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4月19日を「レコード屋さんの日」に

 昨日、4月19日を「レコード屋さんの日-RECORD STORE DAY」に制定しようという世界的な動きがあるようだ。
 どうして、4月19日が「レコード屋さんの日」にふさわしいのか、よく分からないけど、既に英語の公式サイトがあって、そこにはポール・マッカートニーやブルース・スプリングスティーンからのコメントが寄せられている。
 こんな記念日を制定しようしている背景には、日本だけではなく、アメリカやイギリスでも、レコード店の閉店が相次いでいるという事情があるようだ。

 ぼくの住んでいる街でも、2年前に大きめのレコード店が閉店してしまって、CDや楽器を扱っているお店は一軒しかない。そこはおじさんとおばさんが家族でやっているような小さな店で、品揃えは演歌が主力。だから、日常生活の中では、お店でCDを見ながら買えなくなってしまった。
 2000年あたりから、ぼくはCDの主な購入先をネット通販にシフトさせていたので、大きめのレコード店が閉店した時も「アマゾンがあるから、関係ないや」と思っていた。少々マニアックなCDでも簡単に手に入り、お店まで行かなくても家に届いて、さらに値段も安いネット通販はあまりに魅力的だったからだ。

 ネットからダウンロードして、MP3プレイヤーで聴くことが主流になっても、ぼくのようにレコードで育った世代は、CDという現物を手元に置いておきたい思っているはずだ。レコード店の衰退をネットや携帯からダウンロードが原因とする意見が目立つけれど、消費者がCDの主な購入先をネット通販に変えてしまったことも、レコード店の衰退の大きな原因のひとつではないだろうか。

 歴史を振り返れば、音楽は記録するメディアの影響を大きく受けてきた。
 例えば、1950年前後に収録時間の短いSP盤が長時間再生可能なLPレコードに切り替わっていった時、音楽の表現の幅が一気に広がった。マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」などはLPレコードの普及なしには存在できなかったジャズの名盤だろう。
 さらに、ビートルズも様々なテクノロジーやレコーディング技術、記録メディアの進歩と共に成長し、音楽スタイルを大きく変えていったグループだ。

 そして、1982年にCDが登場する。
 メーカー側に早くCDを普及させたいという思惑があったとはいえ、わずか4年後の1986年にはCDの販売枚数がレコードを追い抜いてしまった。これはネットからのダウンロード販売の売り上げ高がCDを上回った現在の状況と同じ。つまり、歴史は繰り返すのだ。
 しかし、ダウンロード販売には実店舗が必要ない。そのために、音楽産業の構造が大きく変わってしまうことが問題なのだろう。


 ぼくは1960年代生れなので、レコードの全盛期とCDへと急激に移り変わった時代をよく知っている。さらに、インターネットというメディアとも創成期のころから付き合ってきた。
 そんな中で実感しているのは、音楽を記録するメディアが小さくお手軽になるたびに、中に入っている音楽自体も小さくなって、鑑賞する音楽から消費される音楽に変わっていったことだ。

 たとえば、LPレコードの時代はレコードを聴くという行為が儀式的ですらあった。その儀式はレコードを買う時点から始まっていた。
 少ないおこずかいを貯めて、レコード店に行って「これだ!」という1枚を時間をかけて選ぶ。子どもにとって、決して安くはなかったLPレコードを買う時には、ハズレを選ぶことは許されなかったのだ。

 そして、慎重に選んだLPレコードを大事に抱えて、家に戻り、レコードプレイヤーに乗せる。
 この時も、今のCDプレイヤーのようにボタンを押すだけとはいかず、レコードの上に針を慎重に置かなければならかった。さらに、A面が終わると、一度立ち上がってレコードをB面にひっくり返すという儀式もあった。
 レコードが回って、スピーカーから出てくる音には、とにかく集中して耳を傾けた。たとえ買ったレコードが、初めて聴いた時には理解不能で「ハズレだったかな」と感じたとしても、良さが分かるまで無理をして何度も聴いた。「レコードが擦り切れるまで聴く」という表現は決してオーバーではなく、実際にそれに近い聴き方をしていたのだ。

 とにかく、レコードをかける時は純粋に音楽を聴く時間で、大切なレコードを何かをしながらBGMとして聴くことはできなかった。ぼくがここで紹介している名盤の数々も、そうしたレコードの時代に初めて聴いたものが多い。そして、レビューを書きながら「レコードで聴いてたものは、体への浸透力が違うな」と感じている。

 でも、ぼくはレコードの時代にはもう戻れない。レコードプレイヤーを買ってみようかなと思ったことはあったけれど、今は生活の中にあの儀式を繰り返す余裕はなく、お気楽に聴けるCDばかりが増えていく。そのCDですら、今や時代遅れになろうとしてのに・・・・。

僕の音盤青春記 1971-1976僕の音盤青春記 1971-1976
牧野 良幸


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 最近読んだ「僕の音盤青春記 1971-1976」の作者の牧野良幸氏は、ぼくより4歳年上のようだが、レコードを聴くことが特別な行為だった時代の少年の気持ちが鮮やかに描かれている一冊だと思う。


 そういえば「RECORD STORE DAY」のHPで、一番最初にコメントが紹介されているポール・マッカートニーが、現在契約しているレコード会社はビートルズ以来所属していたイギリスのEMIではなく、スターバックスが設立したレコードレーベル「Hear Music」だ。
 そして、ポールの最も新しいアルバム「Memory Almost Full」は、従来のレコード店だけではなく、全世界のスターバックスの店舗でも販売されている。さらに「iTunes Music Store」では、1970年から現在までに発表されたポールのソロアルバム前25枚分の音源が、ダウンロード購入することが可能だという。

Memory Almost FullMemory Almost Full
Paul McCartney


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 ポールのような大物アーチストですら、レコード店以外の場所にCDの販路を求め、すべてのソロアルバムを「iTunes Music Store」でダウンロード販売する時代である。この先もレコード店、CDショップの衰退には歯止めが利かないかもしれない。

 でも、自分の街からレコード店が消えるということは、文化の発信地のひとつが消えることに等しい。CDのジャケットを手にとって見ながら買うという行為は、ぼくの日常生活の中の楽しみのひとつだったし、店で初めて出会った音楽もあった。
 困ったことに、この手の普通の楽しみの大切さは、失ってみて初めて分かることなのだ。

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| BEATな話題 | 18:30 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

自分は金銭的に余裕がないので、殆どの楽曲はレンタルしてituneにインポートさせるか、資料として聴く場合はyoutubeを使ってました。

ただ音楽好きとしてこれでいいのか?と最近考え直し、休みの日はなるべくレコードショップやCDショップの通うようにしています。

高校時代お金を貯めてこれと決めたCDを買ってました。この感覚は大事にしないととwoodstockさんの記事を読んで反省しました。いろんな問題がありますが、CDショップは無くなって欲しくないです。

しかし、レコードの創世記も知っているなんて羨ましいです・・。

| なたか | 2008/04/24 23:34 | URL | ≫ EDIT

なたかさん、こんばんわ。

今はインターネットを使えば、様々な音源や映像が無料で聴けたり、見られたりしますが、その分の1曲の重みが軽くなっている気がします。
でも、今さらレコードには戻れないわけで、今の時代に即した音楽のあり方があるんでしょうね。

昔は良かったぞ、なーんて言う気はありませんが、聞き流すには惜しい曲はたくさんあります。
また、手軽に消費される音楽というのも寂しい。

デジタルの恩恵にあやかりつつ、たまにはゆっくりと音楽に向き合う時間を作らないとなあと思っています。
でも、CDだとついついリモコンでスキップしちゃうんだよなあ。

| woodstock69 | 2008/04/27 22:14 | URL | ≫ EDIT

私の地元である京都でも、行きつけのレコード屋が数年前に相次いで閉店しました。一軒目はカントリー専門店、もう一軒はアメリカン・ロック、SSW、R&Bなどを中心に品揃えをしていた店です。
どちらも経営難が閉店の理由ですが、こういった特色ある店が生き残れない時代になったようですね。アマゾンなどネット販売の売価が仕入れ価格より安いとなれば店を続けて行くことも出来ません。
ネットからのダウン・ロードやネット通販などインターネットが発達したことで、人々の音楽に対する向き合い方も大きく変化していると思います。お気に入りのアーティストの関連を探っていくなどという行為をする人は少数派となるでしょう。いや、そんな聴き方をするほうがもともと一般的ではなかったのかもしれません。
注目されたスターバックスが早くも音楽産業からの撤退を表明。ポール・マッカートニーはEMIに復帰出来るかもしれませんが、ジェームズ・テイラー、カーリー・サイモン、ジョニ・ミッチェルらは冷や飯を食わされそうで心配です。

| 裏通り | 2008/05/21 15:06 | URL | ≫ EDIT

裏通りさん、こんばんわ。
昔の京都は個性的なレコード屋さんがいっぱいありましたよね。
ぼくの中では、大阪がブルース、京都はカントリーとブルーグラスというイメージがあります。
でも、京都のカントリー専門のレコード店も閉店しちゃうってのは、時代の流れを感じます。
あるジャンルに特化したレコード店ですら、経営難になってしまうのですから、地方のレコード店はひとたまりもないという感じでしょうか。
そうえば、ぼくが生まれた大阪の老輔的レコード店だったワルツ堂も経営破綻したようですね。

あれもこれも時代の流れといってしまえば、それまでですがレコード店って単なるお店ではなく、文化を発信する場所でもあったと思います。
安価に消費されるだけの音楽ってのは、何だか寂しいですね。

それから、スターバックスの撤退のニュースは知りませんでした。
ぼくはジョニ・ミッチェルも好きなんですが、確か彼女は従来のレコード会社の売り上げ至上主義的な姿勢に幻滅して、移籍したはず。
うーん、残念ですね。

| woodstock69 | 2008/05/22 18:21 | URL | ≫ EDIT















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