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1970年の空気感を再現する「まぼろし万博」

まぼろし万国博覧会まぼろし万国博覧会
串間 努


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 このブログでこれまでに紹介してきたロックやジャズのアルバムの大半が、実は1960年代から70年代にかけてリリースされたものだ。これまで聞き込んできたので書きやすいという理由もあるが、特にロックに関してはこの時期にリリースされたものに圧倒的に名盤が多いと思う。

 60年代を全速力で駆け抜けたビートルズを軸に、ロックという音楽は大きく開花し、急速に成長していった。同時期に日本という国も敗戦のショックから立ち直り、急速に経済が発展する高度成長期を向かえていた。
 ぼくは1962年生まれなので、ビートルズに関しては来日公演を含めて、リアルタイムでの記憶はほとんどない。しかし、高度成長期に伴う生活の変化はよく憶えている。例えば、家に初めてカラーテレビがやって来た日のこと。カラーで見たアニメの「ジャングル大帝レオ」は驚異的に美しかった。そのテレビで見たアポロ11号の月面着陸も少年時代の鮮明な記憶である。

 1970年3月に開幕した大阪万博は東京オリンピックと並んで国家の威信をかけて開催され、何と延べ6400万人の入場者を集めた。「まぼろし万国博覧会」はこの歴史的イベントを活字で再現している。
 当時、ぼくは大阪に住む小学2年生。大阪万博の会場には何度も行ったので、断片的な記憶は残っているが、この本を読んで当時のことが鮮やかによみがえってきた。
 それは「サンヨー館でこいのぼりのマークのバッチをもらったな」とか「太陽の塔の内部は不気味だった」「迷子バッチをつけさせらた」「ニヤロメの万博紹介本は読んでたなー」などといったたわいもないものだが、大阪万博は子供の心を強烈にひきつけた。万博会場が大阪の北部の竹やぶの中に忽然と出現し、わずか半年で消えた夢の未来都市だったからである。

 「人類の進歩と調和」がテーマの大阪万博が開催された頃、未来はバラ色で来るべき21世紀は夢の時代だった。小学2年生のぼくは何の疑いもなく、そう信じることができた。
 しかし、実際に迎えた21世紀はバラ色でも夢の時代でもない。あの頃、描かれた夢のような未来のごく一部分は実現されているが、世界情勢は戦争やテロなどで「進歩と調和」どころか「退化と混迷」している。
 音楽は時代の空気の影響を強く受ける。7歳の少年がバラ色の未来を信じられた時代に作られたメロディーは、やはり美しいのだ。

 大阪万博を通して当時の日本人の気持ち、時代背景を描いた「まぼろし万国博覧会」は、ぼくと同世代の人はもちろんのこと、1970年にまだ生まれていなかった方が読んでも楽しめる一冊だと思う。

※愛知万博のメニューを見ていると、冷凍保存されていたマンモスと月の石、リニアモーターカーとモノレール、大型スクリーンによる映像など、展示物などが大阪万博とあまり大差がないことに気付く。こちらもあまり進歩していないような気がする。

| BEATな読書 | 10:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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