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佐野元春-札幌・旭川ライブレポート

THE SUN (通常盤)THE SUN
佐野元春 and The HOBO KING BAND


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 今回の「SUN TOUR」は旭川でもライブがあった。札幌以外での開催は1992年の「See Far Miles Tour part II」での帯広以来の12年ぶり。旭川ではなんと1989年の「ナポレオンフィッシュ・ツアー」以来、15年ぶりの佐野元春のライブだ。暮れの忙しい時期、しかも平日に続けて休みを取るのは困難だが、旭川にも行かねばなるまい。なんとか仕事をやりくりして二連戦に挑んだ。



 16日、札幌市民会館。ぼくの席は左端ながら前から八列目、振り返ると七分の入り。満員ではないが、会場にはこれから始まるライブへの期待が満ちている気がする。やがて、BGMがアップテンポなものに変わり、会場の明かりが落ちて、白いスーツの佐野が登場。PAが目の前にあり、KYONとボブ・サング(見慣れないせいか、バンドの中で浮いている感じがする)が隠れてしまうが、佐野との距離は近い。
 一曲目は「Back To The Street」。インターネットの情報でセットリストはほぼ頭に入っているが、分かっていても驚きを感じる。デビューアルバムのタイトルチューンを最初に持ってきたことの意味、それはきっと「リスタート」だろう。
 最近のライブでの心配事である佐野の声は絶好調だった。シャウトもばっちりで伸びもある。たまに声が裏返る(これは昔からかも)こともあるが、ハラハラせずに聴けるのはとてもうれしい。佐野の声は確実に復調しつつあるのではないだろうか。
 一部はこれまでのライブと同じセットリストで進んだが、ライブで初めて聴く「ヤァ!ソウルボーイ」にウルウル、さらに「風の手のひらの上」でウルウルウルときてしまった。他のライブではあまり涙したことはないが、個人的に思い入れのある少しマイナーな曲を斜め前で歌う佐野の姿は時々霞んで見えた。一部の最後は「99 Blues ~Individualist」。このあたりの選曲は「主義主張は昔と変わらないよ」ということなのだろうと思う。

 十分間の休憩を挟んでの二部はすべて「THE SUN」からのナンバー。この構成も知っていたが、目の前で夏から秋にかけて聞き込んだ歌の数々をプレイされると興奮する。
 赤いスーツに着替えた佐野は「THE SUN」からの曲を椅子に腰掛けて歌った。オーバーなアクションもなく「新しい歌をじっくり聴いてよ」といった感じ。PAから出てくる音も小さめで、歌詞と音の輪郭をきちんと聞かせようという意図がうかがえる。
 しかし、会場には椅子に座って聴いている人はいない。みんな手拍子をしたり、体を揺らしたりしながら「THE SUN」からの曲に聞き入っている。よく考えれば不思議な光景だが、座って聴く気にはなれないのだ。
 座り続けていた佐野がついに立ち上がったのが「DIG」。曲の中盤で立ち上がり、シャウトする。そして、ステージが暗転してラストの「太陽」が始まる。一番端の席なので例の演出はよく見えないが、ライブで聴くとさらに心に響く。

 二回目のアンコールは「お正月には演奏できないし、夏には絶対に歌えない。この時期にしか歌えない曲があるんだ」というSEに続き、季節限定の「Christmas Time In Blue」で始まった。この曲をライブで聴くのは初めてだ。この時期にしか聞けないが残念だが、素晴らしいアレンジが施され、一気に盛り上がる。佐野の「メリー・クリスマス」という言葉に続いて「悲しきRADIO」へ。そして、ホーボキング・バンドとの長い相談の後に始まった「彼女はデリケート」でライブは終了。「また、来年会おう!」といって佐野は舞台袖に消えた。

 二日目、旭川。大雪の予報で列車の遅れを心配したが、時間通りに到着。 久しぶりに市内のメーンストリートである買い物公園をブラブラしてから、市民文化会館にほど近いホテルにチェックインする。
 この日の席は11列目のど真ん中。しかし、開演間近になっても席が埋まらない。会場の真ん中にあるミキサー席の後ろはほぼ空席。前のほうの席も歯が欠けたように空いている。キャパ1500人の会場に五分の入りだ。ましてや「全国でも有数のコンサートが盛り上がらない土地柄」との噂がある旭川。冷え込んだムードすら感じるの会場で開演を待ちながら「どうなるのだろう」と不安になった。
 しかし、佐野の登場ともに不安は消え去った。冷え込んでいるように見えた会場は「Back To The Street」が始まると、一気にヒートアップ。その熱は最後の最後まで下がることはなかった。客は少ないが札幌を上回る盛り上がりである。みんな15年ぶりのライブに向けて、熱を溜めていたのだ。

 セットリストは一部、二部共に昨日と同じだが、佐野は昨日以上の好調ぶりで、盛んに会場をあおる。声も絶好調だが、細やかな動きも軽やかで、見ていて惚れ惚れしてしまう。
 今日もまた昨日と同じ曲でもウルウルしながら、気がつけば本編最後の「太陽」に。旭川では例の演出がバッチリ見とられた。佐野の数々のコンサートの中でも最高の演出である。もちろん「太陽」という曲の素晴らしさがあってこその演出だが、まぶしいライトの中に一瞬だけ映し出された佐野の神々しいシルエットが忘れられない。エバーグリーンな曲にはならないだろうが「太陽」は「SOMEDAY」を上回る名曲だと思う。

 アンコールは昨日と同じ曲順で進んだ。一回目「Bye Bye Handy Love ~アンジェリーナ」。二回目は「Christmas Time In Blue」で始まり「悲しきRADIO」へ。ここでは間近で佐野のギターを抱いてのスライディングが二回も見られて、思わず飛び上がる。ぼくはあのアクションが大好きなのだ。
 そして、今日もホーボキングバンドとの相談の後に「彼女はデリケート」が始まるのかなと思っていると、間髪入れずに「十代には十代の、二十代には二十代の、三十代には三十代の、そして四十代には四十代の『いつかきっと』があると思うんだ。この歌を知っている人がいたら一緒に歌ってください」と佐野がいう。「SOMEDAY」だ。
 最初は自ら歌わず客席にマイクを向ける。そして「Happiness & Rest」からシャウトする佐野。不意をつかれた。号泣しそうになった。必死にこらえた。一緒になんか歌えない。パンパンとサビに合いの手を入れる手拍子もしたくない。ただ、曲のうねりに身をまかせるだけだ。

 「THE SUN」でリスタートした佐野はこのツアーでは「SOMEDAY」を歌わないと思っていた。そして、ぼくもライブではもう「SOMEDAY」は聞かなくてもいい、佐野は「SOMEDAY」を超える曲を書き、ホーボキング・バンドとライブで演奏するべきだと思っていた。その想いは本編最後の「太陽」で成就した。なのに「SOMEDAY」のイントロを聞いた途端に込み上げてきた切なさはなんだ。曲の途中、過去の様々なシーンが頭の中でフラッシュバックしたのは、なぜだろう?
 たぶん「太陽」の「夢を見る力をもっと」と「SOMEDAY」の「いつかきっと」は同じものなのだと思う。ぼくの中で聞き飽きた曲だったはずの「SOMEDAY」は、今回のライブで輝きを取り戻した。でも、常に聞きたくはない。心の中の宝箱は最高のシチュエーションでたまに開けたい。旭川でのライブはまちがいなく最高のシチュエーションのひとつだった。

 佐野元春の最新アルバムは「SUN」。DVD付きの初回限定盤(未だに買える。なんだかなあ)とCDのみの通常盤がある。

※このライブレポートは「So Fabulous!」のメールマガジンに投稿したものを転載しました。

| 佐野元春 | 21:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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