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レスポールの改造、ペグとテールピース編

 前回の「お金をかけずに手間かけて編」からずいぶんと間が空いてしまったけれど、3月の終わりにジャンクで買ったエピフォンのレスポール・ゴールドトップの改造は、その後も続いている。
 今回はペグとテールピースを交換した時の話を紹介します。

GOTOHのペグとテールピース

 ペグは付いていて当然のもので、数あるギターのパーツの中でも軽視されている存在ではないだろうか。でも、ペグは重要なパーツのひとつで、これがなければチューニングができないし、ギター全体のトーンや弾き心地にも、少なからず影響を与えると思っている。

 これまで、ビルローレンスのテレキャスター、グレコのSGのペグをGOTOH製のものに交換してきたが、交換前と交換後では、明らかにトーンが変わるのだ。それは些細な変化かもしれないが、音に締りが出るというか、ギターの鳴りが良くなった気がした。
 さらに、GOTOHのペグは精度が高くて、タッチも良い。安物のペグとはモノが違うから、チューニングが安定するし、結果として気持ち良くギターが弾けるようになる。

 エピフォンの普及モデルに付いているペグは、チューニングの安定度はそこそこだが、タッチが悪い。バックラッシュが多くて、スムーズに回っている気がしないのだ。これはスクワイヤーのジャグマスターのペグにも感じることだが、普及ラインのギターでも、せめてペグだけは良いモノを使うべきだと思うんだけどな。
 さらに、ぼくのゴールドトップは4弦用のペグのシャフトが曲がっていたので、これをGOTOHのSD90に交換した。

 ペグの交換は、それほど難しくない。付いているペグを取り外して、新しいものに換えるだけだ。弦を巻くシャフトのサイズが同じなら、ギターを改造する必要はなく、ネジ穴もそのまま使える。
 しかし、エピフォンのゴールドトップは加工精度が悪いのか、ペグを裏から止めるネジ穴の位置がGOTOHのものと微妙に異なるのだ。新たに穴を開けなおすほどのズレではないので、何とかごまかしながら取り付けたが、この症状はこれまでペグを交換した2台のギターにはなかったことなので、少々とまどった。

 今回は「こうなりゃ、ついでに」と、テールピースもGOTOHのアルミ製のものに交換。
 エピフォンに最初から付いているのはダイキャスト製で、これを軽量のアルミのテールピースに換えるのは、他のレスポールでも定番の改造だ。ただし、レスポールのテールピースにはインチとミリの2つの規格がある。本家ギブソンはインチ、韓国や中国製のエピフォン、日本製のレスポールのコピーモデルなどはミリと考えておけば、まずまちがいないだろう。
 
 今回の改造は、弦を止めている場所の最初と最後の部分を換えることになった。その結果、トーンもかなり変化した。
 重量のあるダイキャスト製のテールピースから軽量のアルミ製に換えることで、どうしてそうなるのか理屈はよく分からないが、トーンが上品になって、音にまとまりが出てきたような気がする。例えば、コードを弾くと、これまでは音が「ジャガーン」と固まって出ていたのに、アルミのテールピースにすると「シャラーン」と1本、1本の弦がきれいに分離して鳴っているように聴こえる。
 ただ、サスティーンに関してはダイキャストのテールピースの方が良かった気がするし、音の重厚さも少し薄れた。どちらかというと、クリーントーン重視に感じられるアルミのテールピースを付けると、枯れた音になるといえるかもしれない。

 どちらが良いのか、最後は好みの問題になってしまうけれど、GOTOH製ならアルミのテールピースもそれほど高くないし、簡単に交換できるパーツなので、レスポールのユーザーなら一度は試してみる価値があると思う。


GOTOH/マシンヘッドSD90


GOTOH/アルミテイルピースGE101A(ニッケル)

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| エレキギター、再び | 16:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1月の来日ラッシュ、キャロル・キングとWHO、さらに

 7月末から続いた慌しさにも、ようやく出口が見えてきた。
 と思ったら、お盆の過ぎた北海道では、早くも涼やかな秋風が吹き始めた。仕事、仕事と言っているうちに、夏が終わろうしているのだ、トホホ。

 でも、今年は11月の大阪行き、コンサート3連戦があるので、夏を捨ててしまってもあきらめはつく。キャロル・キングの大阪公演が13日にあるTHE・WHOのライブの後ろに見事にはまったのだ。
 キャロル・キングの日本ツアーの公演予定は下記の通り。

11月10日(月) Bunkamuraオーチャードホール
11月11日(火) Bunkamuraオーチャードホール

11月14日(金) 大阪厚生年金会館
11月15日(土) 大阪厚生年金会館

11月17日(月) 名古屋国際会議場センチュリーホール

11月21日(金) 東京国際フォーラム
11月22日(土) 東京国際フォーラム

11月24日(月) 神戸国際会館

 この日程はキャロル・キングの公式サイト(英語)のニュースにも掲載されているので、まちがいないと思う。さらに、東京、名古屋では既に先行予約が始まっている。
 大阪に関しては、まだチケット発売の正式なアナウンスがないので気がかりだが、近いうちに何らかの発表があるだろう。


