2008.04.12 Sat
トゥルーバイパスと木材の産地偽装
このところ、エレキギターの周辺で少々きな臭い話題が増えている。
まず、ここで以前に紹介したペダルチューナー「Ibanez LU20」がトゥルーバイパスではなかったという話。
トゥルーバイパスとは、エフェクター内部の電子回路をエレキギターの信号回路から切り離して、エフェクターを使っていない時にトーンの劣化を防ぐ方法である。ギター本来のトーンの劣化を最小限に抑える回路とされ、最近では多くのエフェクターに採用されている。
「Ibanez LU20」は低価格のペダルチューナーにも関わらず、トゥルーバイパスを採用したことで、話題になった1台だ。公式サイトの商品紹介にも「原音の劣化を抑えるトゥルー・バイパス回路採用」と誇らしげに書いてある。
しかし、「ギター・エフェクターの自作改造−松美庵」の松美庵さんが分解したところ「Ibanez LU20」はトゥルーバイパスではなかったというのだ。
●Ibanez LU20 TUNER 分解検証
ぼくは電気回路にそれほど詳しくないけれど、多くのエフェクターを分解し、自作もされている松美庵さんの「トゥルーバイパスではない」という判断は、客観的にみても正しいと思う。
ただ、このトゥールバイパスの表記については、業界内でも明確な基準がないようで、メーカーが「トゥルー・バイパスを採用」と謳えば、そのエフェクターはトゥールバイパスということになるようだ。
「Ibanez LU20」も発売されてから、それなりの時間が経過しているが、松美庵さんが分解してみるまで「トゥルー・バイパス疑惑」がネット上で話題になることはなかったと思う。少なくとも、ぼくは「Ibanez LU20」を使っていて、音の劣化をそれほど感じられなかった。
これには「このチューナーはトゥルー・バイパスだから、音が変わらないのだ」と思い込んでいた影響もあるだろう。しかし、毎日使っているチューナーだけに、明らかな音の変化があれば「おかしいなあ?」と気付くはず。その点から考えると、仮にトゥルー・バイパスではなくても、「Ibanez LU20」はよく出来たチューナーってことになる。
今後も、ぼくは「Ibanez LU20」を使い続けていくつもりだが、今回の「トゥルー・バイパス疑惑」については、何となくモヤモヤ感が残る。できれば、この件に関するメーカー側の見解を聴きたいところだ。
次はギターに使用される木材の表記について。
昨年、多くの食品偽装問題が明るみになった時、ぼくは「そういや、ギターはどうなんだろうな」と考えた。
例えば、ストラトキャスターやテレキャスターのボディ材に使われているアッシュとアルダーの違いなんて、素人には簡単には分からない。それでも、木目の透けて見えるサンバーストやブロンドなら、目利きの出来る方になら判別ができるだろう。しかし、木目の見えない塗りつぶしのカラーの場合は塗装を剥がさないと見た目では判別不能なわけで、こうなるとメーカーの表記を信用するしかない。それでも、耳の鋭い方なら木材の違いをギターのトーンで判別できるかもしれないが、同じくこれも素人には無理だろう。
つまり、ギターの素材の表記については、偽る気になれば、簡単に偽ることができそうな気がする。命に関わる食品と趣味の楽器では商品としてのあり方がまったく異なるから、表記の偽装に関する規制や罰則も、おそらく皆無だろう。消費者としてはメーカー側のモラルを信じるしかなさそうだ。
そんなことを考えていると「某楽器店店長のブログ」に、こんなエントリーが書かれていた。
●楽器業界の危惧
詳しい内容はリンク先を読んでいただきたいが、ギター好きにはなかなかショッキングな内容である。
驚くべきことに、最初に書いた「トゥルー・バイパス」と同じで、木材の産地などの表記については正式なルールがないそうだ。例えば、ホンジュラス産ではないマホガニーを「ホンジュラス・マホガニー」と偽っても、誰にも分からないし、誰からも責められることがない。うーん、これってどうなんだろう?
