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4月19日を「レコード屋さんの日」に

 昨日、4月19日を「レコード屋さんの日−RECORD STORE DAY」に制定しようという世界的な動きがあるようだ。
 どうして、4月19日が「レコード屋さんの日」にふさわしいのか、よく分からないけど、既に英語の公式サイトがあって、そこにはポール・マッカートニーやブルース・スプリングスティーンからのコメントが寄せられている。
 こんな記念日を制定しようしている背景には、日本だけではなく、アメリカやイギリスでも、レコード店の閉店が相次いでいるという事情があるようだ。

 ぼくの住んでいる街でも、2年前に大きめのレコード店が閉店してしまって、CDや楽器を扱っているお店は一軒しかない。そこはおじさんとおばさんが家族でやっているような小さな店で、品揃えは演歌が主力。だから、日常生活の中では、お店でCDを見ながら買えなくなってしまった。
 2000年あたりから、ぼくはCDの主な購入先をネット通販にシフトさせていたので、大きめのレコード店が閉店した時も「アマゾンがあるから、関係ないや」と思っていた。少々マニアックなCDでも簡単に手に入り、お店まで行かなくても家に届いて、さらに値段も安いネット通販はあまりに魅力的だったからだ。

 ネットからダウンロードして、MP3プレイヤーで聴くことが主流になっても、ぼくのようにレコードで育った世代は、CDという現物を手元に置いておきたい思っているはずだ。レコード店の衰退をネットや携帯からダウンロードが原因とする意見が目立つけれど、消費者がCDの主な購入先をネット通販に変えてしまったことも、レコード店の衰退の大きな原因のひとつではないだろうか。

 歴史を振り返れば、音楽は記録するメディアの影響を大きく受けてきた。
 例えば、1950年前後に収録時間の短いSP盤が長時間再生可能なLPレコードに切り替わっていった時、音楽の表現の幅が一気に広がった。マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」などはLPレコードの普及なしには存在できなかったジャズの名盤だろう。
 さらに、ビートルズも様々なテクノロジーやレコーディング技術、記録メディアの進歩と共に成長し、音楽スタイルを大きく変えていったグループだ。

 そして、1982年にCDが登場する。
 メーカー側に早くCDを普及させたいという思惑があったとはいえ、わずか4年後の1986年にはCDの販売枚数がレコードを追い抜いてしまった。これはネットからのダウンロード販売の売り上げ高がCDを上回った現在の状況と同じ。つまり、歴史は繰り返すのだ。
 しかし、ダウンロード販売には実店舗が必要ない。そのために、音楽産業の構造が大きく変わってしまうことが問題なのだろう。


 ぼくは1960年代生れなので、レコードの全盛期とCDへと急激に移り変わった時代をよく知っている。さらに、インターネットというメディアとも創成期のころから付き合ってきた。
 そんな中で実感しているのは、音楽を記録するメディアが小さくお手軽になるたびに、中に入っている音楽自体も小さくなって、鑑賞する音楽から消費される音楽に変わっていったことだ。

 たとえば、LPレコードの時代はレコードを聴くという行為が儀式的ですらあった。その儀式はレコードを買う時点から始まっていた。
 少ないおこずかいを貯めて、レコード店に行って「これだ!」という1枚を時間をかけて選ぶ。子どもにとって、決して安くはなかったLPレコードを買う時には、ハズレを選ぶことは許されなかったのだ。

 そして、慎重に選んだLPレコードを大事に抱えて、家に戻り、レコードプレイヤーに乗せる。
 この時も、今のCDプレイヤーのようにボタンを押すだけとはいかず、レコードの上に針を慎重に置かなければならかった。さらに、A面が終わると、一度立ち上がってレコードをB面にひっくり返すという儀式もあった。
 レコードが回って、スピーカーから出てくる音には、とにかく集中して耳を傾けた。たとえ買ったレコードが、初めて聴いた時には理解不能で「ハズレだったかな」と感じたとしても、良さが分かるまで無理をして何度も聴いた。「レコードが擦り切れるまで聴く」という表現は決してオーバーではなく、実際にそれに近い聴き方をしていたのだ。

