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キャロル・キング-ライブレポート、11月14日大阪厚生年金会館2

The Living Room TourThe Living Room Tour
Carole King


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 今日は12月2日に書いたエントリーの続き。
 キャロル・キングのライブレポート後編、休憩明けの第二部についてです。


 20分の休憩後に始まった第二部のオープニングは「アイガ、チキュウヲマワシテイマス」のMCと共に始まった「Love Makes The World」。オールディズ・メドレーで締めくくった第一部に続いて、第二部の頭に新曲を持ってくるところは、なかなかニクイ演出だ。

Love Makes the WorldLove Makes the World
Carole King


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 この曲をタイトルにしたアルバムは2001年にリリースされた。新曲といっても7年も前のものだけど、ぼくはリリース直後にこのアルバムを聴いて、キャロル・キングが未だに瑞々しさを失っていなかったことに驚いた。
 ぼくはこのアルバムが「リビングルーム・ツアー」の開始、精力的な活動の再開のひとつのきっかけになったと思っている。

 また、アルバムのリリースは「9.11」のニューヨークの同時多発テロの直後でもあり、世界が騒然としている時に、あえて「愛が地球を作っている。私はそれを信じることを止められない」と唄う「Love Makes The World」の愚直なまでの誠実さに心が震えた。
 その印象は、今回のライブのピアノによる弾き語りバージョンでも変わりはなく、第二部のオープニングから、早くも目がウルルン状態に。

 続く「Sweet Seasons」では、大統領選挙でオバマが当選(キャロル・キング自身も支持者らしい)した直後とあって、曲の途中に「オバマ」というフレーズが挿入されていた。でも、この曲、歌詞はなかなか意味深だ。
 「うまくゆくこともあれば、だめなこともある。望みどおりになったと思った瞬間にだめになってしまうことだってあるわ」というフレーズで始まり「スイートな季節はステキ。でも、それは知らぬ間にやってきて、やがて去っていくもの」で終わる「Sweet Seasons」という唄に、笑顔を浮かべて「オバマ」という単語をはめ込んだキャロル・キング。もちろん、オバマの当選を祝福しているのだろうけれど、単純に「これからの世界は素晴らしくなる」と思っているわけでもなさそうな気がする。

 第二部の3曲目の「It's Too Late」は、いささか食傷気味の曲(ストーンズでいえば「アンジー」のような)。でも、目の前でキャロル・キングに唄われると、やはり聞き惚れてしまう。
 そして、個人的にはあまりに思い入れのない曲だからこそ、逆に唄を聴くことに集中できて分かったことがある。ちょっとしわがれた声、エレキギターでいえばクランチ気味のトーンがキャロル・キングの歌声の魅力のひとつなのだが、あれは偶発的に出るものではなく、意識的に発せられているのではないか。「It's Too Late」を冷静に聴いていて、そんなことを感じた。
 きっと、キャロル・キングは自分の声質を自在にコントロールできるのだ。キャリア40年以上、ハードなアメリカの音楽業界で生き残ってきたからのだから、当然のことかもしれないが、彼女もプロの中のプロだと思った。

 続いての「Chains」はビートルズもカバーしたオールディズの名曲。
 そして「(You Make Me Feel Like)A Natural Woman」だ。この曲、何度もライブ・バージョンを聴いているけれど、改めて「こんなにソウルフルな曲、唄い方だったのか」と驚いてしまった。
 例の合唱は若干控えだったような気がするけれど、確かに目の前にいるキャロル・キングのピアノに合わせて、あのメロディーを歌っている自分に、またも鳥肌である。

 そして、ライブも終盤。
 モンキーズに書いた「Pleasant Valley Sunday」に続く「Being At War With Each Other」はキャロル・キングのアルバムの中では異色であり意欲作の「Fantasy」の中の1曲。このアルバム、意外に知られていない気がするけれど、彼女の誠実さがひしひしと伝わってくるソウルフルな名盤だ。

ファンタジーファンタジー
キャロル・キング


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 歌詞の中にも「War」というフレーズが出てくるのから分かるように、明らかなメッセージソングだが、終盤にちょっとマイナーな「Being At War With Each Other」を唄って、じっくりと聴かせるあたりに、キャロル・キングの強固で変わらない意思を感じる。ぼくはこういうのを「ロックな姿勢」なのだと思う。

 本編のラストはキラーチューンのひとつ「I Feel The Earth Move」。最後のたたみかけるような唄とピアノに、またまた鳥肌。

 そして、スタンディングオベーションの中、キャロル・キングが一度舞台の袖に下がっていく。
 このスタンディングオベーション、今回のライブのように基本的に座って、じっくり聴いているからこそ可能なもの。いきなり総立ちのライブも嫌いじゃないけれど、ライブの最後になって立ち上がるってのも悪くはない。

 ぼくを含め、周りの人の多くは立ったままで拍手を続け、キャロル・キングが戻ってくるのを待つ。そして、ステージに戻ってきた彼女は、満面の笑みで拍手に応えて、ピアノに座る。
 始まったのは「So Far Away」。ここでぼくは感情の歯止めが効かなくなって、ボロボロと涙がこぼれてきた。「So Far Away」は大好きな曲だけど、正直なところキャロル・キングがどのように唄ったのか、よく思い出せない。

 そして、お決まりともいえる「You've Got A Friend」へ。
 この曲はキャロル・キングにとってのビートルズの「Yesterday」のようなもので、ひねくれ者のぼくは「今さら、この曲では泣かない、泣くもんか」と思っていたけど、堰を切ったように涙が流れてくる。ふと周りを見回すと、同じように涙をぬぐっている人がたくさんいる。
 最後はご陽気な「The Locomotion」で終わったから良かったもの「You've Got A Friend」でホールの外に放り出されたら、かなり恥ずかしいことになっていたような気がする。

 少し気持ちを落ち着かせてから、ロビーに出た時に「明日のチケットも販売中でーす」という声が聞こえてきた。でも、ぼくはあえてその声を無視した。
 もちろん、明日も見たいという気持ちはあった。手持ちのお金にも、少しの余裕はなくもない。チケットは買えるのだが「一夜限りの良さ」ってものがあるような気がした。そして、できるなら「私はもう70歳なのよ」と元気に唄うキャロル・キングにもう一度会いたいと思った。


 それしても、あの夜、あれだけ涙したのはなぜだろう?感性の瑞々しさも薄れてきた、どちらかというとすれっからしの40代後半の男があれほど泣くじゃくったのは、どうしてなのか?自分自身のことながら、今でも少し不思議な気がする。
 あえて理由をつけるとするなら、歌の力なのだと思う。キャロル・キングの歌声やメロディーには、心の奥底のツボをつく何かがあるのだ。

 ぼくはライブの帰り道、地下鉄の駅に向かう途中で、手をつないで歩く熟年の夫婦と思われるカップルを何組か見た。それは実にほのぼのとした光景だったけれど、彼らはいつも手をつないで歩いているわけではなく、きっとキャロル・キングの歌がそういう気分にさせたのだろう。

 さらに、前を歩いていた若いカップルからは、こんな話し声も聴こえてきた。
 「お客はおじさんとおばさんばっかやし、知らん曲も多かったけど、なんか良かったなあ」「でも、ウチらがあんな歳になった時に、誰のライブを聴きに行くんやろな。○○くん、思い浮かぶ歌手っている?」「うーん、誰やろな。でも、それはこれから探していったらええねんで」
 ぼくはこの若者らしい素直でポジティブな反応を、とてもうれしく思った。

 ステキな音楽はそれを受けとめる気持ちさえあれば、年齢や性別に関係なく、きっと誰の心にも届くもの。キャロル・キングのライブに行って、そんなことを感じた。

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| キャロル・キング | 12:41 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こんばんは。
非常に臨場感のこもった愛のあるレビューですね。最後のカップルの話も感動的です。そのおかげで、今日出かけた時になんとなく立ち寄ったCD店で、「つづれおり」と「ミュージック」を見かけたので買ってしまいました。初キャロル・キングです。「You've Got A Friend」以外はあまり知らなかったので、ほとんど初めて聞くような状態なのにも関わらず、なんだかウルウルきますね、理由はわかりませんけれど(笑)

| Kin | 2008/12/07 22:47 | URL | ≫ EDIT

Kinさん、こんばんわ。

今回、大阪までライブを見に行って、すごく良かったんですが、反省したこともあります。
それはネット上ですぐに公開されるセットリストなんかを見て、分かった気になっちゃいけないことですね。
若いカップの会話もそうですが、会場周辺の空気を含めて、実際に行かないと分からないことって、たくさんあるなあと思いました。

そうそう、初キャロル・キング、おめでとうございます。
これであなたもウルルン仲間かも。
でも、「つづれおり」も「ミュージック」も末永く聴ける名盤だと思いますよ。

ぼくもどちらかというマッチョなロックが好きなんですが、なぜキャロル・キングにウルウルきちゃうのかは、謎です。

| woodstock69 | 2008/12/08 20:31 | URL | ≫ EDIT

はーいはーい、ウルルン族のマルディちゃんですよー。
woodstockさんこんばんはー。
2回にわたってのレビュー楽しませていただきました!
私、キャロルちゃん、ウルウルしすぎて、細かいこと全部忘れてしまったから(!)、そうだそうだーって思い出しながら読んでました。

そうそう、私もIt's Too Lateはすごく冷静に(口パクで歌いながら)聴いてて、「これっていかにもナツメロだなー。歌詞も考えてみれば古くさいんだよなー」なんて思ってましたi-229

You've Got A Friend、泣くもんかーって思うのに泣いちゃうんですよねー。くやしーー。なんつて。
ほんと、70歳のキャロルちゃんに会いたいですね。
ずっとLiving Room Tourを続けて欲しいな。

| マルディちゃん | 2008/12/09 21:08 | URL | ≫ EDIT

素敵な
レヴューありがとうございました。
お互いにあの時間をを体験したんだから言葉はいらないですね。

| Purple_Haze | 2008/12/13 19:33 | URL | ≫ EDIT

マルディちゃん、おはようございます。
インフルエンザ発症のため、返信が遅くなって、ごめんなさい。
おかげで、キャロルちゃんを聴かなくても、一日中ウルルン状態でした。

キャロルちゃんのライブですが、一部を除いて意外にも冷静に見られました。
席が良かったのと、座ってじっくりと見られたせいでしょうね。
ただ、座っていたのに、音と動きに集中していたせいか、ライブが終わったあとは、頭の芯がしびれたような感覚がありました。

「It's Too Late」は悪い唄じゃないんですが、今となっては「つづれおり」の中で一曲だけ少し異質な感じがしますよね。
それと「You've Got A Friend」には、生で聴いてみて、初めて分かる良さがあったような。
あれ以来、CDで聴いてもウルルンときちゃいます。

ホント、あと何年後かにまた来てくれないかな。
それと新しいアルバムも聴いてみたいです。

| woodstock69 | 2008/12/16 09:25 | URL | ≫ EDIT

Purple_Hazeさん、おはようございます。

あのライブに関しては、言葉は要らない、あの場所にいられて良かったってのが、ホントに正解だと思いますね。

ぼくも長々と書きましたが、言いたかったのは「キャロル・キングの歌の力ってのはすごい」という一行だけです。
そして、あれ以来、瑞々しい感覚も少し蘇ってきたような気もするんですよね。

とりあえず、今は年末にWOWWOWで放映されるオーチャードホールでのライブが楽しみです。

| woodstock69 | 2008/12/16 09:32 | URL | ≫ EDIT

私は土曜日の公演に行きました
逆に年を取っているとまでは言いませんが、キャロル・キングはいつまでたっても若々しかったですね。芸能人は若く見えると言いますが、自分の周囲の60歳代の方々と比べると差が歴然とします。
途中で休憩が挟まれているおかげで体力と集中力が持続できました。元々丈夫なほうではないのですが、もう若くありませんね。観客席は年齢が高い方々が多かったようなので、皆様同じ思いをされていたかもしれません。

| Backstreets | 2009/01/03 14:59 | URL | ≫ EDIT

Backstreetsさん、こちらにもコメント、ありがとうございました。

キャロル・キングですが、ホントに若々しかったですね。
特に歌声に関しては、今が全盛期かと思わせるほどの素晴らしさだったと思います。
ただ、WOWWOWで放映されたオーチャードホールのライブを見ると、アップではしわが目立つんですよね。
でも、それらを含めて、ホントにチャーミングな人だと思いました。

途中の休憩ですが、確かにありがたかったですよね。
あれは大いにありです。
大半を座って見たとはいえ、ぼくもステージにすごく集中していたので、普段のライブとは違った疲れを感じ、終わったあとは軽い脱力感がありました。

| woodstock69 | 2009/01/05 21:43 | URL | ≫ EDIT















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