2005.12.21 Wed
久しぶりに「サージェント・ペパーズ〜」を聴いた
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ぼくが一番最初に買ったビートルズのレコードは「アビイ・ロード」だった。その時の話は10月に書いた。そして、2枚目に選んだ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、翌年のお正月にお年玉を握りしめてレコード屋に買いに行った。
当時の「サージェント・ペパーズ〜」はロックの名盤の筆頭格、ビートルズの金字塔と評価されるアルバムで「これはきっと特別な音楽だ」とロックの初心者に思わせるだけの重みがあった。
ワクワクしながら手にした「サージェント・ペパーズ〜」だったが、有名人のコラージュで構成されたジャケットは派手なのに、ちょっとおどろおどろしい。そして、見開きの写真のビートルズのポートレートも、目つきがかなり怪しい。今なら「クスリで目がぶっとんでる。サイケだなあ」で済ませられるが、中学生の頃はそんなことは知らない。
レコードの見かけからして、かなり異質なものを感じた「サージェント・ペパーズ〜」は、レコードから出てきた音も、今まで聴いてきたビートルズとは違う印象があった。きらびやかなサウンドなのに、何だか少し怖かったのだ。
昨日、25年以上前の第一印象を思い出しながら、久しぶりに「サージェント・ペパーズ〜」を聴いた。ビートルズのアルバムには1枚、1枚に違った肌触りがあるけれど、やっぱり「サージェント・ペパーズ〜」には特別な何かがある。
発売日が1967年6月で、ヒッピーの全盛期、サマー・オブ・ラブとも呼ばれる時代の直前のリリース。サイケデリックもヒッピーも今では過去の特殊な風俗かもしれないが「サージェント・ペパーズ〜」は、そんな時代を象徴するアルバムだった。ぼくはリアルタイムで「サージェント・ペパーズ〜」を聴いたわけではないが、きっと67年初夏の空気感の中で聴くこのアルバムは、今とは違った特別な音がしただろう。
さらに、無視できないのはドラックの存在。ビートルズはデビュー前からドラッグを試していたらしいが「サージェント・ペパーズ〜」にはLSDの幻覚による影響も感じられる。
「サージェント・ペパーズ〜」はこれ以外に考えられない順番で曲が並べられているが、出だしの2曲が強烈。「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band〜With a Little Help from My Friends」のメドレーでアルバムの世界に引きずり込まれ、「Lucy in the Sky With Diamonds」で空を飛ぶ。
レコードの場合はA面の終わりで一息つけたが、CDの場合はいつの間にか「A Day in the Life」の最後のジャーンという音が鳴り響いている。丁寧に作り上げられているのに、スピード感のある不思議な音の世界が「サージェント・ペパーズ〜」だ。
ぼくは「サージェント・ペパーズ〜」がビートルズの最高傑作だとは思わない。曲のクオリティーでいうと、これより上のアルバムはある。それでも「サージェント・ペパーズ〜」は特別だ。ヒッピーの全盛期、サイケデリックな時代を象徴するアルバムだからこそ、未だに不思議な浮遊感があるのだろう。でも、ホントの音の感触はこれを1967年夏に聴いた人にしか分からない気がする。
今でも確かに言えるのは、デビュー曲の「Love Me Do」からわずか5年弱で、こんなところまで来てしまったビートルズの成長がとんでもなかったこと。そして、ぶっとんだアルバムの中で常に覚醒しているポールのベースラインの凄さである。つまり「サージェント・ペパーズ〜」の土台を支えているのはポールで、このアルバムからビートルズの主導権がジョンからポールに移り変わったことを象徴している。
「サージェント・ペパーズ〜」はある種の頂点であると同時に、ビートルズの無邪気な時代の終わりを告げたアルバムでもあった。ここから彼らは少しずつ解散への道を歩み始めるのだ。
| ビートルズとその周辺 | 14:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑



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