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お疲れ気味の「Beatles For Sale」は駄作だろうか?

 1964年のビートルズはとにかく忙しかった。

 1月にアメリカのヒットチャートで「I Wanna Hold Your Hand」が1位になり、全米でビートルズの人気の導火線に火がつく。
 そして、2月からは初の全米ツアーを行い、今や伝説的なエド・サリバン・ショーに出演。この番組は72パーセントという驚異的な視聴率を記録し、この時点でビートルズの人気が大爆発する。4人は世界のアイドルになったのである。

 熱狂のアメリカからイギリスに戻ると、すぐに初主演映画「A Hard Day's Night」の撮影に入り、これをクランクアップさせると、休むまもなくデンマークを皮切りに、オーストラリアとニュージーランドまどを周るワールドツアーを行った。
 そして、7月には、前のエントリーで紹介したアルバム「A Hard Day's Night」がイギリスでリリースされ、8月には映画が全米で公開される。

 1964年前半は、まさにビートルズの全力疾走を感じさせるスケジュールだ。「A Hard Day's Night」というアルバムには、疾走感があって当たり前という気すらしてくる。

 そして、レコード会社はこんなにも働き者のビートルズに追い討ちをかけるように、64年のクリスマスシーズンにあわせたアルバムのリリースを要求する。本来なら「そんなのムリ、ムリ」と断ってもよさそうなものだが、ビートルズはそれに応えて「Beatles For Sale」のレコーディングに入るのだ。

B0025KVLSIBeatles for Sale
The Beatles
EMI UK 2009-09-09

by G-Tools

 気だるい表情の4人が並ぶアルバムのジャケットが、すべてを表しているが「Beatles For Sale」のビートルズは、かなりお疲れ気味である。「ビートルズを売り出し中」というタイトルも自虐的だ。
 超多忙なスケジュールをぬってのレコーディングのせいか、前作にあったような疾走感はなく、全14曲中6曲がカバー曲。これはビートルズにじっくりと曲を作る時間がなかったことを物語る数字だと思う。

 ついでに、このアルバムは日本においても不人気のようで、EMIがリマスターの記念に行ったアンケートでも12位となっている。
 「Beatles For Sale」より下にランクされているアルバムは「PAST MASTERS Vol.1&2」と「YELLOW SUBMARINE」だが、これらは厳密にはオリジナルアルバムとはいえない内容だ。つまり「Beatles For Sale」はビートルズのオリジナルアルバムの中で、最も不人気の一枚なのだ。


 しかし、このアルバムが退屈な失敗作かというと、そうとも言い切れない。
 まず、1曲目の「No Reply」からして、素晴らしい。ハードスケジュールで疲れ気味の中でも、前作で感じられたジョンの音楽的なピークは、このアルバムでも持続していたことが感じられる。この曲、ジョンの全キャリアの中でも上位に入る名曲ではないだろうか。

 4曲目の「Rock and Roll Music」までジョンのリードボーカルが続き、次に出てくるのがポールの「I'll Follow the Sun」だ。
 この曲、ポールが16歳の時に作ったらしく、その早熟な才能に驚いてしまうが、逆にいえばそんなに古い曲を引っ張り出さざるをえないほど、この時のビートルズには時間がなかったのだろう。
 でも、この曲は「Beatles For Sale」の4曲目という場所がぴったりの佳曲だと思う。

 日本において、このアルバムで一番記憶に残っている曲は次にくる「Mr. Moonlight」かもしれない。



 ビートルズの来日時に放映されたテレビ番組の冒頭部分の映像だが、2分20秒を過ぎたあたりから「Mr. Moonlight」が流れる。

 残念ながら、ぼくはリアルタイムでこれを見たわけではない(産まれてはいたけれど、まだ3歳だった)。しかし、テレビの前で見つめていた多くのファンにとって、夜明け前の首都高をパトカーがサイレンを鳴らし、ビートルズの車を先導して走る様子をバックに、この曲が流れた時の衝撃度はかなりのものだったのではないか。
 そして、この選曲のセンスと「Mr. Moonlight」が流れるタイミングは、何度見てもすごいと思う。


 いずれにせよ、ビートルズが単なるポップグループだったら、この時点で才能や気力が消耗してしまって、その後の活動は尻すぼみなものになっていっただろう。しかし、ビートルズはお疲れ気味の「Beatles For Sale」の後に、さらなる高みへと登りつめていく。このアルバム、今にしてみれば、次なるステップの前の小休止だったのかもしれない。

 傑作とは言い難いけれど、捨てがたい魅力を秘めた「Beatles For Sale」。ぼくはクリアな音のリマスター盤を聴いて、改めて「ビートルズに駄作はなし」という事実を思い知らされた。

| ビートルズとその周辺 | 17:17 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

初めまして
初めましてJohn Beatle Lennonという者です
早速ですが、個人的には「Beatles For Sale」は大好きですよ。
特にジョンのヴォーカルの美味さが際立ってると思います~『A Hard Day's Night』『Help!』という派手目のアルバムに挟まれているから、地味な感は否めませんが曲の完成度は素晴しいと思います…

| John Beatle Lennon | 2009/10/18 22:09 | URL | ≫ EDIT

いやいや
傑作です!!
ビートルズ流C&W炸裂です。
アコギも好きな音色で鳴ってるし・・・
結構聞いてるな・・・・多分

| 店長阿部 | 2009/10/19 19:07 | URL | ≫ EDIT

John Beatle Lennonさん、はじめまして。
コメント、どうもありがとうございました。

さて「Beatles For Sale」ですが、ぼくも大好きです。
昔は後期のアルバムが好きだったんですが、最近は初期の4枚を聴くことが多くなりました。

この頃のジョンの声、ホントに良いですね。
特に、ドスの効いたシャウトには惚れ惚れしちゃいます。
「Revolver」以降はボーカルにエフェクトをかけることの多くなったジョンですが、このころは直球勝負。
でも、唄の緩急のつけ方がうまい。
とても20代前半だったとは思えないですね。

| woodstock69 | 2009/10/20 18:16 | URL | ≫ EDIT

店長阿部さん、こんばんわ。

確かに、このアルバム、ビートルズなりのC&Wも感じます。
ひょっとして、10年早いレイドバックかも?
「Honey Don't」のジョージのギターなんかも、程よい枯れ具合で、実に良いですもんね。

それにしても、リバプール産まれの彼らが、カール・パーキンスを好きだったというのも面白いです。
きっと、多彩な音楽をむさぼるように聴いていたんだろうな。
他のアルバムにはないテイストのある「Beatles For Sale」、確かに傑作です。

| woodstock69 | 2009/10/20 18:24 | URL | ≫ EDIT















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