2007.08.30 Thu
夏に聴きたくなる1枚 Vol.5 No Reason to Cry
このブログで何度か書いているけれど、ぼくはレイドバックしていた頃のダメなエリック・クラプトンが好きだ。アルバムとしては「461 Ocean Boulevard」から「Money and Cigarettes」あたりまでが、彼のレイドバック期といえるだろう。
そして、この時期のクラプトンはギターヒーローとしての自分を拒否し、酒やクスリに溺れ、かなりテキトーに音楽という仕事をしていたと思う。
もちろん、ぼくは最近のクラプトンも聴いているし、ミュージシャンとして良い仕事をしていると思う。でも、多感な時期にリアルタイムでレイドバック期のクラプトンを聴いていた身としては、マイホームパパを公言し、酒もタバコもやらない立派な姿に、どこか違和感を感じるのだ。
1976年にリリースされた「No Reason to Cry」は、ボブ・ディランやザ・バンドのメンバー、ロン・ウッド、ジョージー・フェイム、ビリー・プレストン、ジェシ・エド・デイヴィスなど、豪華なゲストを招いて、カリフォルニアのマリブにあるザ・バンドが所有していたシャングリラ・スタジオでレコーディングされた。
クリームの解散後にクラプトンは、ザ・バンドのデビュー・アルバムにして歴史的名盤「Music from Big Pink」を聴いて多大な影響を受け、本気で「ぼくはザ・バンドのメンバーになりたい」と思っていたという。「No Reason to Cry」では、その夢が叶い、ザ・バンドの所有のスタジオでメンバーをゲストにレコーディングを行ったというわけだ。
しかし、他のアーチストでも同様のことがいえるが、ゲストが多数参加したアルバムは、全体の印象が散漫になりがちだ。さらに、このアルバムでクラプトンは、自分がメインにも関わらず、常に一歩下がったスタンスを取っていて、ゲストの方が目立ってしまう曲が多々あるのだ。
例えば、3曲目の「Sign Language」はボブ・ディランとの決してハモらないデュエット曲だが、ボブの声が強烈でクラプトンの声はあきらかに負けている。どちらかというと添え物に近い。ギターソロも、ロビー・ロバートソンが例のピッキングハーモニックスを使ったフレーズで、おいしいところを持って行く。
でも、あちらこちらでクラプトンらしさは垣間見える。オーティス・ラッシュの「Double Trouble」では、久しぶりに迫真のギターソロを聴かせ、「Innocent Times」のドブロのフレーズはホントに素晴らしい。
そして、ぼくが毎年晩夏になると聴きたくなるのが、アルバムのラストにひっそりと収められている「Black Summer Rain」だ。物憂げなクラプトンの声、控え目ながらも美しいギターソロ。夏の終わりに聞くのがぴったりの隠れた名曲だと思う。
現在ではこの曲の後に、ボーナストラックして「Last Night」が追加されているが、これは余計。 このアルバムは「Black Summer Rain」で終わってこそ、価値があるのだ。
ジャケットをよく見ると分かるが、クラプトンの前にはジム・ビームやバドワイザーなどの酒のビンが並んでいる。おそらく、このアルバムはたくさんの友人をスタジオに招いて、夜な夜な酒盛りをしながら、パーティと喧騒の中で作られたに違いない。しかし、アルバム全体に漂っているのは喧騒ではなく、レイドバック期のクラプトン特有の倦怠感だ。
そんな背景からも「No Reason to Cry」は、騒がしく暑かった夏の終わりにぴったりのアルバムだと思う。

そして、この時期のクラプトンはギターヒーローとしての自分を拒否し、酒やクスリに溺れ、かなりテキトーに音楽という仕事をしていたと思う。
もちろん、ぼくは最近のクラプトンも聴いているし、ミュージシャンとして良い仕事をしていると思う。でも、多感な時期にリアルタイムでレイドバック期のクラプトンを聴いていた身としては、マイホームパパを公言し、酒もタバコもやらない立派な姿に、どこか違和感を感じるのだ。
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1976年にリリースされた「No Reason to Cry」は、ボブ・ディランやザ・バンドのメンバー、ロン・ウッド、ジョージー・フェイム、ビリー・プレストン、ジェシ・エド・デイヴィスなど、豪華なゲストを招いて、カリフォルニアのマリブにあるザ・バンドが所有していたシャングリラ・スタジオでレコーディングされた。
クリームの解散後にクラプトンは、ザ・バンドのデビュー・アルバムにして歴史的名盤「Music from Big Pink」を聴いて多大な影響を受け、本気で「ぼくはザ・バンドのメンバーになりたい」と思っていたという。「No Reason to Cry」では、その夢が叶い、ザ・バンドの所有のスタジオでメンバーをゲストにレコーディングを行ったというわけだ。
しかし、他のアーチストでも同様のことがいえるが、ゲストが多数参加したアルバムは、全体の印象が散漫になりがちだ。さらに、このアルバムでクラプトンは、自分がメインにも関わらず、常に一歩下がったスタンスを取っていて、ゲストの方が目立ってしまう曲が多々あるのだ。
例えば、3曲目の「Sign Language」はボブ・ディランとの決してハモらないデュエット曲だが、ボブの声が強烈でクラプトンの声はあきらかに負けている。どちらかというと添え物に近い。ギターソロも、ロビー・ロバートソンが例のピッキングハーモニックスを使ったフレーズで、おいしいところを持って行く。
でも、あちらこちらでクラプトンらしさは垣間見える。オーティス・ラッシュの「Double Trouble」では、久しぶりに迫真のギターソロを聴かせ、「Innocent Times」のドブロのフレーズはホントに素晴らしい。
そして、ぼくが毎年晩夏になると聴きたくなるのが、アルバムのラストにひっそりと収められている「Black Summer Rain」だ。物憂げなクラプトンの声、控え目ながらも美しいギターソロ。夏の終わりに聞くのがぴったりの隠れた名曲だと思う。
現在ではこの曲の後に、ボーナストラックして「Last Night」が追加されているが、これは余計。 このアルバムは「Black Summer Rain」で終わってこそ、価値があるのだ。
ジャケットをよく見ると分かるが、クラプトンの前にはジム・ビームやバドワイザーなどの酒のビンが並んでいる。おそらく、このアルバムはたくさんの友人をスタジオに招いて、夜な夜な酒盛りをしながら、パーティと喧騒の中で作られたに違いない。しかし、アルバム全体に漂っているのは喧騒ではなく、レイドバック期のクラプトン特有の倦怠感だ。
そんな背景からも「No Reason to Cry」は、騒がしく暑かった夏の終わりにぴったりのアルバムだと思う。
| エリック・クラプトン | 21:48 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑















