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「シルク・ディグリーズ」は大人のロック?

シルク・ディグリーズ(エクスパンディッド・エディション)シルク・ディグリーズ
ボズ・スキャッグス


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 かつて、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)なる言葉があった。今でいうところの「大人のロック」ってやつである。基本的にキッズ・ミュージックだったロックが、1970年代に入って大人も聴ける音楽に進化(退化かも?)したものが、AORと考えれば分かり易いだろうか。
 ちなみ、AORというのは日本だけで通用する用語で、アメリカではそんな呼び方やジャンルはなかったらしい。

 そんなAORの代表的なアルバムのひとつが、ボズ・スキャッグスの「シルク・ディグリーズ」だ。
 ぼくがこれを初めて聴いたのは、二十歳の時だった。それまで、ビートルズやストーンズ、ツェッペリン、イーグルスなどの王道的なロック(パンクにはそれほど夢中になれなかった)を聴いてきたが、二十歳にになって「そろそろ大人っぽいものを聴くべきやなあ」ってことで「シルク・ディグリーズ」を買ったと思う。

 まず「シルク・ディグリーズ」はジャケットからして大人である。夕暮れの港のベンチ。赤いマニキュアをした手が見える女性に背を向けて座るボズ。裏を返すとボズはベンチから居なくなり、水平線の上にヨットが見える。どこか意味深なジャケットは、お金と時間はかかっていないだろうけれど、とてもよく出来ている。
 肝心の中身だが、意外にもアップテンポな曲が多く、中には少々泥臭いサウンドの曲だってある。ジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチ、デヴィッド・ハンゲイドという数年後にTOTO(ボズのバックバンドとして来日したメンバーがトイレでいつも目にする文字が気に入り、自らのバンドに「TOTO」と名付けたのは有名な話)を結成するメンバーを中心にしたバックバンドの音はタイトで、特にアルバム全編をリードするジェフ・ポーカロのドラムは心地良いのひと言。「シルク・ディグリーズ」はAORとは名ばかりで、正統的で上質なウエストコーストロックだと思う。

 「シルク・ディグリーズ」をAORの代表的なアルバムに押し上げたのは、ラストの「We're All Alone」の存在が大きいかもしれない。確かに名曲だと思うけれど、甘ったるすぎて、ぼくは毎回聴くにはなれない。メロディーも歌詞も、これ以上はないくらいに激甘。その甘さはポール・マッカートニーの「My Love」以上で、カロリー高過ぎ。
 同じバラードでも、レコードではA面ラストだった「Harbor Lights」は名曲中の名曲。「おかあちゃんは東京ローズ。だから、ぼくは生まれついての放浪者」で始まる曲はスパイスが効いたラブソングだ。こっちのほうが、よっぽど大人のバラードではないだろうか。ぼくはバイクでフラフラとあてのない旅をしているころ、夕暮れに「オゥ、オオゥ、ハーバライトォ」と、この歌のサビをよく口ずさんだものだ。
 
 ボズ・スキャッグスは今でも好きでよく聴くけれど、どう見てもハンサムではない鼻声で歌う馬面のおっさんが、かつて「都会的」とか「洗練されたサウンド」と言われていたのは、どうにも理解に苦しむ。むしろ、おしゃれじゃないところがボズ・スキャッグスの魅力ではないだろうか。スタンダード・ソングをアンプラグドなジャズカルテットをバックに歌う最近のアルバム「バット・ビューティフル」も、どこか土の匂いのするとても渋いアルバムだ。

| ロックの名盤 | 19:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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