2008.07.29 Tue
アナログと地デジと真空管アンプ
数日前の夕方、教育テレビの子供向けの番組を見ていた長男が「おとうさん、テレビに『アナグロ』って文字がずっと出ているよ」といってきた。「なんじゃ、そりゃ」と見に行くと、確かに画面の右上の隅に「アナログ」という文字が出ている。
ちなみに、ウチの長男は「地デジ」のことを「ジデジ」と読むので、ホントは「アナグロ」では「アナログ」が正解なのだが、画面の隅の文字に気が付くと、これが実に目障りなのだ。
気になって、ネットで調べてみると、この文字が入り始めたのは24日からで、ちょうど3年後の地上波アナログ停波に向けての対応らしい。ということは、停波ギリギリまで地デジにするつもりのない我が家は、この文字をこれから3年間も見続けることになるわけで「言われなくても、ウチのテレビがアナログのなのは分かってるわい」と、なんだが腹が立ってくる。
「そもそも、地デジのメリットって何だ?」と調べてみると、まず画質が良くなるそうだ。でも、これって当然ハイビジョン対応のテレビでないと意味がないわけで、我が家にある旧式のブラウン管のテレビではあまり意味がないだろう。
さらに、双方向のコミュニケーションが可能らしいが、別にクイズ番組に参加する気はないし、テレビで買い物もできるらしいけれど、それはネット通販でも充分な気がする。
いずれにせよ、3年後には地デジ対応のテレビかチューナーを買わないと、壊れてもいないのにテレビが見られなくなるなんて、納得いかない部分があるぞ。何もかも、デジタルにするなよなあ。

そんなことを考えながら、昨日はフェンダー・ジャパンのツイード・チャンプの真空管を交換した。
このアンプ、15年ほど前に作られたものだが、おそらく真空管は一度も換えられていない。近ごろ、少し夏バテ気味でノイズものるようになったので、パワー管とプリ管をロシア製の新品の真空管を取り付けてみると、元気な音がアンプに戻ってきた。
慣れてしまえば、真空管の交換はわずか数分で終わる作業だ。しかし、同じ形式であっても、真空管には個体差があって、パワー菅とプリ菅を換えることで歪みの具合やトーンが微妙に変わる。このあたりもトランジスタ・アンプにはマネのできないところで、真空管アンプの面白いところだ。
ぼくはアンプの音から真空管にしか出しえないトーンを感じるし、キャビネットの裏でほのかに輝くオレンジ色の光には、何ともいえぬ暖かみがある。感情に訴えかける音楽というジャンルには「0」と「1」という信号ですべてを割り切ってしまうデジタルでは表現できない何かがあると思う。
とはいえ、デジタルが全盛期の現在、真空管はアナログの極みのような電子部品だ。普通に生活していれば、まず目にすることはないだろう。しかし、ギターやオーディオの世界ではバリバリの現役である。音を増幅するという単純な目的のためなら、未だに真空管は充分使える電子部品なのだ。
その証拠として、多くのプロのギタリストが真空管アンプを愛用しているし、最近では毎月のように真空管を使ったニューモデルのギターアンプが登場する。
そして、その中には真空管とデジタルを巧みに融合させようとしているものある。

Fender USA Super Champ XD
例えば、このフェンダーのアンプも、その中のひとつ。真空管を使ったプリアンプ、パワーアンプに、デジタルのエフェクトとモデリングアンプを組み合わせた21世紀型のスーパーチャンプだ。
これまで、ぼくはこの手のアンプに懐疑的で「別にチューブアンプだけでいいじゃん」と思っていた。でも、ちょっと前のエントリーに書いた「弦六本舗」さんで試奏用に置いてあった「Fender USA Super Champ XD」の音を聴いて、とても驚いた。クリーントーンとリバーブの音が想像以上に美しかったのだ。その音はチューブアンプ以外の何者でもなく、10インチのスピーカーが使われているせいか音圧も充分で、低音の出方にも迫力があった。
実売価格が3万5千円程度なので、16種類のエフェクトと16種類のアンプモデリングのデジタル部分はおまけと考えても、クリーンチャンネルとリバーブだけで充分におつりのくるアンプではないだろうか。
世の中がいくらデジタル化したところで、それを使う人間の身体構造は根っからのアナログなんだから、デジタルからの恩恵を受けつつ、アナログ的に生きるべきかもしれない。
「Fender USA Super Champ XD」は、こんな風に少し高尚なことすら考えさせてくれる良質のアンプだった。