 今年の11月は時ならぬ来日ラッシュのようで、ジャクソン・ブラウンも20日は大阪、22日と24日が東京でライブをする。こちらも、久しぶりに見たいところだが、20日まで大阪に滞在するのはちょっと難しそうだ。

 そのジャクソン・ブラウンのニューアルバム「Time the Conqueror」が9月末にリリースされる。

Time the ConquerorTime the Conqueror
Jackson Browne


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 でも、ジャケットを見て、びっくり。
 永遠の好青年(アメリカの布施明という声も)のはずのジャクソン・ブラウンがヒゲ面になって、サングラスまでかけている。こりゃあ、CDショップでジャケットを見つけても、ジャクソン・ブラウンのニューアルバムとは思えんぞ。逆にどんな中身なのか、とても楽しみですが・・・・。

 さらに、ボブ・ディランも11月に来日するというウワサがあって、実現すればこりゃもう大騒ぎだ。公演日と場所さえあえば、ボブの姿はぜひとも拝んでおきたいところなんだけどなあ。

 ちなみに、ボブ・ディランも10月にブートレッグの第8集をリリースする。

Tell Tale Signs: Bootleg Series, Vol. 8Tell Tale Signs: Bootleg Series, Vol. 8
Bob Dylan


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 今回は1989年以降にレコーディングされた未発表曲と、1992〜2004年のライブをまとめた3枚組になるらしい。ボブの未発表曲には「どうして、この曲がボツに?」と思えるものがあるだけに、こちらも期待できそうだ。

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| キャロル・キング | 18:59 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハリケーンのフライングV

 このところ、仕事がテンパリ気味で、ブログの更新も停滞中。でも、5カ月ぶりに新たな1本を手に入れたのでご報告を。

 先日、いつも行くハードオフのジャンクコーナーの片隅に、黒い矢印が立っていた。頭からふたつあるシッポの先まで、真っ黒なフライングVである。
 ぼくはフライングVをヘビメタの象徴のようなギターと考えていたから、これまでは完全にノーマークのギターだった。しかし、プライスカードを見てみると、2.100円の値段がついている。そして、注意書きには「ノイズが多い。音はNG」と書いてある。
 「やけに安いなあ」と思いつつ、素通りしようとすると、尖がったヘッドの上に「Hurricane by MORRIS」の文字があることに気が付いた。

ハリケーン、フライングVのヘッド

 「Hurricane」はアコギで御馴染みのモーリスを取り扱っているモリダイラ楽器の輸出向けのブランド名だ。
 80年代、主に海外で流通したらしい「Hurricane」のギターは、アメリカあたりで未だに高い評価を受けていると聞いたことがある。ぼくも密かに気になっていた国産ギターのブランドなのだが、実物を見るのは初めてだった。

 店員に断って、手にとらせてもらうと、色はネックの裏まで真っ黒、本家ギブソンに採用されているセットネックではなくボルトオンで、トラストロッドカバーは欠品していた。ブリッジは二点支持のシンクロナイズド・トレモロだが、アームは付いていない。ボディ全体に傷は多いけれど、ネックに反りもなく、フレットも七分程度は残っている。

 試奏用のアンプに通してみると、確かに「ザァー、ザワー」というノイズばかりで弦の音は出てこない。しかし、この症状はギターを改造している時に、何度か経験したことがある。アースが不良の時に、このようなノイズが出るのだ。さらに、トグルスイッチを切り替えて、指でピックアップに触れてみると、前後ともかすかに反応がある気がする。
 「ブリッジかジャックのアース線が外れているだけかも。直らなくても、2千円ならパーツを取ってから捨ててもいいか」と思って、レジに持っていった。


 家に持ち帰って、ギターの裏にあるコントロールパネルとトレモロスプリングのカバーを外してみると、内部は手を入れられた様子もなく、オリジナルの配線のままだ。アース線もしっかりとハンダ付けされている。「とすると、ジャックか」と思って、外してみるとアース線はつながっているものの、内側がサビだらけで明らかに接触不良を起こしている。接点復活材を吹きつけ、竹串でカリカリとサビを落とすと「ジャガーン」と音が出た。
 ジャック不良、わずか10分で修理は完了である。

ハリケーン、フライングVの全体 最初にも書いたように、テンパった仕事を抱えているので、本来ならギターをいじっくっている場合ではないのだが、この手のことはやり始めると止まらない。

 音は出るようになったとはいえ、いくら磨いても内側にサビの残るジャックを手持ちの中古のものに換え、ガリがひどかったボリュームとトーンのポットも、別のギターのポットをCTS製に換えた時に取り外した国産のものに交換した。
  
 試しにボルトオンのネックを取り外してみると、ジャックのサビの状態からして長年放置されていたギターのはずなのに、ネックの反りもなく、取り外すのに少し力が要るほど、ネックポケットの加工精度も高かった。指板に使われているローズウッドも、最近の安価な中国製のものとは比べ物にならないほど上質そうだ。

 コントロールキャビティには、導電塗料がていねいに塗られていて、パネルの内側もアルミテープでシールド済み。
 ボルトオンネックのフライングVというところから推測すると、それほど高価なギターだったわけでないだろうにこの仕様、80年代の国産ギターの潜在的な実力の高さを見た気がするなあ。

 細部の調整と全体のクリーニングを終えて、ギターをながめてみると、真っ黒で何だか愛嬌がない。そこで、手持ちのステッカーを貼ってみた。
 ギターをステッカー・チューンするのは高校生の時以来だが、やっているうちに何だか楽しくなってきて、あれでもない、これでもないと悩みながら、いくつかのステッカーをボディに貼り付けた。

 肝心のトーンのほうも、形に似合わず、意外に良い音だった。
 レスポールと同じ構成で2つのハムバッキングPUが付いているのだが、ボディの形状のせいか、良くも悪くも軽い音がする。どちらかというとSGに近いトーンかもしれない。
 ピックアップはミドルパワーという感じで、クリーントーンでも何とか使えて、オーバードライブさせると本領を発揮するが、トーンには芯があり、ぼやけた音ではない。特にリアの切れ味はなかなか鋭い。レスポールのように甘くて太いトーンは出ないけれど、弾くたびに「これはこれで、ありかもしれん。いや、ひょっとしたら好きかも」と思ってしまうようなトーンだ。

 フライングVは「弾きにくいギターだ」という話も聞くが、実際に弾いてみると、それほど扱いづらいギターでもない。もちろん、座って弾くなんて話は論外だが、立って弾くには軽くて取りまわしも良い。よーく考えれば、あの形は究極のダブルカッタウエイのようなものだから、ハイポジションにもスッと手が入っていく。
 ただ、その形状からかギターのバランスが少々悪い。すべりのいいナイロンストラップを使うと、ヘッドが下がり気味になるのだ。この問題はレザーストラップに換えることで、少しは解消されるが、ギターのデザインによるものとあきらめるしかないだろう。

 テレキャスターが一番好きなギターなのに、黒のフライングVのコピーモデルをうれしそうに弾いている姿には、自分自身でも未だに違和感があるけれど、ハリケーンのフライングVは、なかなか楽しいギターだ。
 少なくとも、2千円のギターの音ではないことは確かで、ギター選びの目安はブランドや値段だけ(もちろん、それも重要だけど)ではないことを思い知らせてくれる1本である。

 ちなみに、このフライングVのヘッドには、小さく「Vivian」とモデル名が書かれている。
 V字型の黒のヴィヴィアンちゃん、ぼくの持っているギターの中では異色の1本となったが、この先も愛用していきそうな予感がする。

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| エレキギター、再び | 12:22 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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キャロル・キングの単独の来日公演が決定!

 願い続けていれば、いつか想いは届く。
 なんと、キャロル・キングの単独の来日公演が決定したのだ!

 すでに、今日からキョードー東京でのHPでは先行予約が始まっている。
 ライブの日程は11月10日、11日が渋谷のオーチャード・ホール。11月21日、22日が有楽町の国際フォーラムと、現在発表されているのは東京での4公演だ。

 今回のツアーのタイトルは「Wellcome To My Living Room Tour Japan2008」。
 おそらく、ライブの構成はCDで何度も聴いて、DVDを何回も見た「The Living Room Tour」と同じような流れになるだろう。

The Living Room TourThe Living Room Tour
Carole King


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ベスト・ヒッツ・ライヴ~ウェルカム・トゥ・マイ・リヴィング・ルームベスト・ヒッツ・ライヴ~ウェルカム・トゥ・マイ・リヴィング・ルーム
キャロル・キング


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 去年の来日はジョイント・コンサートだったが、今回は単独公演。
 「あの『The Living Room Tour』が短縮バージョーンではなく、そのまま目の前で楽しめるんだ」と考えるだけで、もう鳥肌ものですなあ。

 ぼくはキョードー東京のHPを見て「できるなら、こじんまりとしていて音響も良さそうなオーチャード・ホールで見てみたい」と、勢いで先行予約しそうになったが、公演の間が空きすぎているのが気になる。これは他の都市でもライブがあるのではないだろうか。

 実はもうひとつ気になっているライブがある。THE・WHOだ。
 このところのぼくは「行く、行きます」とブログに書いたライブに行けなくて、ライブ狼少年状態だった。だから、あえて書かなかったのだが、THE・WHOの日本初の単独公演も11月に実現する。彼らも一度は見たかったバンドのひとつだ。

 THE・WHOの大阪でのライブが11月13日。そして、キャロル・キングのライブがその週末の14日から16日あたりに大阪であれば、1回飛行機に乗るだけで、二度おいしいことになる。
 大阪はぼくが生れた街だけど、2003年のストーンズのリックスツアーで大阪ドームに行ってから、5年も帰っていない。懐かしい友達に久しぶりに会って、キャロル・キングとTHE・WHOのライブが連続して見られたら、最高だろうなあ。

 ここは冷静になって他の都市の公演の発表を待ちますが、今回はたとえ東京だけのライブでも行きますよ。

 最後になりましたが、ブログへのコメントで、いち早くキャロル・キングの単独公演のニュースを知らせていただいたはらやんさん、どうもありがとうございました。

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| キャロル・キング | 18:28 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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アナログと地デジと真空管アンプ

 数日前の夕方、教育テレビの子供向けの番組を見ていた長男が「おとうさん、テレビに『アナグロ』って文字がずっと出ているよ」といってきた。「なんじゃ、そりゃ」と見に行くと、確かに画面の右上の隅に「アナログ」という文字が出ている。
 ちなみに、ウチの長男は「地デジ」のことを「ジデジ」と読むので、ホントは「アナグロ」では「アナログ」が正解なのだが、画面の隅の文字に気が付くと、これが実に目障りなのだ。

 気になって、ネットで調べてみると、この文字が入り始めたのは24日からで、ちょうど3年後の地上波アナログ停波に向けての対応らしい。ということは、停波ギリギリまで地デジにするつもりのない我が家は、この文字をこれから3年間も見続けることになるわけで「言われなくても、ウチのテレビがアナログのなのは分かってるわい」と、なんだが腹が立ってくる。

 「そもそも、地デジのメリットって何だ?」と調べてみると、まず画質が良くなるそうだ。でも、これって当然ハイビジョン対応のテレビでないと意味がないわけで、我が家にある旧式のブラウン管のテレビではあまり意味がないだろう。
 さらに、双方向のコミュニケーションが可能らしいが、別にクイズ番組に参加する気はないし、テレビで買い物もできるらしいけれど、それはネット通販でも充分な気がする。
 
 いずれにせよ、3年後には地デジ対応のテレビかチューナーを買わないと、壊れてもいないのにテレビが見られなくなるなんて、納得いかない部分があるぞ。何もかも、デジタルにするなよなあ。

真空管、6L6と12AX7

 そんなことを考えながら、昨日はフェンダー・ジャパンのツイード・チャンプの真空管を交換した。
 このアンプ、15年ほど前に作られたものだが、おそらく真空管は一度も換えられていない。近ごろ、少し夏バテ気味でノイズものるようになったので、パワー管とプリ管をロシア製の新品の真空管を取り付けてみると、元気な音がアンプに戻ってきた。

 慣れてしまえば、真空管の交換はわずか数分で終わる作業だ。しかし、同じ形式であっても、真空管には個体差があって、パワー菅とプリ菅を換えることで歪みの具合やトーンが微妙に変わる。このあたりもトランジスタ・アンプにはマネのできないところで、真空管アンプの面白いところだ。

 ぼくはアンプの音から真空管にしか出しえないトーンを感じるし、キャビネットの裏でほのかに輝くオレンジ色の光には、何ともいえぬ暖かみがある。感情に訴えかける音楽というジャンルには「0」と「1」という信号ですべてを割り切ってしまうデジタルでは表現できない何かがあると思う。
 とはいえ、デジタルが全盛期の現在、真空管はアナログの極みのような電子部品だ。普通に生活していれば、まず目にすることはないだろう。しかし、ギターやオーディオの世界ではバリバリの現役である。音を増幅するという単純な目的のためなら、未だに真空管は充分使える電子部品なのだ。

 その証拠として、多くのプロのギタリストが真空管アンプを愛用しているし、最近では毎月のように真空管を使ったニューモデルのギターアンプが登場する。
 そして、その中には真空管とデジタルを巧みに融合させようとしているものある。


Fender USA Super Champ XD

 例えば、このフェンダーのアンプも、その中のひとつ。真空管を使ったプリアンプ、パワーアンプに、デジタルのエフェクトとモデリングアンプを組み合わせた21世紀型のスーパーチャンプだ。

 これまで、ぼくはこの手のアンプに懐疑的で「別にチューブアンプだけでいいじゃん」と思っていた。でも、ちょっと前のエントリーに書いた「弦六本舗」さんで試奏用に置いてあった「Fender USA Super Champ XD」の音を聴いて、とても驚いた。クリーントーンとリバーブの音が想像以上に美しかったのだ。その音はチューブアンプ以外の何者でもなく、10インチのスピーカーが使われているせいか音圧も充分で、低音の出方にも迫力があった。
 実売価格が3万5千円程度なので、16種類のエフェクトと16種類のアンプモデリングのデジタル部分はおまけと考えても、クリーンチャンネルとリバーブだけで充分におつりのくるアンプではないだろうか。

