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ボブ・ディランのぶちまけ感がたまらない「激しい雨」

Hard RainHard Rain
Bob Dylan


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 前回紹介した「マイルス・デイヴィス・アット・フィルモア」は、とにかくマイルスがかっこいいライブ盤。それで思い出したのが「Hard Rain」(邦題は「激しい雨」)だ。最もボブ・ディランがかっこいいライブ盤が、これである。

 一曲目の「Maggie's Farm」の出だし、チューニングともイントロとも言い難い薄っぺらいギターの音から曲になだれ込んでいく瞬間のかっこよさといったら、数あるロックのライブ盤の中でも一番ではないだろうか。あとはラストの「Idiot Wind」までボブとバンドが勢いまかせで疾走するだけだ。
 演奏はラフでルーズ。時にテキトーと表現していいくらいのプレイだが、足掛け2年に渡ったツアーのローリング・サンダー・レビューの終盤の1976年録音だけに、ボブとバンドの間には阿吽の呼吸が感じられる。

 そして、何よりも素晴らしいのがボブの声だ。全編に渡ってシャウトする声には適度なザラザラ感と艶があって、これぞロック!
 長いキャリアの仲で、何度も声質を変えてきたボブだが、個人的には1970年代の「Before The Flood」から「At Budokan」までの声が最高だと思っている。
 ぶちまけるようなボブの声。でも、よく聴いて欲しい。驚くほどに感情表現が豊かで、ホントは物凄く唄がうまいボブの姿が見えてくるはずだ。

 数年前には、第一次ローリング・サンダー・レビューの様子を収めた2枚組みの「Bob Dylan Live 1975 - The Rolling Thunder Revue」が発売された。これも名盤だが、まとまりが良すぎて優等生的プレイである。「Hard Rain」のぶちまけ感がない。
 これにはボブの私的な事情がある。「Hard Rain」が録音された1976年の第二次ローリング・サンダー・レビューはツアーと平行して製作していた映画「レオナルド&クララ」の資金集めのために行われたが、チケットの売れ行きが不振。さらにボブ自身がローリング・サンダー・レビューという企画に嫌気がさし、愛妻サラとの仲も悪化して離婚寸前。毎晩のように、酒に溺れていたという。そんな感情を隠そうともせず、ステージでぶちまけたボブを記録したのが「Hard Rain」だ。

 本来は甘いラブソングの「Lay Lady Lay」を必要以上にブレイクを繰り返してぶち壊し、「Idiot Wind」では「お前はお馬鹿だ。息の仕方を知っているだけでも奇跡だね、今日も食事ができることすら奇跡だぜ」と毒づくボブ。 
 ぼくもライター業をやっていて、表現者の端くれなのだが、実は自分の感情をさらけ出すというのは意外に難しいし、勇気もいる。私的な感情は包み隠したり、装飾したりしたほうが楽なのだ。しかし、天才は違う。ステージで苛立ちを隠そうともせず、それを平気でライブ盤として発表してしまう。
 ボブの感情が爆発し、暴走しつつも確実に前に進もうとする姿がかっこいい「Hard Rain」は、当時盛り上がりつつあったパンクロックよりも、さらにパンクなロックロールアルバムだ。

 実は「Hard Rain」の様子はアメリカのテレビ番組としても収録されている。日本でもボブの初来日時に放映されたので見たことはあるのだが、これまたかっこよかった。しかし、その後は一度も目にすることができないのが残念。
 現在では、ブートのDVDが購入可能だが、オフィシャルのDVDとして正式発売されないものだろうか。

| ボブ・ディラン | 10:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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