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ボブ・ディランのサングラス

ボブとウェイファーラー ちょっと前のエントリーで紹介した「ローリングストーン日本版」の7月号を読んでいて、長年の疑問が解けた。それは、ボブ・ディランが一番とんがっていた1965年前後にかけていたサングラスについてだ。

 形から推測するに「おそらく、レイバンのウェイファーラーだろうなあ」と思っていたが、ボブのかけているサングラスについて書いてある雑誌の記事などは見たことがない。それに、ボブが身に着けているものをあれこれと気にするようなミーハーなファンも、そんなにはいないのだろう。
 でも、ぼくはボブのあのサングラスが、ずっと気になっていた。できれば、同じものをかけたいと思っていたのだ。

 「ローリングストーン日本版」の7月号の「ロックな顔をつくる」という特集によると、ボブが1965年頃にかけていたサングラスは、やはりレイバンのウェイファーラーだったらしい。
 そして、当時のアメリカでは、太陽がまぶしい場所以外でサングラスをかけるというのは、とんでもなく不遜な行為で、そんなことをするのはまともな奴ではなく、はみだし者と受け取られたとも書いてある。
 でも、ボブはスタジオはもちろんこと、インタビューの席でもサングラスをかけていた。つまり、ボブのサングラスは反抗、反逆の象徴でもあったのだ。

 その頃のスタジオの中での写真を1枚添えてみたが、シャープな顔立ちのボブにウェイファーラーがホントによく似合っていて、実にかっこいい。


レイバン RB2140A 901 「WAYFARER(ウェイファーラー)」

 ぼくはサングラスが好きで、引き出しの中にあるものを数えてみると、10個近くのサングラスがあった。実は、ウェイファーラーも持っていて、買ったのはトム・クルーズ主演の映画「卒業白書」が公開されて、あの形がちょっとしたブームになった頃だと思う。

卒業白書
トム・クルーズ
B00005HC61

 でも、10年前あたりからちょっと時代遅れな気がして、ずっとかけていなかったのだ。しかし、ボブがかけていたのがウェイファーラーと分かった以上、かけねばなるまい。「この夏はウェイファーラーだ!」と、ぼくは心に決めた。
 そう思った途端に、くもり空に時々雨が降るどんよりした天気が続いて、ウェイファーラーの再デビューは、今のところお預けに。別に曇りの日や夜にサングラスをかけていいのだが、なんだか気恥ずかしいのは、ぼくがちっともロックな奴じゃないせいだろうか。

| ボブ・ディラン | 16:20 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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慣れないことは、やるもんじゃない

 恒例、夜のyoutube巡りをしていて、思わず笑っちゃうビデオクリップを発見!



 ボブ・ディランとサンタナが「風に吹かれて」を競演!
 なのだが、この時のボブ、例のサビを観客に唄わせちゃう。しかも、観客が「ディ アンサー イズ マイ フレンド」とコールすれば「オッ、イエイー」とレスポンスし、さらに「イズ ブロウ イン ザ ウインドォ」の時は「オーールライト!」とまで叫んじゃう。
 本来、客にこびるようなこの手のサービスをしない人だけに、どうしてこんなことになっちゃったのか不思議だが、似合わないったらありやしない。そのせいか、サンタナのギター・ソロもどこか外れ気味だ。

 これは1984年のヨーロッパツアーからのビデオだと思うのが、この頃のボブはいわゆる低迷期で、色々と悩んでいたんだろうなあ。「努力は認めるけど、慣れないことはやるもんじゃないよ、ボブ」と声をかけたくなってしまうが、テレながら客とコール&レスポンスをする姿は珍しく、貴重な1本であることはまちがいないだろう。

Real Live [In Europe, 1984]
Bob Dylan
B00000263F

 ちなみに、1984年のツアーはライブアルバムにもなっている。
 ボブのキャリアの中でも目立たないアルバムかもしれないが、これがかなり良い。ボブをサポートするバンドの中に、ミック・ティラーとイアン・マクレガンがいるからだ。ギターとピアノがかつてストーンズを支えたミュージシャン。つまり、半ばストーンズと化したボブが聴けるのだ。
 特に1曲目の「Highway 61 Revisited」と2曲目の「Maggie's Farm」のミック・ティラーのギターとボブのからみは素晴らしく、2つの曲の数あるライブバージョンの中でもベストのテイクではないかと思う。

 しかし、ここでも「It Ain't Me Babe」でボブは客にこびちゃう。なんと、この曲の決めである「ノー、ノー、ノー」の部分を客に歌わせてしまうのだ。微笑ましいとも思えなくはないが、ホントこの時期のボブって色々と悩んでいたんだろうなあ。

ドント・ルック・バックドント・ルック・バック
ボブ・ディラン


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 最後にボブといえば、あの「ドント・ルック・バック」が遂にDVD化される。ぼくは輸入盤のDVDを買って、何度も見たが、やはり日本語字幕が付くのは、ありがたい。
 アマゾンでは完全生産限定盤のデラックス・エディションは既に在庫切れのようだが、髪の毛からつま先まで全身がかっこよくって、ヒップでポップ、そしてパンクな1965年のボブが堪能できる映画だ。

| ボブ・ディラン | 19:13 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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最高のシンガー、ボブ・ディラン

「Dylan」のジャケット

 フォークの神様、最高の詩人、孤高のロックンローラー。ボブ・ディランに付く枕詞は色々とあるが、ぼくは最高の歌手ではないかと思っている。
 ホントはとてつもなく唄がうまいくせに、わざとブレスを多用し、細切れのメロディーにして、聴く者を惑わせ、さらに「このオヤジ、わざと下手に唄ってやがるな」と感じる曲もあるから、さらに混乱は深まる。しかし、聞き込めば聞き込むほどに分かってくるボブの唄のうまさには、脱帽するしかない。

 ぼくにとって最高のシンガー、ボブ・ディランを確かめるために、どうしても聴いておきたいアルバムがあった。1973年にリリースされた、その名も「Dylan」というアルバムだ。
 このアルバムは、アサイラムレコードに移籍することに決めたボブへのCBSからの対抗措置のような1枚。ボブの意向や意思はまったく反映されず、レコード会社が「セルフポートレート」と「新しい朝」のセッションの未発表曲を集めて、勝手に作り上げたアルバムで、全9曲はすべてカバーである。

 ぼくは「Dylan」を単なる中途半端なカバーアルバムと感じ、昔から「最後の最後に聴くアルバムだな」と思っていたので、レコードの時代も、日本のみで「世界初CD化」された時にも買わなかった。
 しかし、実はこのアルバム、現在では絶版状態である。ボブから「あれだけは売ってはならぬ、聴かせてはならぬ」というお達しが出たらしく、いつの間にかラインナップから外され、新品のCDを買うことはできないのだ。
 そのせいか、アマゾンでは中古盤にべらぼーな値段がついている。さすがに、こんな値段で中古CDを買う気にはなれず、入手困難だけに長い間「聴きたい」という想いだけがつのっていた。でも、1週間ほど前に、とあるリサイクルショップで「Dylan」を発見しちゃったのだ。しかも、ここでは書くのがはばかられるほどの値段で!ホント、想い続けていれば、願いはかなうものである。

