2008.03.02 Sun
昭和の時代の全日本プロレスとロック
ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、天龍といった日本人レスラーに加えて、デストロイヤー、ハーリー・レイス、ミル・マスカラス、リック・フレアーといった豪華外人レスラーも登場して、子どもの頃からプロレスを見ていた者にとっては、たまらない試合が続くのだ。
ちなみに、今月のライナップはジャンボ鶴田VSリック・マーテル、鶴田・天龍VSハンセン・ブロディー、谷津嘉章VSタイガーマスク、ラッシャー木村VSジャイアント馬場、ドリー・ファンクJRVSドン・レオ・ジョナサンの5本。ねっ、よく知られた名勝負から通好みの隠れた好カードまでが揃っていて、たまんないでしょ。
「昭和TV」で見られるの試合がテレビで流れていた頃、ぼくは新日本プロレスのほうが好きで、熱狂的な猪木信者だった。だから、ぼくにとって金曜夜8時は「ワールドプロレス」の時間で「金八先生」も「太陽にほえろ」も見た記憶がない。
そして、プロレスの話になると、必ず「馬場と猪木、どちらが強くて、どっちが好きか」という展開になって、ある意味で好対照だった両団体のプロレス、試合内容はファンの議論の的でもあった。こうして思い返して見ると、あの頃は子どもだけではなく、大人もプロレスに対してピュアな時代だった。
殺伐としたムードに陥ることも多かった新日本プロレスに比べて、全日本プロレスの会場には、どこかほのぼのとしたムードが漂っていた。当時はその緩んだ空気感があまり好きではなかったのだが、今ではそれこそが全日本プロレスの魅力ではなかったのかと思える。
今のプロレスに比べると、技の数も少なく、動きにも派手さはないが、パソコンで見る全日本プロレスの試合からは、あの時代にしか出しえなかった懐かしくも新鮮な匂いが漂ってくる。これは単なるノスタルジーなのかもしれない。でも、プロレスに一時期ほどの人気と勢いがない今だからこそ、昭和の全日本プロレスが輝いて見える気もする。
基本的に「昭和TV」ではテレビで放映された試合のVTRを流しているのだろうが、レスラーの入場シーンだけ音声が出なくなり、無音になる場合がある。おそらく著作権の関係で、入場テーマ曲が流れているシーンの音声を聞かせることができないのだと思う。
これはとても残念なだけど、当時は各レスラーにイメージにピッタリのロックが入場テーマ曲として使われることも多く、そこから火がついて、ヒットする場合もあったほどだ。
たとえば、これ。イギリスのバンド、ジグソーの「スカイハイ」。
もともとは映画の主題曲として作られたものだが、メキシコのマスクマン、別名「千の顔を持つ男」のミル・マスカラスの入場曲に使われるようになって、一気に有名な曲になった。
次はピンク・フロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐」。
ロジャー・ウオーターズのベースによるイントロが印象的なインスト曲だが、アブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲として使われるようになってから、日本独自の企画でシングルカットもされたほどだ。
「吹けよ風、呼べよ嵐」のイントロは、まさにブッチャーのイメージにぴったりで、この曲をテーマ曲に選んだ人は、かなりのセンスでロックのことをよーく知っていると思う。
ちなみに原題は「One of These Days」で、ちっとも「吹けよ風、呼べよ嵐」ではないところもステキだ。
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冒頭に「吹けよ風、呼べよ嵐」が収録されているピンク・フロイドのアルバム「Meddle」は邦題を「おせっかい」といい、ラストの20分以上にも及ぶ「Echoes」はプログレ屈指の名曲で、今聴いても斬新な展開にゾクゾクする。
最後はテリー・ファンクとドリー・ファンクJRの兄弟コンビ、ファンクスのテーマ曲だった「スピニング・トーホールド」。
ファンクスの必殺技の名前がタイトルで、曲を作る段階から彼らを意識したと思われる1曲。
切れ味が良くって、かっこいいリフ(ぼくはもギターの練習のウオーミングアップで、未だに弾いてしまう)は、相手の足をつかんでクルクル回って締め上げる技のイメージにピッタリで、まさに「スピニング・トーホールド」だ。
そのクリエイションが4月に開催される「ROCK LEGENDS」という2日間のライブに登場する。
4月19日がクリエイションと四人囃子との競演、20日はソロ・デビュー前にチャーが所属していたバンド、スモーキー・メディスンの単独ライブとなっているが、70年代の日本ロック聴いていた人にはたまらないメンツですなあ、こりゃあ。

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| BEATな話題 | 11:06 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