 とにかく、レコードをかける時は純粋に音楽を聴く時間で、大切なレコードを何かをしながらBGMとして聴くことはできなかった。ぼくがここで紹介している名盤の数々も、そうしたレコードの時代に初めて聴いたものが多い。そして、レビューを書きながら「レコードで聴いてたものは、体への浸透力が違うな」と感じている。

 でも、ぼくはレコードの時代にはもう戻れない。レコードプレイヤーを買ってみようかなと思ったことはあったけれど、今は生活の中にあの儀式を繰り返す余裕はなく、お気楽に聴けるCDばかりが増えていく。そのCDですら、今や時代遅れになろうとしてのに・・・・。

僕の音盤青春記 1971-1976僕の音盤青春記 1971-1976
牧野 良幸


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 最近読んだ「僕の音盤青春記 1971-1976」の作者の牧野良幸氏は、ぼくより4歳年上のようだが、レコードを聴くことが特別な行為だった時代の少年の気持ちが鮮やかに描かれている一冊だと思う。


 そういえば「RECORD STORE DAY」のHPで、一番最初にコメントが紹介されているポール・マッカートニーが、現在契約しているレコード会社はビートルズ以来所属していたイギリスのEMIではなく、スターバックスが設立したレコードレーベル「Hear Music」だ。
 そして、ポールの最も新しいアルバム「Memory Almost Full」は、従来のレコード店だけではなく、全世界のスターバックスの店舗でも販売されている。さらに「iTunes Music Store」では、1970年から現在までに発表されたポールのソロアルバム前25枚分の音源が、ダウンロード購入することが可能だという。

Memory Almost FullMemory Almost Full
Paul McCartney


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 ポールのような大物アーチストですら、レコード店以外の場所にCDの販路を求め、すべてのソロアルバムを「iTunes Music Store」でダウンロード販売する時代である。この先もレコード店、CDショップの衰退には歯止めが利かないかもしれない。

 でも、自分の街からレコード店が消えるということは、文化の発信地のひとつが消えることに等しい。CDのジャケットを手にとって見ながら買うという行為は、ぼくの日常生活の中の楽しみのひとつだったし、店で初めて出会った音楽もあった。
 困ったことに、この手の普通の楽しみの大切さは、失ってみて初めて分かることなのだ。

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| BEATな話題 | 18:30 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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昭和の時代の全日本プロレスとロック

 最近、ネット上の楽しみのひとつに、昔の全日本プロレスを見ることがある。Gyoの「昭和TV」で全日本プロレスの懐かしの名勝負が月替りで公開されているのだ。
 ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、天龍といった日本人レスラーに加えて、デストロイヤー、ハーリー・レイス、ミル・マスカラス、リック・フレアーといった豪華外人レスラーも登場して、子どもの頃からプロレスを見ていた者にとっては、たまらない試合が続くのだ。
 ちなみに、今月のライナップはジャンボ鶴田VSリック・マーテル、鶴田・天龍VSハンセン・ブロディー、谷津嘉章VSタイガーマスク、ラッシャー木村VSジャイアント馬場、ドリー・ファンクJRVSドン・レオ・ジョナサンの5本。ねっ、よく知られた名勝負から通好みの隠れた好カードまでが揃っていて、たまんないでしょ。

 「昭和TV」で見られるの試合がテレビで流れていた頃、ぼくは新日本プロレスのほうが好きで、熱狂的な猪木信者だった。だから、ぼくにとって金曜夜8時は「ワールドプロレス」の時間で「金八先生」も「太陽にほえろ」も見た記憶がない。
 そして、プロレスの話になると、必ず「馬場と猪木、どちらが強くて、どっちが好きか」という展開になって、ある意味で好対照だった両団体のプロレス、試合内容はファンの議論の的でもあった。こうして思い返して見ると、あの頃は子どもだけではなく、大人もプロレスに対してピュアな時代だった。

 殺伐としたムードに陥ることも多かった新日本プロレスに比べて、全日本プロレスの会場には、どこかほのぼのとしたムードが漂っていた。当時はその緩んだ空気感があまり好きではなかったのだが、今ではそれこそが全日本プロレスの魅力ではなかったのかと思える。
 今のプロレスに比べると、技の数も少なく、動きにも派手さはないが、パソコンで見る全日本プロレスの試合からは、あの時代にしか出しえなかった懐かしくも新鮮な匂いが漂ってくる。これは単なるノスタルジーなのかもしれない。でも、プロレスに一時期ほどの人気と勢いがない今だからこそ、昭和の全日本プロレスが輝いて見える気もする。

 基本的に「昭和TV」ではテレビで放映された試合のVTRを流しているのだろうが、レスラーの入場シーンだけ音声が出なくなり、無音になる場合がある。おそらく著作権の関係で、入場テーマ曲が流れているシーンの音声を聞かせることができないのだと思う。
 これはとても残念なだけど、当時は各レスラーにイメージにピッタリのロックが入場テーマ曲として使われることも多く、そこから火がついて、ヒットする場合もあったほどだ。

 たとえば、これ。イギリスのバンド、ジグソーの「スカイハイ」。



 もともとは映画の主題曲として作られたものだが、メキシコのマスクマン、別名「千の顔を持つ男」のミル・マスカラスの入場曲に使われるようになって、一気に有名な曲になった。

 次はピンク・フロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐」。

 

 ロジャー・ウオーターズのベースによるイントロが印象的なインスト曲だが、アブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲として使われるようになってから、日本独自の企画でシングルカットもされたほどだ。
 「吹けよ風、呼べよ嵐」のイントロは、まさにブッチャーのイメージにぴったりで、この曲をテーマ曲に選んだ人は、かなりのセンスでロックのことをよーく知っていると思う。
 ちなみに原題は「One of These Days」で、ちっとも「吹けよ風、呼べよ嵐」ではないところもステキだ。

MeddleMeddle
Pink Floyd


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 冒頭に「吹けよ風、呼べよ嵐」が収録されているピンク・フロイドのアルバム「Meddle」は邦題を「おせっかい」といい、ラストの20分以上にも及ぶ「Echoes」はプログレ屈指の名曲で、今聴いても斬新な展開にゾクゾクする。

 最後はテリー・ファンクとドリー・ファンクJRの兄弟コンビ、ファンクスのテーマ曲だった「スピニング・トーホールド」。



 ファンクスの必殺技の名前がタイトルで、曲を作る段階から彼らを意識したと思われる1曲。
 切れ味が良くって、かっこいいリフ(ぼくはもギターの練習のウオーミングアップで、未だに弾いてしまう)は、相手の足をつかんでクルクル回って締め上げる技のイメージにピッタリで、まさに「スピニング・トーホールド」だ。

 そのクリエイションが4月に開催される「ROCK LEGENDS」という2日間のライブに登場する。
 4月19日がクリエイションと四人囃子との競演、20日はソロ・デビュー前にチャーが所属していたバンド、スモーキー・メディスンの単独ライブとなっているが、70年代の日本ロック聴いていた人にはたまらないメンツですなあ、こりゃあ。

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謹賀新年

 新年あけましておめでとうございます。
 本年も「BEATな日々」をよろしくお願いいたします。

2008年年賀状

 これが2008年の初エントリーになりますが、皆さんはどんなお正月を過ごしましたか?
 ぼくは大晦日の晩に長時間の格闘技イベント(カード的には派手さはなかったけれど、試合のクオリティでいうと、これままで一番だったかも)を見て、そのまま日本酒を飲みながら、新年に突入。
 久しぶりの日本酒を飲みすぎたせいか、元旦の朝は軽い二日酔い。とりあえず、家族で雑煮を食べてから、再び布団へ。昼過ぎに起きて、テレビや年賀状などを見ながら、ダラダラと過ごした。2日は少し雪が降ったので、外に出て雪かきをしたけれど、あとは家でゴロゴロとしていた。まあ、ある意味、正しいお正月の過ごし方かもしれない。

 そして、昨日は家族で買い物へ。子どもたちはお年玉でおもちゃや本を買い、ぼくはその隙をみて、いつものリサイクルショップ巡りで、ギターやアンプ、エフェクターを見て回ったが、残念ながら掘り出し物はなし。新年初ゲットとはいかなかった。
 既に充分な数のギターがあるのにも関わらず「何か、えーもんないかなあ」と探してしまうクセは、今年も続きそうだ。


 そして、本屋に行ったついで、暮れに買いそびれていたプレイヤーの2月号を手に入れた。表紙はレッド・ツェッペリンで、巻頭の特集もZEPのインタビューと再結成ライブのリポートだ。