 ようやく、「Dylan」を手に入れることができてから、毎日のように聴いているのだが、このアルバムは想像していた以上に、素晴らしい。
 1曲目のトラディショナルなフォークソング「Lily Of The West」からは、アメリカ西部の砂埃を含んだ風が吹く。2曲目のエルビス・プレスリーのかの有名な曲の「Can't Help Falling In Love」は、この時期のボブの声の特徴であるツルツル声ではなく、あえてザラザラ声で唄われる。これがまた、たまらなく良い。5曲目の「Mr Bojangles」は、ニッティー・グッリティー・ダート・バンドのバージョンが有名な唄だが、ボブの見事な唄いっぷりはそれを遥かに凌駕するほどだ。
 7曲目のジョニ・ミッチェルの「Big Yellow Taxi」における「トゥー、パッ、パッ、パッ」というかわいすぎる女性コーラスは、ボブにあるじまき行為といえるかもしれない。でも、この曲もたまらなくステキだ。
 
 フツーのボブ・ディラン像にしか興味がない人には、単に好きな唄を適当に唄っているだけにしか聴こえないだろうが、ボブを最高のシンガーと考えている人間にとって「Dylan」はたまらない1枚だ。
 ぼくはこのアルバムを聴いて、ボブが自分の声のトーンを自在に操れることを確信した。でないと、同じ時期に録音した曲にツルツル声とザラザラ声が混在するわけがない。ボブは「あの時期はタバコをやめたから、声がきれいになったんだ」などと煙にまくようなことを言っているが、それはきっとウソである。

 ボブはキャリアの中で、何度もその声質を意識的に変えてきたが、彼にとって声こそが最高の楽器であり、唄うことが最も好きな表現方法なのではないだろうか。しかも、ボブは自分の声のトーンを自由自在にコントールできる。最高のシンガーとは、ボブ・ディランのことである。

| ボブ・ディラン | 18:35 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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みうらじゅんマガジン「ディランがロック」

 少し前に、ボブ・ディランの新作「モダン・タイムス」が届いた。何回か繰り返し聴いているが、相変わらずボブのアルバムは聞き込まないと評価するのが難しい。基本的に前作と同じノリだが、一筋縄ではいかないサウンドというか・・・・。
 ということで「モダン・タイムス」のレビューは横に置いといて、ボブ本の話を。
みうらじゅんマガジン〈vol.01〉みうらじゅんマガジン〈vol.01〉
みうら じゅん


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 みうらじゅん責任編集の「みうらじゅんマガジン」の第一弾として「ディランがロック」が発売された。マンガ「アイデン&ティティ」を読んで、再びボブに目ざめたものとしては「読まねばならんだろ」と買ってみた。
 まず、チョイスされたボブの写真がどれもかっこいい!「さすが、みうらじゅん、分かってらっしゃる」って感じだ。しかし、肝心の中身は対談を除いて、これまで発表されたコラムやエッセイの使いまわし的な部分があって、目新しさはない。でも、その対談がどれも面白い。特に井上陽水との対談は素晴らしい内容。わずか4ページとはいえ、新作の「アイデン&ティティ」があるのもうれしい。

 しかし、この「みうらじゅんマガジン」は次号からの内容はどうなるのだろう。まさか「ゆるキャラ」「仏像」「とんまつり」「崖っぷち」「フェロモン・レコード」「いやげ物」「絵はがき」と続くなんてことはないでしょうね、みうらさん?

| ボブ・ディラン | 21:00 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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5年ぶりにアルバムをリリースするボブ・ディランが

モダン・タイムズモダン・タイムズ
ボブ・ディラン


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 もうすぐ、5年ぶりのニューアルバムが発売されるボブ・ディラン。asahi.comでボブ・ディランについて興味深い記事があった。それによると、ボブは最近のCDの音質に不満があり、今回の「モダン・タイムズ」も「スタジオで聴いてた音の方が数段上だった」といったらしい。
 あまりに短い記事だから詳しいことは分からないけれど、おそらくプロ・トゥールスに代表されるDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)による「デジタル録音が良くないんだ」と言いたいのではないか。

 ついでに、音楽の違法ダウンロードについては「元々の何の価値もないから、問題なーし!」と言い放ったらしく、ある意味すごい。かつて自らの公式サイトで、未発表のライブ音源を惜しげもなく公開していたボブらしいといえばらしいけど・・・・。
 ボブは90年代のインタビューで「コンピュータのことなんか、ちっと分からないよ。触ったこともないし、その気もない」と発言していたのを読んだことがあるので、おそらく違法ダウンロードの実態については、よく分かっていないのではないか。
 その気になれば、ボブの全てのアルバムがインターネットからダウンロードできることを知らないか、そんな話を聞いても「ウソだろ」と思っているような気がする。

 いずれにせよ、デジタルなんかには、まったく無縁そうなボブのニューアルバムが発売されるのはもうすぐ。このところ、過去を振り返るCD、DVD、自伝のリリースが続いただけに、その内容が楽しみだ。
 初回限定版はDVD付きなので、アマゾンへのリンクは国内盤にしたが、もちろん輸入盤もある。でも、付属のDVDは日本向けのリージョンコードではないかもしれない。

| ボブ・ディラン | 22:15 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ようやく発売「 ノー・ディレクション・ホーム」

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホームボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム
ボブ・ディラン, ジョーン・バエズ, リアム・クランシー, マーティン・スコセッシ


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 NHKのBSハイビジョンで放映され、大都市では昨年末にロードショウもされた「ノー・ディレクション・ホーム」のDVDが、6月23日に発売される。この映画は、ボブ・ディランのデビューから66年までの軌跡を描いたドキュメンタリーで「よくもまあ、こんな映像が残っていたものだ」というシーンがふんだんに盛り込まれているらしい。
 当然、ぼくも早く見たかったのだが、ウチではハイビジョンや衛星放送は受信できないし、映画一本のためにわざわざ上京するわけにもいかない。いち早く発売された英語版のDVDを買おうかなとも思ったが、この手の映画で字幕がないのは致命的。待ちに待った日本版のDVDが、ようやく発売である。

 ビートルズの来日公演を特集した「レコード・コレクターズ6月号」のピックアップニュースによると、ボーナス映像として本編では短縮されていた「ライク・ア・ローリング・ストーン」や「風に吹かれて」など8曲がフルバージョンとして収録。さらに本編ではまったく公開されていない「いつもの朝に」などの3曲に加えて、65年に製作された「寂しき四番街」のプロモフィルムも収録。
 ボーナス映像は英語版と同じだが、日本版には28ページのブックレットが付き、初回はブックケース仕様で発売されるそうだ。

 早速、近頃では発売前のDVDを予約すると20パーセント以上の割引になるアマゾンでオーダーしたが、手元に届くのはまだ一ヶ月も先。これほど、見るのが待ち遠しい映画も久しぶりだ。

| ボブ・ディラン | 20:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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よく考えりゃ、似ているこの2人。マイルスとディラン

 ぼくのフェイバリットなミュージシャンでもある、マイルス・デイビスとボブ・ディラン。ジャズとロック、音楽性もまったく異なるこの2人だが、よくよく考えてみると、かなりの共通点がある。

 まず、誕生日が近い。マイルスは1926年5月26日生まれで、ボブは1941年5月24日生まれ。2日違いの誕生日で、同じふたご座。そして、アメリカの片田舎からニューヨークに出て行って、コロンビア・レコードと契約(マイルスの場合はブルーノート、プレステージを経て)し、そこに長らく在籍しているのも同じだ。

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| ボブ・ディラン | 19:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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フォークだけどロックなボブ・ディラン

Another Side of Bob DylanAnother Side of Bob Dylan
Bob Dylan


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 ボブ・ディランの4枚のアルバム「Another Side of Bob Dylan」は、彼の数多くのアルバムの中でもあまり目立たない存在かもしれないけれど、まちがいなく傑作のひとつだ。
 フォークソング、プロテストソングを唄うボブが少し方向転換をしたから「Another Side of Bob Dylan」なのだが、本人はこのタイトルに猛反対したという。「これもオレだ、別の顔じゃない」と主張したらしいのだ。
 早くエレクトリック化して、フォークを飛び出したかったボブと、ようやく売れ線に乗ったフォークシンガーのイメージを大切にしたかったであろうレコード会社。「Another Side of Bob Dylan」からは、そんな両者のせめぎあいも感じられる。

 わずか1日で録音された「Another Side of Bob Dylan」は、1曲だけがピアノの弾き語りで唄われるが、その他の曲はこれまでと同じ様にアコギとハーモニカだけの伴奏。 音のフォーマットは「フォークシンガー・ボブ・ディラン」である。しかし、メロディーや声、詩は単なるフォークソングの枠を飛び出してしまっているのだ。
 まず、最初の「All I really want to do」でおちゃらけた裏声を多用して、さらには途中で笑い出す。このいい加減さ、不遜な態度はパンクである。「My back pages」やラストの「It ain't me babe」は、もはやギター一本ではフォローしきれないと感じさせるスケールの大きな名曲である。

 ボブは次のアルバム「Bringing It All Back Home」のA面だけをエレキ化し、「Highway 61 Revisited」ではいわゆるフォークロックといわれるサウンドを確立。「Like A Rolling Stone」を大ヒットさせたボブは2枚組み(CDは1枚)の大作「Blonde on Blonde」でロックンローラーとして、最初の頂点を迎える。
 「Another Side of Bob Dylan」から「Blonde On Blonde」まではわずかに2年弱。なんという性急さ、そして勢いだろうか。この辺のことが描かれている映画「ノー・ディレクション・ホーム」を早く見てみたいと思う。

 ここまで書いてきて「Another Side of Bob Dylan」はマイルス・デイビスの「Sorcerer」「Nefertiti」に良く似ていることに気が付いた。この2枚のアルバムはエレキ化直前のマイルスが、従来どおりのアコースティックセッションで録音したもので、音の肌触りに同じ様なものを感じるのだ。
 よくよく考えれば、他にもボブ・ディランとマイルス・デイビスには共通点がたくさんある。この話題については長くなりそうなので、日を改めて。

| ボブ・ディラン | 07:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ボブ・ディラン自伝

ボブ・ディラン自伝ボブ・ディラン自伝
ボブ・ディラン 菅野 ヘッケル


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 年末からお正月にかけて、酒と子供のお守りの合間に「ボブ・ディラン自伝」を読んだ。
 自伝には自分自身を美化するものが多くて、あまり面白くないのだが、これは違った。ボブの明確な記憶、彼らしい文体で語られるエピソードが、どれもすばらしい。自伝とはいえ、時間軸にそって流れるではなく、各章ごとに書かれている時代が異なるのも特徴的だ。

 これから読む人もいると思うので、詳しい内容は書かないが、ぼくが興味深かったのは第3章の「新しい夜明け」と第4章の「オー・マーシー」。「新しい夜明け」では六十年代終わりから七十年代初めにかけてのウッドストックでの隠匿生活のことが、「オー・マーシー」では同名のアルバムの製作の前後のことが書かれている。
 セミリタイアして、ウッドストックに住んでいた頃には、本気で単なる父親になろうとし、アルバム「オー・マーシー」の製作前には自信を喪失して引退を考えた。淡々と書き綴られてはいるが、ファンにとってはかなり衝撃的な内容である。
 「ボブ・ディラン自伝」は全三巻になる予定らしい。これから先に読めるであろうフォークギターをエレキギターに持ち替えた「ニューポート・フォークフェステバル」や、騒乱の「ローリング・サンダー・レビュー」のエピソードなどが楽しみだ。
 
 それにしても、この自伝や映画「ノー・ディレクション・ホーム」など、近頃のボブは自分の軌跡をまとめに入っているような気がする。「ボブもそんな年齢になった」といえば、それまでだけど、もう一度の彼のステージが見てみたい。

 このページでは貴重なボブの映像が、たくさん見られる。以前に書いた「Hard Rain TV Special」からの映像もあって、これがとんでもなくかっこいい!
 まだ生きている人にこんなことをいうのも変かもしれないが、いやはやボブって人は伝説の宝庫だ。

| ボブ・ディラン | 19:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ボブ・ディランのぶちまけ感がたまらない「激しい雨」

Hard RainHard Rain
Bob Dylan


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 前回紹介した「マイルス・デイヴィス・アット・フィルモア」は、とにかくマイルスがかっこいいライブ盤。それで思い出したのが「Hard Rain」(邦題は「激しい雨」)だ。最もボブ・ディランがかっこいいライブ盤が、これである。

 一曲目の「Maggie's Farm」の出だし、チューニングともイントロとも言い難い薄っぺらいギターの音から曲になだれ込んでいく瞬間のかっこよさといったら、数あるロックのライブ盤の中でも一番ではないだろうか。あとはラストの「Idiot Wind」までボブとバンドが勢いまかせで疾走するだけだ。
 演奏はラフでルーズ。時にテキトーと表現していいくらいのプレイだが、足掛け2年に渡ったツアーのローリング・サンダー・レビューの終盤の1976年録音だけに、ボブとバンドの間には阿吽の呼吸が感じられる。

 そして、何よりも素晴らしいのがボブの声だ。全編に渡ってシャウトする声には適度なザラザラ感と艶があって、これぞロック!
 長いキャリアの仲で、何度も声質を変えてきたボブだが、個人的には1970年代の「Before The Flood」から「At Budokan」までの声が最高だと思っている。
 ぶちまけるようなボブの声。でも、よく聴いて欲しい。驚くほどに感情表現が豊かで、ホントは物凄く唄がうまいボブの姿が見えてくるはずだ。

 数年前には、第一次ローリング・サンダー・レビューの様子を収めた2枚組みの「Bob Dylan Live 1975 - The Rolling Thunder Revue」が発売された。これも名盤だが、まとまりが良すぎて優等生的プレイである。「Hard Rain」のぶちまけ感がない。
 これにはボブの私的な事情がある。「Hard Rain」が録音された1976年の第二次ローリング・サンダー・レビューはツアーと平行して製作していた映画「レオナルド&クララ」の資金集めのために行われたが、チケットの売れ行きが不振。さらにボブ自身がローリング・サンダー・レビューという企画に嫌気がさし、愛妻サラとの仲も悪化して離婚寸前。毎晩のように、酒に溺れていたという。そんな感情を隠そうともせず、ステージでぶちまけたボブを記録したのが「Hard Rain」だ。

 本来は甘いラブソングの「Lay Lady Lay」を必要以上にブレイクを繰り返してぶち壊し、「Idiot Wind」では「お前はお馬鹿だ。息の仕方を知っているだけでも奇跡だね、今日も食事ができることすら奇跡だぜ」と毒づくボブ。 
 ぼくもライター業をやっていて、表現者の端くれなのだが、実は自分の感情をさらけ出すというのは意外に難しいし、勇気もいる。私的な感情は包み隠したり、装飾したりしたほうが楽なのだ。しかし、天才は違う。ステージで苛立ちを隠そうともせず、それを平気でライブ盤として発表してしまう。
 ボブの感情が爆発し、暴走しつつも確実に前に進もうとする姿がかっこいい「Hard Rain」は、当時盛り上がりつつあったパンクロックよりも、さらにパンクなロックロールアルバムだ。

 実は「Hard Rain」の様子はアメリカのテレビ番組としても収録されている。日本でもボブの初来日時に放映されたので見たことはあるのだが、これまたかっこよかった。しかし、その後は一度も目にすることができないのが残念。
 現在では、ブートのDVDが購入可能だが、オフィシャルのDVDとして正式発売されないものだろうか。

| ボブ・ディラン | 10:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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