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ミック・ジャガーは60歳で何を歌ったか

 毎日、いや極端にいえば1秒ごとに、人は確実に年老いていく。
 ぼくも40歳後半にさしかかったから、こんなことをさらりと書けるようになったけれど、若い頃は自分の年老いた姿なんて、想像もできなかった。

 さらに、想像できなかったといえば、未だにロックを聴き続け、エレキギターに夢中になっていることだ。
 ぼくがティーンエージャーの頃、ロックは不良の音楽であり、若さの象徴だった。でかい音を奏でるエレキギターも同じだ。少なくとも、ぼくの周りにいた大人の中に、ロックを聴き、エレキギターを弾いている人なんていなかった。
 でも、今ではそんな人は珍しくはないし、はたしてロックが若者の音楽として存在し続けているのかすら、怪しげだ。

 そういえば、去年の11月にキャロル・キングとTHE・WHOのライブを見に行った時に、彼らのライブパフォーマンスに熱狂しながらも「ホントに、今は21世紀か?」と感じた。
 21世紀に入っても、ローリング・ストーンズが活動を続け、キャロル・キングとTHE・WHOが同じ時期に来日を果す。彼らの音楽を聴き始めた高校生の時に、そんなことは想像もできなかったからだ。

ミック・ジャガーは60歳で何を歌ったか (幻冬舎新書)ミック・ジャガーは60歳で何を歌ったか (幻冬舎新書)
中山 康樹


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 「ミック・ジャガーは60歳で何を歌ったか」はロックと老化の関係性、ロックンローラーたちの老後の奮闘ぶりについて書かれた本だ。
 以前に紹介した「ビートルズの謎」の作者でもある中山康樹氏は、まえがきの中で「いま私たちは、ロックがはじめて経験する時代を生きている。最初にして最後の目撃者といってもいいだろう」と書いている。確かにそうかもしれない。

 ただ、目撃者になるためにはロックを聴き続けてきたという条件が必要になるだろう。少なくとも、彼らの全盛期を知らなければ、老後の奮闘ぶりは理解できない気がする。
 いずれせよ、今のロックはかつてなかった「老い」という問題すら、内包していることはまちがいない。

 未だにミック・ジャガーは軽やかにステージを舞い続け「オレは満足しちゃいないぜ」とシャウトする。オリジナルメンバーがたった2人になってしまったTHE・WHOは60歳を過ぎても「年老いる前に、くたばっちまいたい」と唄い続けている。
 一歩間違えば、笑い話のような光景である。でも、そこに何らかのリアリティーを感じるからこそ、ぼくはライブを見に行き、ロックを聴き続けている。

 ジョン・レノンやボブ・ディラン、キース・リチャード、ピート・タウンゼントはティーンエイジャーのぼくにとって、先生だった。学校では決して学べない不良のあり方を彼らから教えてもらった。そして、ジョンを除いて、未だにアルバムを作り、ステージに立ち続けている還暦過ぎのロックンローラーからは、この先も学ぶことがありそうだ。
 ロックが老い方まで教えてくれるなんて、30年前のぼくには想像もできなかった。
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