Player (プレイヤー) 2008年 02月号 [雑誌]Player (プレイヤー) 2008年 02月号 [雑誌]


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 表紙の写真はネット上で何度か見たけれど、大きく鮮明に印刷されたものからは「やっぱ、ZEPも初老のおじさんグループだよなあ」という印象を受ける。
 ノッポさん化が加速したかのように見える白髪のジミー・ペイジは63歳。ジョン・ポール・ジョーンズも61歳。一番年下で、昔は金髪の王子様、今はテリー・ゴディのロバート・プラントが59歳なんだから、当然といえば当然だけど、あのパワフルな再結成のステージからは、ちょっと想像できない容姿だ。良い意味でのギャップがある。これが新生ZEPの特徴といえるかもしれない。

 ちなみにプレイヤーに掲載されていたインタビューで、最後に投げかけられた「ヨーロッパ中でツアーをやってくれるよう願っています」という問いかけに、ジミ・ペイジは「そうだね」とあっさり肯定、ジョン・ポール・ジョーンズは「考えておくよ(笑)」と否定はせず。
 今年の前半にはワールドツアー決定のニュースが聞けることを、ぼくも願っている。

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| BEATな話題 | 16:54 | comments:14 | trackbacks:0 | TOP↑

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あの人たちは45歳の時に、何をしていたか?

 今月の誕生日で45歳になった。
 まあ、この歳になると、誕生日は特別な日ではないし、大してめでたくもない。でも、ジョン・レノンと2日違いの誕生日で、同じ星座。さらに同じ血液型なのが、ぼくの密かな自慢だったりもする。
 今回のエントリーでは、好きなミュージシャンがぼくと同じ45歳の頃に、何をしていたのかを探ってみようと思う。

Knocked Out LoadedKnocked Out Loaded
Bob Dylan


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 まず、1941年5月24日生れのボブ・ディランから。
 ボブが45歳の86年にリリースした「Knocked Out Loaded」は、彼の長ーい歴史の中でも、最もかっこ悪いジャケットのアルバムだ。ボブはジャケットのデザインに無頓着な人だが「よくぞ、こんなイラストをジャケットにしたもんだ。あんた、売る気あんのか?」と思うほどに、ダサい。
 意外にも「Knocked Out Loaded」の中身はジャケットほどは悪くなったりするが、まとまりに欠けるし、何となくリリースしたなという印象はぬぐい切れない。ボブのアルバムの中でも、最後のほうに聴くべき1枚だろうなあ、これは。
 45歳のボブ・ディラン、何かと迷いの多い時期だったのだろう。

Press to PlayPress to Play
Paul McCartney


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 ポール・マッカートニーは1942年6月18日生まれ。
  1986年にリリースされた「Press to Play」は全米チャートで30位と、この時期のポールにしては、まったくヒットしなかったアルバムといえるだろう。そのせいか、アマゾンでも中古しか買えない状態なっている。
 このアルバム、リアルタイムで聴いた記憶(おそらくレンタルして、テープに落とした)はあるけれど、手元にアルバムはなし。曲名を見渡しても、覚えているのは「Press」くらいだ。やはり、ポールもある種の曲がり角にさしかかった時期といえるだろうか。

Primitive CoolPrimitive Cool
Mick Jagger


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 1943年7月26日生れのミック・ジャガー(AB型だって!なんとなく、うなずける)の45歳前後のアルバムは「Primitive Cool」だ。このアルバムをリリースした後の1988年に、ミックは単独で来日公演を行った。
 今でこそ、ぼくはミックを高く評価しているけど、このアルバムがリリースされた頃は「Let's Workなんて、唄っているなら、ストーンズを再開してくれよ」と怒り、思わせぶりな「Party Doll」の歌詞に「ひょっとして、ストーンズは解散するのではないか」と本気で心配をした。
 でも、改めて聴きなおすとアルバム自体は良い出来で、特に1曲目の「Throwaway」は「どうして、今度のベスト盤に入れなかったの」と思うくらいの名曲だ。

 ご存知のとおり、ミックとキースはこの直後に和解。1990年にはストーンズとして初の来日公演を行った。すべてを1人で背負うソロのステージは、ミックにとっては広すぎたのだろうか。「Primitive Cool」もミックの転換期のアルバムといえるかもしれない。
 
Talk Is CheapTalk Is Cheap
Keith Richards


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 ちなみにキース・リチャーズの45歳のアルバムは、これ。未だによく聴く問答無用の名盤だ。
 ミックのソロに対抗してのリリースとはいえ、このアルバムをきっかけにして、キースの音楽性はこれまでにない広がりをみせるようになった。ミックと同じく、転換期のアルバムといえるだろう。


 こうして好きなミュージシャンの45歳を見てくると、色々な意味で転換期を迎えている場合が多い。「45歳ってのは、そろそろ成熟期に入る頃なのかなあ」と思っていると、まったくそうではない人がいた。マイルス・ディビスだ。

On the CornerOn the Corner
Miles Davis


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 このアルバムは1972年にレコーディングされたものなので、正確にはマイルスが46歳の時の作品になるけれど、未だに聴くたびに発見のある名盤だ。
 ただ、このアルバムはどこがどういう風に良いのかを説明するのがとても難しくて、いわゆるフツーのジャズのつもりで聴くと、大きくずっこけるはずだ。おそらく、ヒップホップやクラブミュージックを聴きなれた若い人のほうが、その良さをすんなりと理解できだろう。
 実は、ぼくも「On the Corner」を買った当初は、その良さがまったく理解できなかった。しかし、意地になって聴いているうちに、リズムのうねりが気持ち良くなり、音数は極端に少ないが、のたうちまわるリズムを調教するかのように吹き付けられるマイルスのトランペットのすごさが分かるようになってきた。

 生涯を通して、常に前進を続けたマイルスだが、そのキャリアの中で最も過激で異端のアルバムを46歳で作っていたのは「やっぱ、すごい人だな」と言うしかない。
 しかも、そんな異端のアルバムが年を追うごとに評価され、ジャズとは無縁の若いリスナーから絶大な指示を受けている点も、こりゃまたすごいことだと思う。

Complete On the Corner SessionsComplete On the Corner Sessions
Miles Davis


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 そんな「On the Corner」の未発表音源を収録した6枚組みのボックスセットが11月に発売される。Sony Legacyからリリースされるマイルスのボックスセットにはハズレも多いのだが、今回のはどうだろう。

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| BEATな話題 | 15:54 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

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小ネタをどうぞ

 今回は前回、前々回のエントリーのフォローを含めた小ネタをいくつか紹介。

●現在のパティ・ボイド
 
 このページで現在のパティ・ボイドの写真が見られる。

 今のパティは、昔の面影を残したキュートな初老の女性という感じかなあ。
 写真の下の「Read more...」の下のリンクには、ビデオインタビューもあるけれど、さすがにカメラが近寄ると、小じわが目立つような・・・・。

●CDで聴くアンプ・ブック

ギター・マガジン・CDで聴くアンプ・ブックギター・マガジン・CDで聴くアンプ・ブック


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 前のエントリーで家で使えそうな小さなアンプに的をしぼったムック「The Small Amplefier Book」を紹介したけれど、引き続いて「CDで聴くアンプ・ブック」というムックが発行された。この本のウリは、各アンプの音がCDで実際に聴けるということだろう。

 CDに音源が収録されているアンプはフェンダー、マーシャル、メサブギーといった有名どころから、BAD CAT、MATCHLESSといった高級アンプまで、38種類と多種多彩。「スタジオと家とじゃアンプの鳴りが違うだろう」とも思うけれど、各メーカーのトーンの傾向やセッティングのコツを知る意味では、役立つ一冊かもしれない。

●この店で一番高いギターを弾かせてくれ!

 ニフティーが運営している「Human Music Community」の中で見つけた「この店で一番高いギターを弾かせてくれ!」が面白い。
 タイトルのとおりに、全国の楽器店を訪ねて、その店で一番高いギターを弾かせてもらうという企画。59年のレスポールだろうが、ビンテージのストラトだろうが、弾く曲は「スモーク・オン・ザ・ウォーター」ってのが良い。短いながらも動画があって「ふーん、あのギター、こんな音がするのかあ」というのも分かる。

 同じサイト内にある「わかば対談−はじめての、佐野元春。」も素晴らしい内容。
 高校1年生の女の子に対して、同じ目線から真摯に答える佐野さん、ステキです。

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| BEATな話題 | 18:23 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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この夏に買った、ロックなTシャツ