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ちなみに、ウチの長男は「地デジ」のことを「ジデジ」と読むので、ホントは「アナグロ」では「アナログ」が正解なのだが、画面の隅の文字に気が付くと、これが実に目障りなのだ。
気になって、ネットで調べてみると、この文字が入り始めたのは24日からで、ちょうど3年後の地上波アナログ停波に向けての対応らしい。ということは、停波ギリギリまで地デジにするつもりのない我が家は、この文字をこれから3年間も見続けることになるわけで「言われなくても、ウチのテレビがアナログのなのは分かってるわい」と、なんだが腹が立ってくる。
「そもそも、地デジのメリットって何だ?」と調べてみると、まず画質が良くなるそうだ。でも、これって当然ハイビジョン対応のテレビでないと意味がないわけで、我が家にある旧式のブラウン管のテレビではあまり意味がないだろう。
さらに、双方向のコミュニケーションが可能らしいが、別にクイズ番組に参加する気はないし、テレビで買い物もできるらしいけれど、それはネット通販でも充分な気がする。
いずれにせよ、3年後には地デジ対応のテレビかチューナーを買わないと、壊れてもいないのにテレビが見られなくなるなんて、納得いかない部分があるぞ。何もかも、デジタルにするなよなあ。

そんなことを考えながら、昨日はフェンダー・ジャパンのツイード・チャンプの真空管を交換した。
このアンプ、15年ほど前に作られたものだが、おそらく真空管は一度も換えられていない。近ごろ、少し夏バテ気味でノイズものるようになったので、パワー管とプリ管をロシア製の新品の真空管を取り付けてみると、元気な音がアンプに戻ってきた。
慣れてしまえば、真空管の交換はわずか数分で終わる作業だ。しかし、同じ形式であっても、真空管には個体差があって、パワー菅とプリ菅を換えることで歪みの具合やトーンが微妙に変わる。このあたりもトランジスタ・アンプにはマネのできないところで、真空管アンプの面白いところだ。
ぼくはアンプの音から真空管にしか出しえないトーンを感じるし、キャビネットの裏でほのかに輝くオレンジ色の光には、何ともいえぬ暖かみがある。感情に訴えかける音楽というジャンルには「0」と「1」という信号ですべてを割り切ってしまうデジタルでは表現できない何かがあると思う。
とはいえ、デジタルが全盛期の現在、真空管はアナログの極みのような電子部品だ。普通に生活していれば、まず目にすることはないだろう。しかし、ギターやオーディオの世界ではバリバリの現役である。音を増幅するという単純な目的のためなら、未だに真空管は充分使える電子部品なのだ。
その証拠として、多くのプロのギタリストが真空管アンプを愛用しているし、最近では毎月のように真空管を使ったニューモデルのギターアンプが登場する。
そして、その中には真空管とデジタルを巧みに融合させようとしているものある。

Fender USA Super Champ XD
例えば、このフェンダーのアンプも、その中のひとつ。真空管を使ったプリアンプ、パワーアンプに、デジタルのエフェクトとモデリングアンプを組み合わせた21世紀型のスーパーチャンプだ。
これまで、ぼくはこの手のアンプに懐疑的で「別にチューブアンプだけでいいじゃん」と思っていた。でも、ちょっと前のエントリーに書いた「弦六本舗」さんで試奏用に置いてあった「Fender USA Super Champ XD」の音を聴いて、とても驚いた。クリーントーンとリバーブの音が想像以上に美しかったのだ。その音はチューブアンプ以外の何者でもなく、10インチのスピーカーが使われているせいか音圧も充分で、低音の出方にも迫力があった。
実売価格が3万5千円程度なので、16種類のエフェクトと16種類のアンプモデリングのデジタル部分はおまけと考えても、クリーンチャンネルとリバーブだけで充分におつりのくるアンプではないだろうか。
世の中がいくらデジタル化したところで、それを使う人間の身体構造は根っからのアナログなんだから、デジタルからの恩恵を受けつつ、アナログ的に生きるべきかもしれない。
「Fender USA Super Champ XD」は、こんな風に少し高尚なことすら考えさせてくれる良質のアンプだった。
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| エレキギター、再び | 13:11 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑














