今日は近頃よく履いているスニーカーのお話を。

上の写真のように、おめでたい色合いの赤と白のスニーカーを、ぼくは愛用している。
白いほうは、ぼくと同じような年齢の方にはおなじみで、懐かしい一足の「コンバース・オールスター」だ。
1917年に生産が開始されたバスケットシューズは、かれこれ100年近い歴史を持っている古典的な靴だ。そして、キャンバス地で作られたクラシカルなスタイルの「コンバース・オールスター」の履き心地は、今のハイテク・スニーカーに比べると決して良いとはいえないし、ハイカットは足の出し入れにも手間がかかる。
それでも、常に一足は持っていたいと思わせる魅力が「コンバース・オールスター」にはある。
ギターでいうと、大好きなテレキャスターのようなもので、設計が古くて、使いづらい部分もあるけれど、なぜか愛着を感じる。オフホワイト・ブロンドのテレキャスターが一番好きだが、コンバースも白がいい。
ぼくは今のを履きつぶせば、次も白いコンバースを買うだろう。
赤いスニーカーはランニング用に履いているリーボック。
こちらはコンバースとは正反対のハイテクぶりで、リーボックのHPでは「反則」とPRしているスニーカーだ。
ジグテックは特徴的なジグザグのソールが着地時の衝撃を吸収、それを前への跳躍力に換える。つまり、足への負担が少なくて、なおかつ足が前に出やすいスニーカーらしい。
この宣伝文句は、ぼくのような脚力に自信のないへなちょこランナーには、実に魅力的だった。昨年、発売されたばかりのジグテックを買ってみると、なるほどソフトな着地感があって、何となく足が前に伸びていく気がする。それを1年で履きつぶしてしまったので、2足目の赤いジグテックを買った。
もちろん、靴で貧弱な脚力をカバーしきれるわけはないけれど、少しでも足への負担をやわらげることが、ランニングが長続きすることのコツのような気がしている。
そして、靴に関する唄で、ぼくが真っ先に思い出すのは「ブルー・スエード・シューズ」。色んなカバーがあるけれど、ジョン・レノンのライブ・バージョンがを。
1969年のトロント、ジョンは久しぶりのライブのせいか、手探りで唄い始める。しかし、この手のロックンロールなら、どんな状況でも唄いきれるてしまうのがジョンだ。黒いレスポールカスタムを持っているクラプトンもかっこいい。
そして、赤い靴が出てくる唄といえば、佐野元春の「悲しきレディオ」。
出だしの「きのう買ったばかりのレッド・ローヒル・バンプス」という歌詞だけで、特別なデートに向かう女の子の気持ちや情景を表現しきってしまうあたりが、すごい。初期の佐野元春、黄金の一行だと思う。
そして、ハートランドとの「悲しきレディオ」の11分にも及ぶ圧倒的なパフォーマンスの中には、ぼくが佐野元春を30年以上も聴き続けている理由のすべてがあるような気がする。