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25年ぶりのウォークマン

 1979年、初代ウォークマンの登場は衝撃的だった。
 今になって、初代ウォークマンの写真を見てみれば、少し野暮ったいデザインに感じるし、とにかくでかい。でも、当時はとてもコンパクトでおしゃれな音楽プレイヤーだった。何より「街に音楽を手軽に持ち出す」というコンセプトそのものが新しかった。
 ついでに、ヘッドフォンでしか聴けないという割り切り方もすごかったと思う。今の若い人には信じてもらえないかもしれないけれど、テープレコーダー(録音はできないけれど)なのにスピーカーがなく、本体から音が出ないことにすら違和感があった時代だったからだ。
 いずれにせよ、初代ウォークマンが携帯型の音楽プレイヤーの原点なのはまちがいないだろう。

 発売直後に、友人が初代ウォークマンを購入し、それを聴かせてもらった時のことは今でもよく覚えている。
 小ささと軽さ、音の良さにもびっくりして「これ、欲しい!」と思ったが、3万円以上と高価だったウォークマンをすぐには買えなかった。

 ぼくがようやくウォークマンを買えたのは、それから4年後のことだった。水に強いスポーツウォークマンが発売され「これはバイクのツーリングや海に持っていくのに良さそう」と、ようやく購入に踏み切ったのだ。
 その間にウォークマンは爆発的ヒット商品になり、既に目新しさもなくなっていたが、タフでFMラジオも聴けたスポーツウォークマンは旅先や海辺で、とても重宝した1台だった。

 80年代の聖子ちゃんのCMにも、妙な懐かしさを感じますなあ。




 そんな思い出深いウォークマンを25年ぶりに新調した。とはいっても、買ったわけではない。当たったのだ。
 いつも車のフロントガラスに塗っているコーティング剤の「glaco」を買うと「携帯電話で商品が当たる」というキャンペーンのステッカーが貼ってあり、試しに携帯電話からIDナンバーを入力してみると、ウォークマンのWシリーズに当選の文字が!

 これまで、ネット経由のプレゼントには当たったことがなかったので「ホンマかいな」と半信半疑で当選手続きをしたのだが、しばらくするとホントにウォークマンが送られてきて、驚いた。うーん、あの手のプレゼントって、ホントに当たるのね。

 送られてきたのは、ウォークマンのWシリーズの「NWD-W202」という機種。


 容量が2GBの音楽プレイヤーだが、一番の特徴はコードのわずらわしさがないこと。ワイヤレスではなく、耳にかける部分そのものが本体であり、ヘッドフォンなのでコードがないのだ。

 近ごろ、運動不足と体力低下を痛感し、日課として家の近くをランニングしてるので、歩いたり、走ったりしながら「NWD-W202」を何日か試してみた。
 本体は「耳に付けるにはちょっと大きいかな」と思うけれど、35グラムという重量のせいかフィット感は良く、ランニングをしていても、ずれ落ちるようなことはない。ジョグダイヤルによるに操作も慣れしてまえば簡単だ。そして、肝心の音のほうもまずまず。
 本体とUSBコードを兼ねたスタンドのデザインも良いし、パソコンのUSBポートから1.5時間の充電で半日以上使える点も優秀だ。細かいところでは、専用のソフトを立ち上げなくても、ドラック&ドロップで曲を入れることができる点も気に入った。

 他の音楽プレイヤーのように大容量ではなく、多機能でもないけれど、好きな曲を入れて、シャッフルして聴くには充分な機能を持った音楽プレイヤーだろう。何より、歩いたり、走ったりする時にコードを気にせず、気軽に音楽を聴くという使い方に特化した製品のコンセプトに潔さを感じる。


 ただ、ネットでユーザーの方の使用感などを読んでいると、この「NWD-W202」は防水や防滴仕様ではないので、汗をかくような状況で使用すると故障しやすいそうだ。ぼくのは今のところ大丈夫だが、これが最も使われそうなのが運動中ということを考えると、汗に弱いのは困ったものだ。

 「当たったものだから文句は言えんが、汗には気をつけなきゃ」と思っていると、新型の「NWD-W253」が発売されていた。これは水洗いも可能な防水性を持っているから、汗の心配はなしかもしれない。

 
 さらに、容量も2倍の4GBになって、値段はそれほど変わらないのだから、デジタルモノの進化は早いなあ。


 いずれにせよ、最初に買ったウォークマンから25年以上が経過して、カセットテープより少し大きかった黄色の本体が、耳にのっかるようになるまで小さくなった。しかし、持ち運べる音楽量は当時の何十倍だ。まったく、家電製品の進歩はカセットテープをガチャガチャと入れ替えていたのが、遠い昔に感じるほど早い。
 でも、中に入れて聴いている音楽は25年前とそれほど変わってないわけで「人間は機械ほど進歩しないんだな」とも思う。

 体力の衰えを感じてきたので日課になったランニングの時に、驚くほど小さくなって進化したウォークマンを使う。何だか皮肉な話ではあるけれど、未だにつらいランニングが少しは楽しくなったのは、まちがいない。
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