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ボブ・ディラン 「At 武道館」

武道館武道館
ボブ・ディラン


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 今年最初の名盤紹介を何にしようかと考えているうちに、1月15日になってしまった。過去のログを見直してみると、まだボブ・ディランについてはBlogに書いていない。
 今年の一発目はぼくが最も愛聴しているボブ・ディランのアルバム「At 武道館」を紹介しよう。

 1978年、ボブ・ディランが初来日することになった。
 日本のマスコミは「フォークの神様がやって来る」と大騒ぎしたあげく、薄化粧をしてステージに立った白いスーツ姿のボブ・ディランに驚いて「まるでラスベガスのショー」と酷評し、「来日は離婚の慰謝料稼ぎのため」と書きたてた(ちなみに彼は最初からロックンローラーだし、前のツアーの「ローリングサンダー・レビュー」で化粧をしてステージに上がっていた)。

 今なら「ボブ・ディランとて芸人。歌を唄って慰謝料を稼いでどこが悪い」と言える。しかし、当時のぼくは素直な中学生で、新聞や雑誌の書くことはすべて正しいと思っていた。マスコミのいうことを真に受けて「ボブ・ディランは変わってしまった」と決めつけてしまったのだ。
 さらに、直後にリリースされた「At 武道館」を聴いて、ボブ・ディランがますます分からなくなった。作り込まれたアレンジと丁寧な歌い方。これまでになかったスタイルのライブに強い違和感があった。以来、ぼくにとってのボブ・ディランは理解不能なミュージシャンになってしまった。

 再びボブ・ディランを聞くようになったのは、30歳を過ぎ、北海道に来てからだ。きっかけは、みうらじゅんの「アイデン&ティティ―24歳/27歳」を読んだことである。そこには初めてボブ・ディランを聞いた時に感じた「青臭いけれどホントは大切なこと」が描かれていた。
 ボブ・ディランのアルバムを聴き直してみると、彼のことを勝手に誤解していたことに気がついた。当然「At 武道館」の評価も百八十度変わった。

 ボブ・ディランは来日時のインタビューで「日本へはショーをやりにきた。そして、川の流れを見にきただけだ」と答えた(なんてかっこいい台詞だろう)。
 総勢13名のバンドを従えたボブ・ディランは、初めての日本のライブために一ヶ月以上もリハーサルを繰り返してきたらしい。前のツアーの「ローリングサンダー・レビュー」はその場のノリでラフに感情をぶちまけるようなステージだったが、インタビューのとおりに「At 武道館」は緻密に計算され、入念に作り込まれた「ショー」だったのである。しかし、この「ショー」が素晴らしい。ボブ・ディランの「ショー」は単なる「ショー」ではない。

 「ディランはこうでなければいけない」という変な先入観がなければ、「At 武道館」は最も聴きやすいボブ・ディランのアルバムだろう。セットリストは当時のベストアルバム的な選曲。名曲の数々ががらりと姿を変えて演奏される。ボブ・ディランがツアーのたびに曲のアレンジを変えることのは毎度のことだが「At 武道館」ほど緻密なアレンジを披露したことはない。
 さらに特筆すべきは、その歌声だ。珍しく歌詞がはっきりと聞こえるほど丁寧に唄い、声は艶がありながら適度にざらついている。ボブ・ディランは長いキャリアの中で何度も声質を変えてきたが「At 武道館」前後の声が最も素晴らしかったと思う。

 「At 武道館」はには「フォークの神様」でもなければ、「預言者」でもなく、「世界最高の詩人」でもない、ただの歌手のボブ・ディランが記録されている。
 しかし、歌手に専念し、かっちりと作り込まれた演奏の中に、高いテンションを感じる瞬間が何度もある。白いスーツを着て、薄化粧をし、ソフトケートされたアレンジを施しても、ボブ・ディランの歌からは緊張感と毒は消え去らない。そこが素晴らしいと思えるようになったのは、つい最近のことだ。

| ボブ・ディラン | 10:56 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

はじめまして2
一日に二回書き込み。ごかんべんのほど。
武道館はいちばん初めにちゃんと聴いたディランです。
(そのはず。父がいつもCDをかけていたので。でも、ちゃんと聴いたのはこれ)。
運命のひとひねり を、私は「いい、好き、きれい」と言ったらしく、ませていたといまでも言われます。
あとサックスがかっこよくて(フォーエバーヤング)、スティーブ・ダグラスという人だと知るのは、ずっとあと。
これも一年に一回は聴きたくなります。

| sato | 2012/11/04 07:42 | URL | ≫ EDIT

satoさん、こんばんわ。
こちらにもコメント、ありがとうございました。

「At武道館」が初めてのボブのアルバムだったとは、幸運な!
難解な部分もあるボブの入り口としては、ベスト盤よりこのアルバムが最適だったのではないでしょうか。

古くからのボブのファンには、このアルバムの音作りは洗練され過ぎ、アレンジされ過ぎていて、受け入れ難いかもしれません。
でも、行き当たりばったりが得意なボブが、じっくりとリハーサルが繰り返して、練り上げてきたサウンドにのって、最高の声(ぼくはこの時期の声のトーンが、キャリアの中で最高だったと思っています)で唄う名曲の数々は、単純に音楽として素晴らしい。

ぼくは1曲目の「ミスター・タンブリン・マン」の出だしの軽快なワクワク感がたまらなく好きです。
そこから、2枚組みを一気に聴いてしまうのが、いつものパターン。
アレンジ過剰な曲もありますが、ボブのライブ盤で一番好きなのは、これかも。

| woodstock69 | 2012/11/08 21:11 | URL | ≫ EDIT















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