 世の中がいくらデジタル化したところで、それを使う人間の身体構造は根っからのアナログなんだから、デジタルからの恩恵を受けつつ、アナログ的に生きるべきかもしれない。
 「Fender USA Super Champ XD」は、こんな風に少し高尚なことすら考えさせてくれる良質のアンプだった。

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| エレキギター、再び | 13:11 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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ロックンロールのゴットファーザーと息子たち

 歴史の中に「もしかして」はない。でも、たまに「もしかして」を空想してみるのも面白い。
 ロックの場合、もしチャック・ベリーがいなかったら、ジャンルそのものが成立しかっただろう。さらに、ビートルズやストーンズが世に出ることもなかったかもしれない。
 ワンパターンと思われがちなイントロのギターとリフ。しかし、あれこそがロックンロールのアイコンであり、チャック・ベリーの偉大な発明なのだ。

 そんなロックロールのゴッドファーザーと、彼の影響をモロに受けた息子たちの競演を見てみよう。
 まずはジョン・レノン。1972年に放映されたテレビ番組の中での競演だ。



 「Come Together」に関する盗作問題で因縁のある2人だが「チャック・ベリーは、ぼくのヒーロー」と言い切るジョンが、実に楽しげにプレイしているのが印象的。
 チャック・ベリーの決めワザのひとつ、ダックウォークも軽やかだ(バックでヨーコが唸るのは、そんな時代だったからですね)。

 次はキース・リチャーズとの競演。映画「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」の中の有名なひとコマだ。



 チャック・ベリーというおっさん、変人というか性格的にかなり問題のある人らしく、お金に汚く、逮捕歴も数回ある。さらに、ツアーには出ても、バンドは同行させず、現地でミュージシャンを調達しては、適当にライブを繰り返していた。
 そんな行き当たりばったりのチャック・ベリーをキースが「ちゃんとしたライブをしないとダメだよ」と説得。チャック・ベリーの60歳の誕生日を祝って、豪華ゲストを招いたライブが実現した。そのライブを舞台裏を含めて撮影した映画が「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」だ。

 映画の中でキースはチャック・ベリーの複雑怪奇な性格に引きずり回されるが、彼を必死に盛り立てようとする姿はあまりにけなげで、感動的ですらある。しかし、撮影中に多くの衝突があったのも事実のようで、象徴的なシーンがこれだ。
 「キャロル」のイントロを弾くキース。しかし、チャック・ベリーが「ちょっと待ちな。そうじゃねえだろうよ」と演奏を止めて、チョーキングのやり方の指導をする。怒りをこらえて、イントロを弾き直すキース。しかし、そのむくれた顔は映像に残されているキースの表情の中でも、ピカイチの怖さだ。

 キースに説教をするチェック・ベリーも只者ではないが、恐怖すら感じるむくれ顔からはキースの本性のようなものを感じますなあ。

ヘイル!ヘイル!ロックンロール(完全限定版 4枚組コレクターズ・エディション)ヘイル!ヘイル!ロックンロール(完全限定版 4枚組コレクターズ・エディション)
リンダ・ロンシュタット, チャック・ベリー, ロバート・クレイ, ジュリアン・レノン, テイラー・ハックフォード


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 昨年暮れに4枚組みのコレクターズエディションも発売された「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」はロック・ファン必見の映画であることはまちがいないだろう。

 最後は、ブルース・スプリングスティーンと大定番曲の「Johnny B Goode」を競演する姿をどうぞ。



 チャック・ベリーも年をとって、少しは丸くなったのか、周りに気をくばりながらプレイしているように見える。
 しかし、最後までチャック・ベリーを見つめ続けるブルース・スプリングスティーンからは「このオヤジ、何しよるか分からん」という緊張感も感じられる。

 1926年生まれで、80歳を超えたというのに、未だに現役でステージに上がり続け、お得意のダックウォークを披露するチャック・ベリー。ロックロールのゴッドファーザーの前では、ジョンとキース、そしてボスだって、永遠に息子のままなのだ。

Greatest HitsGreatest Hits
Chuck Berry


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| ロックの名盤 | 18:34 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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フェイセズよ、お前もか

 ぼくには「大好きだあ」とあまり声にはしないけれど、昔から密かに聞き続けているバンドがいくつかある。
 フェイセズもそんなバンドのひとつ。ルーズでポップなのに、そこはかとなく哀愁の漂うフェイセズは、実にイギリスらしいバンドだと思う。

 バンドのメンバーはロッド・スチュワート、ロン・ウッド、ロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズの5人。
 今、名前を見ると「スーパーグループか」と勘違いしちゃいそうな豪華なメンバーだが、当時はちっともスーパーではなく、単なる酔っ払いのロックンロール・バンドであった。

 そんなフェイセズが残したオリジナルアルバムは、わずかに4枚しかない。

First StepFirst Step
The Small Faces


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Long PlayerLong Player
Faces


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A Nod is As Good As a Wink to a Blind HorseA Nod is As Good As a Wink to a Blind Horse
Faces


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Ooh La LaOoh La La
Faces


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 どれを聴いてもハズレなしの名盤揃いである。
 しかし、この場合の名盤という言葉は「不朽の名作」ではなく、どちらかというと「B級の星」的な意味が濃いあたりが、実にフェイセズらしい。意識的にルーズにプレイしているのか、ホントにはずしているのか、よーく分からない絶妙なバンドのノリがツボにはまる人にとっては、たまらなく魅力的なアルバムばかりだと思う。

 ピカイチのB級ロックロール・バンドだったフェイセズの悲劇は、ロッド・スチュワートがソロシンガーとして、ブレイクしたところから始まった。
 みんなで酒を飲んで、騒ぎながらレコーディングをして、そこそこ売れ始め、楽しくライブを繰り返している頃は良かったのだが、ロッド・スチュワートがソロ名義でリリースしたアルバム「Every picture tells a story」の中に入っていた「マギー・メイ」が大ヒットし、バンドに亀裂が入り始めたのだ。

Every Picture Tells a StoryEvery Picture Tells a Story
Rod Stewart


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 実は、この「Every picture tells a story」はソロ名義とはいえ、バックでほとんどの曲をプレイしているのは、フェイセズのメンバーだ。つまり、フェイセズ在籍時のロッド・スチュワートのソロアルバムは、フェイセズが作ったものに限りなく近かった。ソロ活動とフェイセズの境目が曖昧だったのである。
 彼らはホントに仲が良かったのだと思う。だから、ロッドのソロアルバムであろうと、フェイセズであろうと分け隔てなく一緒にプレイしたのだろう。

 しかし、それが「マギー・メイ」の大ヒットによって裏目に出る。ステージでもロッドのソロの曲とバンドの曲を分け隔てなくプレイしていたフェイセズは、本人達の意思に反して、次第にロッドのバックバンドのような扱い方をされるようになっていく。
 そんなフェイセズに失望したロニー・レーンが脱退。替わりに日本人のベーシスト・山内テツが加入するも、フェイセズはあえなく解散してしまう。



 この映像はキース・リチャーズがゲスト出演した解散直前のフェイセズのライブ。既にバンドの仲はかなり悪かったのだろうが、楽しそうにプレイするフェイセズの様子がよく伝わってくる。
 ついでに、70年代にキースやロニーと並んで、笑顔でプレイしていた日本人ベーシストが居たことも、今となっては驚きに値する快挙だと思う。

 フェイセズ解散後のメンバーの歩みは、みなさんご存知の通り。
 ロッドは「アイム・セクシー」路線でブレイクし、軽薄なロック・シンガーを演じ続けた。近年では渋いスタンダード曲をカバーして、現役のリードボーカリストとして精力的に活動している。

 ロン・ウッドは解散直後にサポートメンバーとしてローリング・ストーンズに加入し、ツアーに同行。今では在籍年数が30年を越えて、すっかりストーンズの一員である。


 そんなフェイセズが33年ぶりの再結成に向けて動き始めているという。

70年代UKロックを代表する伝説的バンド、THE FACESが33年ぶりの再結成に向けて始動か?

 リンク先の記事によると「年内にも新作のレコーディングと再結成ツアーを行う可能性がある模様」らしいから、彼らが30年以上の年月を経て、フェイセズとしてステージの立つ日も近いのかもしれない。

 でも、ぼくはフェイセズが復活することに対して、素直に喜べない気持ちもある。
 彼らの音楽の魅力は、曲から密かに漂ってくる儚さや悲しさである。それはあの時代にしか出しえなかった匂いで、今さらフェイセズが再結成したとしても、同窓会的な集まりにしかならないのではないか。
 大物バンドの再結成ブームに便乗した「オレたちも一山当てようぜ」的なノリは、実にフェイセズらしいとも思うのだが・・・・。

 そんなことを考えていると、こんなニュースも飛び込んできた。

R・ストーンズのロン・ウッド、リハビリ施設に入所

 ストーンズのツアー中は禁酒できるらしいけれど、ツアーが終わるとアル中に逆戻りしてしまうロニーが、遂にリハビリ施設に入所したらしい。
 こんなニュースを読むと、ロニーの快気祝い、次のストーンズのツアー開始まで酒との距離を遠ざけるためのフェイセズの再結成、ツアーってのもありかなと思ってしまう。

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| ロックの名盤 | 20:21 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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怪しくも楽しい、釧路の中古楽器屋さん

 この前の土曜日、仕事で久しぶりに釧路に行った。
 ぼくの住む街から約150キロ離れた場所にある釧路市は、太平洋に面し、釧路湿原と隣接する道東で一番人口の多い街である。

 実は、少し前から釧路に行ったら、立ち寄ってみたい楽器屋があった。「弦六本舗」というお店だ。
 このお店の存在は、去年の夏頃にグレコのダンエレクトロのコピーモデルについて検索している時、ホームページにたどり着いて知った。でも、ホームページを見る限り、実際にお店があるのかのどうか、よく分からない。そのへんの表現があやふやなのだ。
 かといって、実店舗なしのインターネット通販専門店というわけでもなさそうなので、電話で連絡してみると「お待ちしていますよ」との返事があった。

 住所を頼りにお店をたずねてみると、そこには普通の会社があるだけだった。
 まちがった場所に来てしまったわけではなさそうなので、入り口の横にある事務所に入って確かめてみると「あっ、ギター屋さんですね。駐車場の奥にある建物の二階にありますよ」と教えてくれた。

 「こんなところに、お店があるのかなあ」と思いつつ、教えられた建物に行ってみると、一階は資材置き場のような場所になっている。靴を脱いで階段を上がると、普通の事務所のようで人の気配はない。しかし、奥にあるパーティションで仕切られた部屋からギターの音が聞こえてくる。
 おそるおそるドアをノックしてみると、そこが「弦六本舗」だった。中に入ると、壁の一角にギターが並び、窓際にドラムセットがあって、机の向こうで店長さんが笑っていた。

弦六本舗の店内

 「弦六本舗」のHPの「在庫リスト」を見てもらうとよく分かるはずだが、このお店が取り扱ってきたギターには、ひとくせもふたくせもあるようなものが多い。なぜか、希少で貴重なギターが集まるお店なのだ。

 幸か不幸か、ぼくが行った時には「これは!」という1本はなかった。でも、店長さんとは音楽的な趣味がとても似ていたので「ストーンズはテイラー期に限りますねえ」とか「THE・WHOはキース・ムーンが生きていた時が最高」とか「泉谷しげるの『春夏秋冬』は日本のフォークの最高傑作ですね」などと、熱くなって2時間ほど話し込んでしまった。
 もちろん、店長さんはギターに関する知識も豊富な方だったので、中古ギターの目利きやメンテナンスにも信頼のおけるお店だと思う。

 どうしてこのような形態で営業されているかについては、あえて書かないけれど、「弦六本舗」は怪しくも楽しい中古ギター屋さんである。
 もう少し家の近くにあれば、通い詰めてしまいそうなお店だなあ、ここは。

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| エレキギター、再び | 20:10 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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大定番のオーバードライブ BOSS SD−1

 エフェクターの中でも、オーバードライブは「ギターに軽い歪みをかけるだけのエフェクターなのに、どうしてこうも数が多いんだろう?」と思ってしまうほど、多くのメーカーから様々な機種が発売されている。

 「これって、気持ちいい」と感じる歪み具合はギタリストによって異なるだろうし、軽めの歪みを作り出すという単純な目的のエフェクターだからこそ、メーカーによるトーンの方向性や嗜好が明確に出せるのかもしれない。
 さらに、深い歪みをかけるほど、ギターやアンプの個性は失われていく傾向にあるけれど、軽めの歪みのオーバードライブの場合は、これらの機材との相性も見極めないといけない。

 とにかく「歪み」はエレキギターには欠かせないもの。だからこそ、ギタリストにとってオーバードライブ選びは、楽しくも難しい課題になる。


 そんなオーバードライブの大定番のひとつが、1981年の発売以来、25年以上もカタログのラインナップされ続けているBOSSの「SD−1」(SUPER OverDrive)だ。
 「SD−1」にはTONEつまみが追加されているものの、BOSSのコンパクト・エフェクターの記念すべき一号機である「OD−1」と同じ回路である非対称オーバードライブ・サーキットが採用されているから、限りなく「OD−1」に近いトーンが出るらしい。その点からも、「SD−1」はBOSSのオーバードライブの原点を、今に伝えるエフェクターといえるだろう。

BOSS SD-1

 ぼくは以前に紹介した「THE OVERDRIVE BOOK 2」を読んでから、国産オーバードライブの原点といわれるアイバニーズの「チューブ・スクリーマー」と「OD−1」を、一度は試してみたいと思っていた。
 すると、いつものパターンでお手軽な値段のついた中古の「SD−1」をハードオフで見つけてしまった。既にオーバードライブは何台か持っているけど、いそいそとお買い上げである。
 うーん、エフェクターにはまってしまった男の悲しい性ですなあ。

 早速、エフェクトボートに組み込んで「SD−1」を鳴らしてみると、良くも悪くも濃厚なトーンが持ち味のエフェクターだった。
 ミドルがグッと持ち上がって、マイルドにオーバードライブされたトーンは、近ごろ流行りのトーンにあまり色を付けないオーバードライブと比べると、いかにエフェクターを踏んでいるという感じがするし、クセのある中域の濃さに対しては好みがはっきりと分かれそうだ。

 個人的には「SD−1」の濃厚なトーンが気にって入るし、アンプをドライブさせるけれども、決して暴れさせず、マイルドな歪みにまとめ上げるといった効き具合にも好感が持てる。
 例えば、レスポールのフロントピックアップを選んで「SD−1」を踏み、少しオーバードライブさせれば、ポール・マッカートニーの「My Love」のギターソロのような甘いトーンがアンプから出てくるのだ。
 


 濃いめのトーンのエフェクターだけに、誰の好みにもあうというわけではないだろうけれど、中古の玉数も多く、新品を買っても8千円程度の「SD−1」は、初心者の方にもおすすめできるし、トーンの傾向さえ自分にあえば、今でも充分に楽しく使えるエフェクターだと思う。


BOSS SD-1

 ちなみに、1985年に生産中止となったOD−1にはプレミアが付いて、状態の良い物はとんでもない値段になっている。


中古BOSS OD-1 EARLY BOSS

 ぼくは「OD−1」を試したことはないけれど、BOSSの開発者が「THE OVERDRIVE BOOK 2」に掲載されていたインタビューの中で「まったく同じ音は出ないけれど、近い音は出る」というニュアンスの発言しているのだから、値段を考えれば現行の「SD−1」で充分だと思うんだけどなあ。
 でも、些細なトーンの違いにこだわる気持ちはよーく分かるし「OD−1」も一度は鳴らしてみたい。

 そんなことを考えていると、エフェクターに関するエントリーがすごく充実しているブログ「気になるおもちゃ」「OD−1」に関するレビューがあった。
 「なるほどね」と思える内容なので「OD−1」と「SD−1」の違いが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

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友人手作りのエフェクター SUPER HARD-ON

「SUPER HARD-ON」

 今回紹介するエフェクターは、友人が自作したブースター「SUPER HARD-ON」だ。
 ぼくは電気的な知識など皆無なので、SAMURAI Soundのキットを買って「Crazy Fuzz」を作ったが、大阪に住んでいる友人が「1個作るのも、2個作るのも、手間は同じだから」と送ってくれた「SUPER HARD-ON」は、ネット上に公開されていた回路図を読み取り、一から部品を揃えたホントの自作エフェクターである。

 つまみが1個のみというシンプルなブースター「SUPER HARD-ON」は、「Z.VEX」というメーカーが作っている同名のエフェクターのコピーだ。


ZVEX Super Hard on

 ケースのペイントまで手書きというハンドメイドエフェクターらしいが、普通に買えば、とても高価なブースターだ。でも、自作すれば、材料費数千円で作れてしまうらしい。

 これまで、ぼくはブースターというエフェクターを使う意味がよく分からなかったが「SUPER HARD-ON」を使ってみて「なるほどね」と思ったことが、いくつかある。
 まず、単純に音量の切り替え。バッキングからリードに移る時、ブースターを踏んでギターの音量を上げて、ガッンと弾く使い方だ。
 でも、ぼくは「SUPER HARD-ON」を常にONにしたままギターを弾いている。これを使うとギターのトーンが艶やかになり、アンプがワンランクアップしたような気がするからだ。
 
 ぼくが使っている友人が自作した「SUPER HARD-ON」は、つまみが2時の位置あたりまではクリーンブースターとして使える。あるポイントまでは、ギターのトーン自体にそれほど味付けをするエフェクターではない。
 しかし、これをONにしているとギターのピックアップの力を増幅して、最後の一滴まで搾り出すような効果があるような気がするのだ。常時ONにしていても邪魔にならず、ギターの持っている性能を引き出す。ぼくにとって「SUPER HARD-ON」は、そんな役割をしてくれるエフェクターである。
 さらに「SUPER HARD-ON」を歪み系のエフェクターの前に置くか、後ろに置くかでも、トーンがかなり変わってくる。ブースターというエフェクター、追求していけば意外に深い世界がありそうだ。

 ちなみに「SUPER HARD-ON」の元ネタを作った「Z.VEX」を主宰するザッカリー・ベックス氏は「エフェクター界の奇才」と呼ばれているらしい。日本語の公式HPに掲載されているインタービューを読むと、その片鱗がうかがえる。


Z.VEX Fuzz Factory

 彼の作った「Fuzz Factory」は、かなりの「変態ファズ」らしく、慣れるまではまともな音を出すことすら難しいそうだ。
 しかし、使いこなせるようになれば、極悪な歪みからヴィンテージ・ファズのトーンまで出せるという「Fuzz Factory」。奇才の作った変態ファズってだけで、かなりそそられるものがあるぞ。

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