 お盆休み入った途端に、北海道でも連日厳しい暑さが続いている。本州の方からすると「北海道の暑さなんて、大したことないでしょ」と思われるかもしれないけれど、さすがにこっちでも30℃を越えるとつらいものがある。
 ぼくは大阪の生まれなので、暑さには強いつもりだったが、北海道に来て10年以上も経つと体質が寒冷地仕様に変わったらしく、ここ数日は昼間に外出したくないし、家の中も暑くてエレキギターさえ弾く気になれないのだ。
 でも、北海道の場合、例年お盆が過ぎると、急に秋の気配が濃厚になってくる。短い夏を積極的に楽しまなければと、今日は昼から夏休み中の息子と海に行ってくるつもりだ。

 そんな暑い夏の定番の服といえば、Tシャツ。
 今年はロックな絵柄のTシャツが流行だったらしく、街のジーンズショップには「これ、ええやん」と感じるのモノが並んでいた。そして、夏のバーゲンで半額になったのを見計らって、何枚かのロックなTシャツをまとめ買いした。

Rolling Stones Established 1962

 最初は「Rolling Stones Established 1962」の文字がプリントされたTシャツ。「ローリングストーンズは1962年に創立された」という意味だが、1962年はぼくが生まれた年でもあり、お気に入りのマークだ。

千代紙のベロマーク

 次は和風のストーンTシャツを2点。
 これはベロマークが千代紙風になっていて、なかなかステキな1枚。

富士山と波とストーンズ

 富士山と波とベロマーク、意外にしっくりとくるから不思議。
 この和風ストーンズのTシャツは「ひよっとしてバチモン?」と思ったが、BUDDYZというメーカーが作った正規のライセンス品だった。

レッド・ツェッペリンのTシャツ

 ストーンズ以外で買ったのが、スワン・ソングのロゴマークが入ったレッド・ツェッペリンのTシャツ。1977年のアメリカツアーのTシャツのレプリカだろうか。

リターン・トウ・フォーエバー

 最後はロックなTシャツではなく、ジャズなTシャツだが、あまりに有名なチック・コリアの「リターン・トウ・フォーエバー」のジャケットがプリントされている。
 これはユニクロ製でECMレコードとのコラボレーションで作られたものだ。

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| BEATな話題 | 13:26 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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追悼 成毛滋さん

 3月29日、ギタリストの成毛滋さんがお亡くなりになった。
 毎日新聞の記事はこちら。 

 成毛滋と聞いても、今の若い人たちにはピンとこないだろう。でも、ぼくたちの年代、つまり40〜50代のギター好きには忘れられない名前だと思う。
 1970年代、グレコのギターを買うと「グレコ・ロックギター・メソッド」という赤い教則本とカセットテープが付いてきた。このテープでグレコのレスポールモデルを弾き、先生役として登場していたのが、成毛滋さんだ。

 昔のギターキッズはこの教則セットで8ビートピッキングやチョーキングを覚え、ZEPの「Whole Lotta Love」やバニラファッジの「You Keep Me Hanging On」のリフが弾けるようになって、エレキギターの面白さにどっぷりはまっていった。
 まだ、情報が少なく、ギターの教則本といっても「ドレミの弾き方を覚えましょう」なんて調子で始まるものが多かった時代に、カセットテープ付きの「グレコ・ロックギター・メソッド」は実に画期的なエレキギターの教科書だった。
 
 ただ、成毛滋さんはメジャーな音楽生活を歩んだとは言い難く、正式にレコーディングされた音源は数少ない。ぼくたちも成毛滋さんがどんなバンドで活動しているのかは、よく知らなかったが、「グレコ・ロックギター・メソッド」はみんなが持っていた。だから、親しみと尊敬を込めて「成毛先生」と呼んでいたと思う。
 あの「グレコ・ロックギター・メソッド」は、エレキギターを始めた友人にあげてしまったので、今はもう手元にはない。でも、ぼくのエレキギターの第一歩は、まちがいなくあの1本のカセットテープから始まった。

 さらに、成毛滋さんのすごいところは、1969年のウッドストックコンサートを現場で体験しているということ。
 おそらく、あの大観衆の中に日本人はいたとしても数人だっただろう。そんな本場のコンサートを体験し、実際にミュージシャンの技を目で見て学び、日本に持ち帰って、いち早く紹介していたのが成毛滋さんだったのだ。

 このページを見れば、成毛滋さんというミュージシャンがいかに凄かったのか、よく分かると思うが、あまりに先鋭的過ぎて、日本のロック史の中では正当な評価をされていなかった気がするのが、実に悔やまれる。
 享年60歳、あまり早過ぎる死だった、合掌。

 youtubeを検索してみると、こんな動画を発見した。成毛滋さんというギタリストのすごさの一端がうかがえるムービーだと思う。

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お気に入りのネットラジオ「PANDORA」

 最近、仕事の時のBGMにしているのが「PANDORA」というネットラジオ。このネットラジオの特徴は予め好きなアーチストや曲名を入力すると、似たような曲、関連がありそうな曲をオンエアしてくれること。

 使い方はこちらのサイトを参考にしてもらうとして、試しに「Beatles」と入力してみると、ビートルズも流れてくるが、その他にもクイーンやTHE・WHO、ビーチボーイズ、レッチリなど、何となく関連がありそうなアーチストの曲がチョイスされる。
 どんな仕組みなのかは、よく分からないが、キーワードに関連する選曲がツボをつく時があって、なかなか気持ちの良いネットラジオだ。

 ちなみに「Carole King」と入力すると、リッキー・リー・ジョーンズやクリスティン・マクビー、ボニー・レイットなど、女性のシンガーソングライター系の曲が次々にオンエアされて、とても良い感じ。
 継続して聞くにはメールアドレスを入力する登録が必要だが、今のところお知らせのメールや広告メールは届いていない。登録方法は上でリンクしたサイトを参考に。

 近ごろ、この手のリスナーが選曲にある程度参加できるネットラジオが増えてきたが、こうなると既存のラジオ局の立場は厳しくなるだろう。ぼくはつまんないおしゃべりが邪魔だから民放のFM局を聞くこと滅多にないし、CMのないネットラジオは快適だ。
 これはテレビにもいえることで「Gyo」や「YouTube」に代表されるネットテレビを見慣れてしまうと、時間にしばられる既存のテレビ放送を見るのが面倒になる。クリックすれば、いつでも見たい番組が見られ、かなりマニアックな内容でも配信できるネットテレビはテレビ局にとってはやっかいな存在だろう。
 地デジなどと騒いでいるが「既に時代遅れかも」と思ったりもする。もちろん、既存の放送の存在価値は認めるし、なくなることはないだろうが、インターネットの登場によって、メディアは飛躍的にパーソナルなモノに変化しつつあるようだ。

 街頭テレビの登場から、わずかに50年。いやはや、時代は大変なところまで進んじゃったもんだ。ひょっとしたら、インターネットはパンドラの箱を開けちゃったのかもしれないな。

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遅い目の冬休み

 17日から一週間ほど、ちょっと遅い目の冬休みをとって、新潟に行ってきた。
 妻の里帰りを兼ねた旅行だったが、今回は飛行機で羽田まで飛び、東京経由で新潟入り。大阪生れのぼくは、潜在的に東京への抵抗感があり(「大阪で生れた女」の歌詞のホントの意味は、良くも悪くも大阪人にしか分からないと思う)できるだけ避けていた場所。なんと、山手線に乗るのは20年近くぶりだった。

 しかし、新潟への行き帰りに、東京を半日ほどふらついてみて、人々のマナーの良さに驚いた。昔は冷たい街だと思い込んでいたが、電車やエレベーターの中など、至る所で都会流の気配りがあり「東京も、都市としてソフトケートされたなあ」と、妙に感心してしまった。

 その東京では、真っ先に渋谷の楽器屋に立ち寄り、普段は見られないギターの数々に頭がクラクラ。「気に入ったのがあれば1本」なんて思っていたが、あまりの物量に圧倒されて、的を絞り込めなかった。
 新潟にも「あぽろん」という大きな楽器屋があって、ずらりと並んだギターに、またも頭がクラクラ。何本か試奏させてもらったが、気に入ったのは少々高価であったりして、ギターは買わず。里帰りという名のギターハンティングの旅は、不発に終わったが、色々と買い物はしてきたので、いくつかを紹介してみたい。
 
 まずはZEPのジミーちゃんのフィギュア。SGのダブルネックを弾く、ジミー・ペイジの人形だが、かなりリアルで「ZOSO」と書かれたスピーカーキャビネットが泣かせる。

ジミーペイジ 7インチ アクションフィギュア

 この手のフィギュア、高価なものが多いのだが、これはお手頃な値段。でも、とても良く出来ている。

 ギター関連では、普段は直接見られない細々としたパーツや、半額で売られていたセイモア・ダンカンのピックアップなどを買った。
 その中で、気に入ったのが「Electrosocket」というテレキャス用のジャックプレート。ナットの緩みが解消されるし、ノイズ対策にも多少の効果がありそうだ。なにより、アルミの削り出しのプレートがかっこいい。「オレのテレキャスは目立たないところにも気を配ってんだぞ」という自己満足度が高いパーツだ。

 ただし、ネジ穴はインチサイズ。国産のテレキャスターの場合は、スイッチクラフトのジャックなどに換装する必要がある。

| BEATな話題 | 20:29 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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朝から、Fried Prideと押尾コータローにぶっ飛んだ!

 ローカルな話題で申し訳ないが、北海道だけで見られるテレビ番組に「夢チカ」というのがある。毎回、道内のライブ情報や公演が近いアーチストがゲストで出演する30分の深夜番組だ。22日の深夜、ZEP札幌で行われた番組主催のライブが特別番組として放映され、ぼくの大好きなFried Prideが出演するというので、PCで録画しておいた。

 今朝、起きてコーヒーをすすりながらメールをチェックした後、何気なしに見始めたのだが、この番組がすごかった。1時間半の番組枠のほとんどがFried Prideと押尾コータローのライブで占められていたのだが、寝ぼけた頭が一気にシャキンとするほど、彼らのプレイにぶっ飛んでしまった。

 まず、Fried Pride。ギターの横田明紀男と女性ボーカルのshihoの2人のジャズユニットだ。デビューアルバムでいきなり「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」をカバーし、以後もジャズという枠には収まりにきらないカバー曲を連発。
 ぼくは、FMで放送されていたライブ番組をたまたま聴いて、横田明紀男の凄腕のギターとshihoの声にノックアウトされて以来、毎年リリースされるアルバムを買い続けている。
ミュージックリームミュージックリーム
Fried Pride


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 しかし、今年の6月に発売された「ミュージックリーム」はまだ聴いていなかった。初の日本語カバー曲が何曲か入っていて、少々違和感があったからだ。でも、今回のライブ番組を見て、それが大きな誤解であることに気がついた。井上陽水の「リバーサイド・ホテル」もゴスペラーズの「永遠に」も、実に素晴らしかった。
 横田明紀男のギターは相変わらずのけぞるほど凄いが、shihoの歌声にさらに磨きがかかっているのにも驚いた。あわてて「ミュージックリーム」をオーダーしたが、彼らのライブ、ぜひ生で見てみたい。

 さらに驚いて、のけぞっちゃったのは、押尾コータローのギターだ。
 もちろん、名前くらいは聞いたことがあって、超絶のアコースティックギタリストという評判も知っていた。でも、実際にそのライブを目にしたのは初めてだった。

 アコギ1本で登場して、コードカッティングだけで、客をノリノリにさせてしまうのも、すごいことだが、ぼくが驚いたのはスローな「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」。アコギがメローディを奏でるだけではなく、ベースにも、打楽器にもなって、とても一人で弾いているとは思えないのだ。

 「youtube」にPVの動画あったのでご覧いただきたいが、ある意味でごまかしの効かないスローな曲で披露されるテクニックは、まさに超絶!

 でも、単にギターの腕前を見せつけているのではなく、必要な音を出すためのテクニックという必然性が感じられるし、たとえ手元が見えなくても、曲としてしみじみ聴かせるところがすごいと思う。この人、アコギ界のジミヘンではないだろうか。

 それにしても、この「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」のメロディーって、日本人の心の奥底にある琴線を刺激する何かがあるのではないか。ぼくはこのメロディーを聴くたびに、少し切なさを伴う懐かしさを感じる。

 最後になりましたが、メリークリスマス!
 そして、素敵なクリスマスの夜を。
 
 ぼくは今晩放送される「HAPPY Xmas SHOW!」でのCharと鮎川誠との競演が楽しみです。

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