結論として「某楽器店店長のブログ」の中でも書かれているように、良い楽器と出会いたいなら自分の耳と目を磨くしかないのだろう。
でも、自信を持って、楽器の良し悪しを判別できるレベルまで耳と目を磨き上げるには、時間とお金、そして労力がかかる。だからこそ「あのミュージシャンが使っている、この逸品」「ネット上での評判が良い」などという評価がもてはやされるのだろうが、やっぱり好きなモノだからこそ、楽器に対する自分自身の判断力を鍛えないとなあ。
いずれにせよ、今回の2件の記事は、ぼくにとって良い教訓になった気がする。

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まず、ここで以前に紹介したペダルチューナー「Ibanez LU20」がトゥルーバイパスではなかったという話。
トゥルーバイパスとは、エフェクター内部の電子回路をエレキギターの信号回路から切り離して、エフェクターを使っていない時にトーンの劣化を防ぐ方法である。ギター本来のトーンの劣化を最小限に抑える回路とされ、最近では多くのエフェクターに採用されている。
「Ibanez LU20」は低価格のペダルチューナーにも関わらず、トゥルーバイパスを採用したことで、話題になった1台だ。公式サイトの商品紹介にも「原音の劣化を抑えるトゥルー・バイパス回路採用」と誇らしげに書いてある。
しかし、「ギター・エフェクターの自作改造−松美庵」の松美庵さんが分解したところ「Ibanez LU20」はトゥルーバイパスではなかったというのだ。
●Ibanez LU20 TUNER 分解検証
ぼくは電気回路にそれほど詳しくないけれど、多くのエフェクターを分解し、自作もされている松美庵さんの「トゥルーバイパスではない」という判断は、客観的にみても正しいと思う。
ただ、このトゥールバイパスの表記については、業界内でも明確な基準がないようで、メーカーが「トゥルー・バイパスを採用」と謳えば、そのエフェクターはトゥールバイパスということになるようだ。
「Ibanez LU20」も発売されてから、それなりの時間が経過しているが、松美庵さんが分解してみるまで「トゥルー・バイパス疑惑」がネット上で話題になることはなかったと思う。少なくとも、ぼくは「Ibanez LU20」を使っていて、音の劣化をそれほど感じられなかった。
これには「このチューナーはトゥルー・バイパスだから、音が変わらないのだ」と思い込んでいた影響もあるだろう。しかし、毎日使っているチューナーだけに、明らかな音の変化があれば「おかしいなあ?」と気付くはず。その点から考えると、仮にトゥルー・バイパスではなくても、「Ibanez LU20」はよく出来たチューナーってことになる。
今後も、ぼくは「Ibanez LU20」を使い続けていくつもりだが、今回の「トゥルー・バイパス疑惑」については、何となくモヤモヤ感が残る。できれば、この件に関するメーカー側の見解を聴きたいところだ。
次はギターに使用される木材の表記について。
昨年、多くの食品偽装問題が明るみになった時、ぼくは「そういや、ギターはどうなんだろうな」と考えた。
例えば、ストラトキャスターやテレキャスターのボディ材に使われているアッシュとアルダーの違いなんて、素人には簡単には分からない。それでも、木目の透けて見えるサンバーストやブロンドなら、目利きの出来る方になら判別ができるだろう。しかし、木目の見えない塗りつぶしのカラーの場合は塗装を剥がさないと見た目では判別不能なわけで、こうなるとメーカーの表記を信用するしかない。それでも、耳の鋭い方なら木材の違いをギターのトーンで判別できるかもしれないが、同じくこれも素人には無理だろう。
つまり、ギターの素材の表記については、偽る気になれば、簡単に偽ることができそうな気がする。命に関わる食品と趣味の楽器では商品としてのあり方がまったく異なるから、表記の偽装に関する規制や罰則も、おそらく皆無だろう。消費者としてはメーカー側のモラルを信じるしかなさそうだ。
そんなことを考えていると「某楽器店店長のブログ」に、こんなエントリーが書かれていた。
●楽器業界の危惧
詳しい内容はリンク先を読んでいただきたいが、ギター好きにはなかなかショッキングな内容である。
驚くべきことに、最初に書いた「トゥルー・バイパス」と同じで、木材の産地などの表記については正式なルールがないそうだ。例えば、ホンジュラス産ではないマホガニーを「ホンジュラス・マホガニー」と偽っても、誰にも分からないし、誰からも責められることがない。うーん、これってどうなんだろう?
結論として「某楽器店店長のブログ」の中でも書かれているように、良い楽器と出会いたいなら自分の耳と目を磨くしかないのだろう。
でも、自信を持って、楽器の良し悪しを判別できるレベルまで耳と目を磨き上げるには、時間とお金、そして労力がかかる。だからこそ「あのミュージシャンが使っている、この逸品」「ネット上での評判が良い」などという評価がもてはやされるのだろうが、やっぱり好きなモノだからこそ、楽器に対する自分自身の判断力を鍛えないとなあ。
いずれにせよ、今回の2件の記事は、ぼくにとって良い教訓になった気がする。
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| エレキギター、再び | 09:33 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑














