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初冬に聴く「Facing You」

 特に意識をしているわけではないけれど、秋から冬にかけてはジャズを聴く時間が長くなる。
 春から夏は、ロックとジャズの比率が8:2くらいなのに、寒くなって雪がちらつき始めると、これが5:5のイーブンに近づいていく。北海道の厳しい冬には、派手なロックよりも、ジャズが似合う気がするからだ。
 ただし、例外はボブ・ディラン。彼の無愛想な声は、冬に聴くのがふさわしい。これから迎える本格的な冬のBGMは、ボブ・ディランとジャズが中心になっていく。

Facing YouFacing You
Keith Jarrett


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 ぼくの中でジャズの季節である冬。そして、初冬によく聴くのがキース・ジャレットの「Facing You」だ。
 このアルバムはキース・ジャレットがキャリアの中で、初めてソロピアノに挑戦したアルバム。さらに、現在まで30年以上も関係が続く、ドイツのECMレーベルから初めてリリースしたアルバムであり、数年後にリリースされる「ケルン・コンサート」への布石ともいえる。
 つまり「Facing You」はキース・ジャレットの長いキャリアの中でも、特別な意味を持つ1枚なのだ。

 このアルバムに関しては、くどくどと中身の説明をするのは野暮なことかもしれない。比較的コンパクトな長さの全8曲の流れに、耳をゆだねていればいい。
 難解なアルバムではないし、素直に「あー、きれいなメロディだなあ」と聞き流しているうちに、キース・ジャレットというピアニストの良さが分かってくる。「Facing You」は、そんなアルバムではないだろうか。
 でも、単に可憐で美しいメロディを弾くだけが、キース・ジャレットではない。マイルス・デイビスとの関係を重ね合わせて考えると、このアルバムから彼の凄玉ぶりが見えてくるのだ。

 実は「Facing You」をレコーディングした時に、キース・ジャレットはマイルスとヨーロッパツアー中だった。そのオフの日を利用して、このアルバムをレコーディングしたのである。
 どこかのグループに所属しながらも、コンスタントにソロアルバムをリリースする。これはジャズの世界では当たり前のことで、別に何の問題もない。しかし、キース・ジャレットが所属していたころのマイルスは、最も過激なエレクトロニクス期を突き進んでいた。優雅にスタンダードナンバーの「枯葉」をプレイしてのではなく、どこまでも過激な「ディレクションズ」や「ファンキー・トンク」を、ステージでぶちまけていたのだ。
 当然、キース・ジャレットもおとなしくピアノを弾いていたわけではない。リングモジュレーターというエフェクターを通したエレピやオルガンで「ギャコ、ギャコ」とマイルスをあおりまくっていたわけで、この時期のブートを聴くと、2人のインタープレイは壮絶だったことが、よーく分かる。

 オフィシャル盤ではロックの殿堂フィルモア・イーストで録音された2枚組みの「At Fillmore」で、過激なキース・ジャレットが聴ける。
 このアルバム、かっこよさが連続するから聴き所が多い。そして、マイルスにケンカを売り続けるキース・ジャレットの凶暴なオルガンも、このアルバムの大きな魅力のひとつだ。

 
At Fillmore: Live at the Fillmore EastAt Fillmore: Live at the Fillmore East
Miles Davis


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 でも、そんな過激なツアーの合間に「Facing You」のようなアルバムを、たった1日でさらりとレコーディングしちゃうのだから、キース・ジャレットという人は只者じゃない。
 マイルスというダークで強力な音楽の世界の真っ只中に身を置いているのに、そこからスルリと抜け出して、何の影響も感じられない「Facing You」のようなアルバムを作るのには、とてつもないパワーがいるはず。でも「Facing You」からは、マイルスの「マ」の字も感じられない。これはよく考えれば凄いことなのだ。

 つまり「Facing You」というアルバムは、マイルス・デイビスという巨大な嵐の中にある一瞬の静寂のようなもので、初冬の穏やかな天気の日の午後に聴くのが、もっともふさわしい。

| ジャズの名盤 | 22:37 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

今晩は! woodstock69さん。
冬になるとロックとジャズを聴く比率が変わるっていうのはぼくと同じです。実のところぼくは現在ロックはストーンズかエアロスミス、それとボブ・ディランしか聴かなくなったので、元々比率的にはソウルやジャズのほうが多いかもしれません。マイルスが好きだというのもぼくと趣味が重なります。でもキース・ジャレットは興味はあるものの未だ手付かずのジャズメンですね。同じソロピアノではモンクのほうが官能的で好みに合うといいますか(汗)。この辺が趣味が分かれるところですね、唯一(笑)。

| 活字中毒 | 2007/11/28 20:24 | URL | ≫ EDIT

活字中毒さん、こんばんわ。
ぼくは北海道に移り住んでから本格的にジャズを聴き始めました。
だから、ジャズ歴は10数年程度ですが、冬は圧倒的にジャズが良いですね。
特に真冬に聴くマイルスのクールな音はたまらないです。
熱狂しながらも、常に醒めているマイルスの視点も、冬のほうがよく分かるような気がします。

キース・ジャレットはどちらかという女性が好むピアニストかもしれませんね。
その対極にいるのがモンクで、彼は変化球を多用するし、音符のすき間を表現できるピアニストのような気がします。
ちなみに、ぼくがマイルスのグループに加入していたピアニストで一番好きなのは、ハービー・ハンコック。
ファンキーで節操のないところが良いですね。

| woodstock69 | 2007/11/30 19:52 | URL | ≫ EDIT















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