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「LIVE AID」のDVD-ディスク4

ライヴ・エイド★初回生産限定スペシャル・プライス★
USA for AFRICA
B00061QV7O

 一枚ずつ紹介してきた「LIVE AID」のDVDも、ようやく今日で最後の4枚目。

 まず、登場するのはホール&オーツ。彼らも「LIVE AID」の頃が活動の最盛期。ナンバーワンヒットを連発していただけに、ライブにも勢いがある。「Maneater」に続く「Get Ready (Cos Here I Come) ~Ain't Too Proud to Beg~My Girl」は、当時発売されたばかりのライブ盤「ライブ・アット・アポロ」の再現で、素晴らしいパフォーマンス。
 ミック・ジャガーはバンドチェンジをせず、 ホール&オーツのバンドをバックに唄う。今見れば、これは非常に珍しいシーン。この頃、ミックとキース・リチャードは非常に仲が悪く、それぞれにソロ活動を重視していた。「Just Another Night」はミックの初のソロアルバムからのシングル曲。続く「Miss You 」はローリングストーンズの曲だが、ミックが他のバンドをバックにこの曲を歌ったのは、おそらく「LIVE AID」が初めて(その後、ソロツアーで日本に初来日するが)だったのではないだろうか。
 後ろにひかえているのがホール&オーツのバンドということで、いつもとは勝手が違うはずだが、ミックのパフォーマンスはなかなか素晴らしい。バンドからの離脱を考えていたであろう時期だけに「一人でもできるんだぜ」という意気込みを見せている。

 ミックのシーンを見る時に、彼の着ている黄色のジャケットに注意して欲しい。ヒラヒラと揺れて、彼のまわりだけ風が吹いている感じがしないだろうか。これは他のライブ映像でも見られる現象で、いつも不思議に思っている。
 おそらくジャケットの素材がシルクか何かで非常に軽く、ミック独特の跳ねるような動きに連動して風が吹いているように見えるのだろう。しかし、03年に右端とはいえローリングストーンズを最前列で見た時、目の前のミックは花道をあまりに軽やかに、まるで空中浮遊しているかのように駆け抜けた。もちろん、錯覚であるがミックのライブパフォーマンスにはある種の魔術がある気がする。

 最後の最後に登場するのが「待ってました!」のボブ・ディラン、キース・リチャード&ロン・ウッド。このDVDだけでしか見られない豪華な競演だけに期待は高まるのだが、これが大コケ。テキトーな性格の三人が揃うと、ハーモニーなんてものはあったもんじゃない。
 DVDに収録されているのはプレイされた三曲のうち最後の「風に吹かれて」だけだが、まずボブ・ディランが「まだ時間はあるか?」とたずねる。コンサートが生中継されていたので終りの時間が決まっていたのだろう。時間を気にしながらプレイするボブ・ディランの横でキースはいつものように悠々とコードカッティングをする。
 途中のキースの間奏があまりにヘタウマで笑えるが、その横ではギターの弦が切れたボブ・ディランが「おい、ギター替えろよ」とロン・ウッドからギターを奪う。ボブ・ディランのギターを持ってバックステージに行き、代わりのギターを持ってくるロン・ウッドも不憫だが「おいおい、普通そんなことするかあ」と、これまた笑えるシーンである。豪華な競演なのに、ドタバタのステージ。あの三人が揃ったというだけで価値はあるが、ボブ・ディランとローリングストーンズのファンでも「なんだかなあ」という感じがする。
 でも「みんなでアフリカの人々を救おう」というコンサートの最後の最後に出てきて「友よ、答えは風に舞っている」と無責任に唄うのは、ある意味でとてもボブ・ディランらしい。ちなみにキースが「LIVE AID」の出演をOKした理由は「出番がミック・ジャガーよりあと」だったからだという。

 ボブ・ディランとキースのバックでは感動のフィナーレが準備されていた。ライオネル・リッチーが登場して三人を称え、後ろの幕が開き「We Are the World」の合唱だ。これもまた、ドタバタ劇である。感動を過剰に演出しようとして見事にコケる。
 イギリスのステージでの「Do They Know It's Christmas?」では、オリジナルのオールスターキャストをある程度再現したが、アメリカの「We Are the World」にはブルース・スプリングスティーンやスティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、ビリー・ジョエル、ポール・サイモン、レイ・チャールズなど、レコーディングに参加した大半のシンガーがいない。さらに最後は大勢の子供が加わり、無理やりに感動のフィナーレを演出する。
 はっきりした理由は分からない。しかし、ぼくはこのシーンに何か薄ら寒さを感じた。そのまま合唱に加わったボブ・ディランは途中でステージを抜け出した。ギターを抱えて、ステージの袖に足早に歩いていくボブ・ディランに「彼らしいなあ」と感心してしまった。あの陳腐な「We Are the World」のシーンにボブ・ディランは留まるべきではなかった。ロックンローラーとしての嗅覚が「ここにいちゃ、まずい」と感じたのだと想像している。
 十時間に及ぶ「LIVE AID」のDVDは、こうして尻すぼみで終わる。アフリカへのチャリティーはどこへやらである。しかし、コンサートビデオとしての「LIVE AID」は、かなり面白い。毎回すべてを見る気にはならないが、これからも気に入ったシーンだけをザッピングしながら見るだろう。

 四枚目には多数のエクストラ映像が収録されている。B・Bキングやテディ・ペンダーグラスなど本編から外れたアーチストのシーンも見られるが「Food and Trucks and Rock 'N' Roll (食料&トラック&ロックンロール)」と題されたドキュメントが良い。音楽は世界を変えることはできないが、飢えた子供の何人かならを助けることができると思い知らされる映像である。この少々長いドキュメントを収録したことにボブ・ゲルドフの意地を感じる。

 結局、アメリカの「We Are the World」はイギリスから起こったチャリティーのブームに乗っただけだったのではないか。その後に起こった湾岸戦争、9・11、アフガン侵攻、イラク戦争を考えれば「We Are the World」というタイトルは何やら暗示的でもある。もちろん、その場合の「We」は世界の人々ではなく、アメリカという国を意味する。

 ぼくが買った「LIVE AID」のDVDは輸入盤。日本語字幕も表示できるので、フリーリージョンのプレイヤーを持っているなら、こちらがお得。

 「LIVE AID」に関してはこちらのサイト(但し英語)が非常に詳しい。当日のセットリスト、アーチストの一覧などで、DVDだけでは分からない「LIVE AID」の全貌を知ることができる。バッジやTシャツノベルティグッズの写真なども掲載されている。

| 音楽のDVD | 21:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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