑的アルバムとしても貴重な1枚だ。

マイルスを聴け!〈Version 7〉マイルスを聴け!〈Version 7〉
中山 康樹


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 ついでにマイルスに関する本の紹介も。
 ほぼ2年に1回改訂され、今回の発売で「Version 7」になる「マイルスを聴け!」。この本の特徴はブートレッグ、すなわち海賊盤をオフィシャル盤と同等に扱い、レビューを書いてあることだ。

 このところ、頻繁に発売されるマイルスのブートを含んで改訂されるので、本は厚くなるばかり。手持ちの「マイルスを聴け!」を見てみると「2001」は488ページ、「Version 6」は805ページ。そして、今回の「Version 7」は975ページになった。次回は遂に千ページ越えだな、この文庫本。ここまできたら、上下二巻に分けるようなことせず、文庫本の厚さのギネス記録に挑戦していただきたいものだ。

 内容のほうはブートを含め、マイルスの入手可能なアルバム473枚を網羅。レビューの内容を含めて、とても濃い本なので、マニア向けの一冊かもしれない。でも、そのページ数と分厚さに圧倒されなければ、マイルスを聴き始めたばかりの人にとっても、絶好のガイドブックになると思う。

| ジャズの名盤 | 11:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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たまにはこんな音が聴きたくなる夜もある

The Melody At Night, With YouThe Melody At Night, With You
Keith Jarrett


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 ここんとこ「ストーンズ、ストーンズ」と騒ぎたて、やかましいロックンロールばかり聴いていた。その反動か、ブックオフの棚で見つけて何も考えずに買ったのが、キース・ジャレットのアルバム。「The Melody At Night, With Youとはベタなタイトルやね」と思いながら、家に帰って聴いてみると、スローテンポなスタンダードナンバーを一人で素直に弾きましたという感じで、さらりとした音だった。

 以前に紹介した「ケルン・コンサート」が、あふれ出るメロディーの泉だとしたら、このアルバムは軒先から静かに滴り落ちる雨粒のようで、キース・ジャレットらしい高いテンションを伴った音の流れは感じられない。
 調べてみると「The Melody At Night, With You」は病気でしばらく活動を停止していたキース・ジャレットが1999年にリリースした復帰作で、自宅のスタジオで録音されたらしい。
 だから、リハビリアルバム、指ならしのためのアルバムといえるのかもしれないけれど、ピアノの音のひとつひとつが、ロックンロールで乾いた気持ちに染みてくる。たまにはこんな音が聴きたくなる夜もある。

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仕事の時に頼りになる1枚「LIVE IN PARIS」

ライヴ・イン・パリライヴ・イン・パリ
アンソニー・ウィルソン マイケル・ブレッカー ジョン・クレイトン


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 夏の終わりから、ちょっと大き目の仕事をしている。隣町で取材をして、合計で2万字以上を書くのだが、〆切は今月末。残りはあと20日なのに、なかなか文章を書こうという気持ちに火がつかない。毎度のことながら、ある程度追い込まれないとエンジンがかからないのだ。
 書く気にならないと仕事が進まない、パソコンの前に座ってキーボードを打てば事務的に進む仕事ではないのが、ライターという仕事の厄介なところ。経験的に書き出しと終わりさえ決まれば、なんとかなるのは分かっている。でも、すんなり出だしの文章が頭から湧き出すケースは少ない。そこでCDを聴いたり、DVDを見たり、散歩したり、こうしてBlogを書いたりして考える。いや、考えるふりをする。
 そして、無駄な時間をつぶしているうちに、どう考えても今日から書き出さないと〆切に間に合わない日がやってくる。追い込まれて、ようやく重い腰を上げると、何とか書き出せるから不思議だ。火事場の馬鹿力というやつかもしれない。

 前置きが長くなったけれど、〆切が迫ってきて原稿を書き出す時に、いつもBGMとして繰り返し聴いているのがダイアナ・クラールの「ライブ・イン・パリ」だ。
 理由は分からないけれど、これを聴きながらディスプレイに向かうと、なぜか書き出せる、煮詰まった文章にも出口が見えてくる。もはや、おまじないの1枚であり、仕事の時に最も頼りにしている1枚だ。
 ダイアナ・クラールを聴き始めたきっかけは、ネットで「エルビス・コステロ、美人ジャズシンガーと結婚」というニュースを見たこと。「あの辛口のコステロのおっさんが結婚するジャズシンガーって、どんなんやろ」という興味本位で「ライブ・イン・パリ」を買ったのだが、オーソドックスな選曲と手堅いバックのプレイ、少しけだるダイアナ・クラールのボーカルで、すぐにお気に入りの1枚になった。

 でも、ぼくにとって「ライブ・イン・パリ」はBGM以上ではない。大事なアルバムなのに、今では仕事の時以外に聴くことはない。このアルバムは抜群に心地良く、仕事が進む。CDのトレイにのせる回数も多いけれど、真剣に聴くには何かが欠けている。ジャズのフォーマットを借りたポップソングのような気がする。それは決して悪口ではなく、ポップスのようにサラリと聞き流せる感覚こそが、ダイアナ・クラールの魅力なのだと思っている。

 ちなみに、ダイアナ・クラールのニューアルバムは「Christmas Songs」
 タイトル通りに、すべてがクリスマス・ソングのカバー。多分、これは買わないと思うけれど、やっぱりダイアナ・クラールは良くも悪くもポップなジャズだ。

| ジャズの名盤 | 14:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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